67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

サミーとベイシー、やっぱり役者だねぇ~!

2007-06-22 04:26:15 | jazz & vocal
Our Shining Hour/Count Basie・Sammy Davis
(Verve V-8605)


 以前にこのチキコンコンのサミー・デイビス・ジュニアの最小編成,即ちギターとのデュオのアルバムをアップしましたが,良いカバーに皆さんからたくさんの反響を戴いたのを記憶しています。今度は,ビッグバンドとの共演,それもベイシーとなると聴きのがせませんね。ベイシーの唄伴を伴うボーカルアルバムでも代表作と言われるエラ,サラ,シナトラ,トニー・ベネットと比べても何の遜色のない出来映えだと思います。サミーも既にショービズ界にデビューし25年,ここまで共演盤が生まれなかったのが不思議なくらい・・・。たまたま,サミーがブロードウェイミュージカル"Golden Boy"のプレビューでマンハッタンに滞在,さらにベイシーバンドがリンカーンセンターでコンサートを開いていたために実現したようですね。

 A面トップの"My Shining Hour"から多彩な選曲で、クインシー・ジョーンズとサミーのピアニストGeorge Rhodesのアレンジで聴かせてくれます。"Teach Me Tonight", "Work Song"と続き、A面ラストはベイシー御得意の”April In Paris"が取り上げられています。リフなどもインストバージョンのモノがそのまま使われておりボーカルバージョンの代表的名演に挙げて良いものと思います。B面の冒頭の"New York City Blues"では間をいかしたベイシー御大のピアノとブルースフィーリング溢れるサミーのボーカルが抜群の組み合わせであることを証明してくれます。時代を反映して取り上げられたイパネマも、サミーのチキコンがリムショットのような効果をあげています。そして最後の"Bill Basie, Won't You Please Come Home"でベイシーのピアノとサミーのタップというビッグサプライズを作ってくれるあたりもまさに役者ですよね。

 所有盤はMGM、T字VERVEのセンターレーベルの両溝,モノ盤です。まさにgreat encounterと言うべき組み合わせですね。

もう一発ブルースで!

2007-06-20 21:01:32 | jazz & vocal
Here 'Tis/Lou Donaldson
(Blue Note 4066)


 昨日のマッキャンのブルースに続いて,今度はルー・ドナルドソンで行ってみましょう。ルーについては説明不要,ブルーノートの初期から活躍するこのレーベルの看板プレーヤーですよね。ブレイキーのバードランドのライブ録音でブラウニーとフロントを形成したこのアルトサックス奏者は,後にジョージ・ベンソンを入れた五重奏団でアリゲーター・ブーガルーの大ヒットを飛ばします。1500番台の終わり頃から,早々とチャカポコを入れたユニットで演奏し,4000番台に入ると積極的にオルガンを加えたコンボでファンキーでグルービーな演奏を展開していきアリゲーター・ブーガルーにつながって行きます。本日のアルバムはドナルドソンが初めてオルガンを加えたカルテットでの演奏です。

 メンバーはリーダーのルーのアルト,Grant Green(g),  Baby Face Willette(org),  Dave Bailey(ds)のカルテットです。有名ですが意表をついた一曲目"A Foggy Day"で始まりますが、これがこのアルバムの本質ではないと思います。やはりA-2のタイトル曲のブルース"Here 'tis"で決まりです!ルーのブルージーなアルトは勿論ですが,こう言ったブルースでのグリーンのソロは最高です。Willetteのファンキーなソロ、コンピングとグルーブ感溢れるプレイも素晴らしく、ルーのオルガンとの相性が不滅だと知らしめた名演と思います。B面でもルー、グリーンの好調さに加え,"Watsusi Jump"に見られるようなスタカートとロングトーンを織り交ぜたWilletteの好演はBN第2のオルガンプレーヤーの実力を示した好トラックと言えると思います。

  所有盤は"NEW YORK, USA" アドレスのモノラル盤です。オルガンの音が厚く気持ち良いですね。

マッキャンはやっぱりブルースだ!

