永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(5)

2008年04月01日 | Weblog
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 思いつくまま、あちらこちらに飛んでしまいました。源氏物語の現代訳語本は、たくさんあり、ダイジェスト版、漫画、主な人物を抜き出して書かれたものなど、おびただしいですね。私は昔、谷崎源氏を読みました。与謝野晶子も少し読んだ気がします。それであらすじは分かったつもりでした。しかし、今思うと「よく分からない」という感想でした。情感が、時代が伝わって来なかったのです。年齢的にも理解できない幼さがあったのでしょう。古典を原文で読み始めたのは30代からでした。

 原文を読むのに、辞書を引いたり、解説書、参考書、現代訳、そして昔の地図や
調度品の形状、寝殿造りの間取り、食事、月明かり、夜の状態、草花、染色、香、衣装、女房たちなど、できるだけ文献を調べて臨みました。講師の先生のリードが素晴らしいのです。このようにして原文と突き合わせながら読んできました。これこそが古典の冥利につきるものです。

 当時は貴族の女性に学問のある女房が読んで差し上げたようですので、声を出して読むようにできています。つまり音読しやすい調べになっています。慣れてくると多少意味が不明でも、中身がつかめてくるから楽しいです。

 「桐壺」から物語が始まりますが、これからは私の好きなところを原文を抜粋する形で進めてみようかと思います。テキストにしているのは、前述しましたとおり、日本古典全書 池田亀鑑校注 朝日新聞社 で、今は絶版です。では又。