2007-06-19 21:06:02 | jazz & vocal
Les McCann Ltd. San Francisco
(Pacific Jazz PJ-16)


 ソウルジャズと言う言葉があるのかどうだか知りませんが,マッキャンは良くソウルジャズの代表みたいな書かれ方をしますよね。教会のゴスペルグループで唄っていた経歴が彼のバックグラウンドにあって、チューバ,ドラムをプレイした後にピアノに転向し西海岸でプロになっていった関係で,ウエストコーストでは特異とも言えるソウルフルなスタイルなピアノを聴かせてくれます。本日のアップは61年サンフランシスコ・ジャズワークショップでの臨場感溢れるライブパフォーマンスです。

 メンバーはLes McCann(p), ジャズクルセイダーズでの活躍で知られるHerbie Lewis(b), 盟友でパシフィックにリーダー盤のあるRon Jefferson(ds)のトリオです。A面冒頭のアップテンポのブルース"Oh, Them Golden Gaiters"からトリオの真骨頂とも言える快演が聴かれます。2曲が"Red Sails In The Sunset"。吉祥寺の物書きオヤジが絶賛したトラックですが今いちピンときません。3曲目のMcCannの父親の名をとった”Of Big Jim"のブルースがやはり良いですね。B面の"I Am In Love", "Jeepers Creepers"で一休み。そしてアルバムの白眉とも言うべきグルーブ感溢れるブルース”Gone On And Get That Church"が現れます。唸りを挙げるMcCAnnも良いですが何と言ってもルイスのピチカートのベースソロがすばらしいですね。ここではないですがマッキャンのもう一つの芸はボーカルですよね。あの有名なロバータ・フラックをデビューに一役かったのも彼ですよね。彼自身のボーカルアルバムもパシフィックにあり、また大好きなアルバムですね。

 本日アップ盤はパシフィックのステレオ盤です。コールドのセンターラベルですがルイスのベースが良く録られていて奥行きの或る臨場感溢れる録音で気に入っています。

個人的和製ジャズ,最高傑作!

2007-06-18 00:09:00 | jazz & vocal
Blue City/Isao Suzuki Quartet+1
(Three Blind Mice tbm-2524)


 和製ジャズ,オリジナル盤重視の方々にはあまり興味が薄いジャンルかもしれませんが、多分,自分の和製ジャズ第1号がこのアルバムですし,ジャパニーズインディーズとも言うべきスリーブラインドマイスを知ったのもこのアルバムでした。自分にとっては何度聴いても感動を呼ぶ作品です。

 このアルバムに付いては、何度も他のアルバムの中でコメントに使いましたし,オマスズの決定的名演”Play Fiddle Play"は皆さんそれぞれ思いがあるのではと推測いたします。メンバーはリーダー,鈴木勳(b, cello), 渡辺香津美(g), 菅野邦彦(p), 井野信義(b), 小原哲次郎(ds)の五重奏団です。オマスズはブレイキーのバンドでベースをつとめたようですが、この後帰国して吹き込まれたのがこのアルバムです。オマスズと言うとB-1の”Play Fiddle Play"で聴けるボウィングとオクターブでハミングするベースプレイで有名ですが,日本で初めてこのプレイが収録されたのがこのアルバムらしいのです。この奏法は古くはSlam StewartやMajor Holly Jr.の演奏に準じる物なのでしょうが、この曲の哀愁のあるテーマと相まり抜群の効果を上げていると思います。この曲の菅野のピアノ,そしてオマスズのハミングのバックでコードストロークを入れる渡辺のギターがすばらしい。香津美のギターの出だしはKenny Burrellさながらですね。A-1の菅野のピアノが活躍するBody And Soul, オマズズのオリジナルA-2の”45th Street"の魅力あるテーマ、歌心あふれるcelloも聴きモノです。

 トシコやナベサダのようなビッグネームではないし,日本ジャズの歴史を変えるような作品ではないですが,個人的に和製ジャズの最高傑作として挙げたいアルバムです。こういったアルバムを制作してくれたThree Blind Miceにも拍手を送りたいですね。

オイル漏れ,片うちの66bug

2007-06-17 18:03:42 | Volkswagen

 最近,車庫の汚れがひどい。古いビートルではオイル漏れが頻繁にあるモノなのかもしれないですが、購入2-3年は漏れていなかったオイルが右のシリンダー側からポツポツと漏れるようになってきました。また,この冬からのエンジン始動時の片うち傾向は変わらずキャブ調整でもなかなか改善しません。少し走れば,片うちは解消され、高速走行も問題ないのですが、車庫の汚れは何ともなりません。この夏~秋にコンバチが仲間に加わると必然的に車庫前スペースにパークすることが多くなるだろうと予想されますし,車庫前スペースが汚れることをカミサンが嫌いますし,ますますワーゲン嫌いがエスカレートしてはと考え,大決断をしなくてはと考えています。エンジンオーバーホール、最終手段です。買って6年,2度目のエンジンおろしになりそうです。6月末からフラットパワーさんに御願いしてやることにいたしました。またバス生活です。

DSMといえばクレフ,ノーグランだが,・・・

2007-06-17 06:53:39 | jazz & vocal
Jazz Concert/Coleman Hawkins, George Auld & Ben Webster
(Grand Award G.A.33-316)


 JAZZレコードの収集を重ねて行くと,そのジャケットの魅力に多くの収集家が魅せられ「ジャケ買い」なんて言葉まで生まれ,日本を代表するジャズ雑誌「ジャズ批評」ではそれが大きく取り上げられ市民権を得るようになってきました。さて、カバーの話になると必ずや出てくる名前があります。DSMことDavid Stone Martin の名前です。彼が描いたイラストはクレフ,ノーグランに頻繁に使われ皆様ご存知の通りと思います。一方,レーベル的にはマイナーですが"Grand Award"にも彼のイラストを使用したアルバムが何枚か制作されています。本日のアップはそんな一枚でColeman Hawkins, George Auld & Ben Websterと3人のテナーにスポットを当てたオムニバスアルバムです。

 この裏カバーにDSMについて比較的詳しい記載があるのです。1913年、シカゴ生まれ。彼は元々"muralist"すなわち壁画家として有名になったようで,最初の仕事は病院の壁画で注目を浴びたと言います。戦後の1946年,NEW YORK ART DRECTORSが彼のことを表彰し全米で注目されるようになったといわれています。現在,Metropolitan Museum Of The Art, Art Institute Of Chicago, Broooklyn Museum of Art, Museum of Modren Art(MOMA)に彼の展示があると記載されています。MOMAは行ったのですが,その時DSMについて意識していませんでした。残念!!!。

 さて、このアルバムに収録された演奏は,サイドAがHawkinsのバンドで十八番の”Body And Soul”が聴かれます。メンバーはDizzy Gillespie(tp), Hawkins(ts), Clyde Hart(p), Oscar Pettiford(b), Max Roach(ds)です。B面はHawkins, Auld, Websterのサックスの競演です。"Salt Peanuts"、”Pick Up Boys"等が収録されています。B面最後の3曲はGeorge Auldのオケで”言い出しかねて”の演奏がいいですね。 演奏的には価値が少ないのかも知れませんが,自分が所有する唯一のGrand Award盤で、一応オリジナル盤と思います。コーティングが効いたカバーは美しいですね。Grand Awardというとボーカルの”リン・テイラー”の一枚がありますよね。未入手未聴です。ぜひ聴いてみたい一枚ですね。

ボケの始まり?

2007-06-16 01:46:15 | jazz & vocal
Invitation/Al Haig
(Spotlite, toshiba EMI jp.reissue ITJ-80041)


 先日,100ゴールドフィンガーズの高知公演を聞きにいきました。ここでの、ドナートとトシコのプレイで満足して前のログを書きました。そしてもう一つ,こんな曲がでるのかと思った曲があります。それはシダー・ウォルトンが弾いた美しい曲でしたす。あのアル・ヘイグの美しい音色で奏でられるの哀愁のメロディでA面冒頭に収録されていることはすぐにわかったのですが曲名が思い出せないのです。こう言う経験ってジャズのライブではよくありますね。曲名考えているうちに演奏はどんどん進んでいきます。そしてラストテーマがでる頃に脳みその中に次々と発火する活動電位がついに曲名にたどり着き「ホリーランド」でアルことがわかりホッとするのです。暫く聴いてなかった曲のときにこう言う体験が良く起こるのです。学生時代,貧弱な自宅(アパート)で小さな音で、あるいはジャズフラッシュのバイタボックスからの芳醇なサウンドで聴いたあの曲です。曲名がわかったことに安心して,家に帰り再びこの「ホリーランド」をアルテックで鳴らしてみる。本当に良い曲だよね。きらびやかなピアノサウンドが収録されたこのアルバムを手に取り,裏カバーに目をやると,composerの名前にたどり着きました。思わず”そうか”と膝を打ってしまいました。Holyland(C.Walton)の文字を見つけ愕然。そうだった!シダーの曲だよな。ボケたなあ~・・・・・。チキショー,こんなことも忘れてるのか!

 本日のアップはやっと思いだすことができ、更に作者自身の演奏であったことに2度驚かされた「ホリーランド」を含むアル・ヘイグのスポットライトの74年カムバック盤,「インビテーション」です。メンバーは紹介の必要もないですがGilbert Rovere(b), Kenny Clarke(ds)というヨーロッパならではのトリオですね。とにかくこのA-1「ホリーランド」からタイトル曲「インビテーション」に移っていくくだりの素晴らしさはないですよね。流麗でスウィンギー、素晴らしい録音も相まって全くスキがない!吉祥寺のジャズ喫茶店主はこの演奏はヘイグの本質ではなく、やはり彼の本質は54年の録音にあると言い切りますが,そんなことは関係ねぇ~!!!好きな物は好きなのです。

 所有盤は30年,自分のライブラリに収められ続けた当然の国内盤再発です。皆様もこんな経験ないですか?やっぱり年ですかねぇ・・・

このサマータイムが好きなんだよね~!

2007-06-15 02:57:48 | jazz & vocal
One For Fun/Billy Taylor
(Atlantic 1329, jp reissue)


 Summertimeと言う曲,言わずと知れたオペラ”PORGY AND BESS”で最も知られたあの曲である。ジャズではエラとサッチモ,レイ・チャールズとクレオ・レーン、サミーデイビスとカーメン,インストではマイルス,コルトレーン,MJQなど幾多の名演がありますし,ロックファンにはジャニス・ジョプリンのバージョンも良く知られていますよね。地味かもしれないですが、本日アップのビリー・テイラーのバージョンは、とりたてて凄いプレイではないのですが,中庸,リラックス,スウィンギー,リリカルなどこんな言葉が全て当てはまってしまうようなテイラーのピアノスタイルを余すことなく示したトラックだと思います。なるほどこのアルバムのA-1の好ポジションを与えられていますものね。こんな演奏を発見したときに,ジャズ聞いててよかったなあなんて思い返すのがジャズファンの密かな楽しみかも知れません。

 メンバーはEarl May(b), Kenny Dennis(ds)からなるトリオです。以前の"The New Billy Tayor Trio"のログでも述べましたが,旧知の左利きベーシスト,アール・メイのピチカートもききものです。サマータイムについては上で述べたが,A-2のタイトル曲、A-5の"Blue Moon"でこのメイの強靭で小気味良いピチカートが聞かれます。B面のMakin Whoopie, Poinciana,でのリラックスしたプレイも良いですね。

 Greatestという訳ではないですが,数々のジャズアルバムのライナーノートも手がける知性派テイラーの好プレイが聞けるアルバムです。所有盤は国内再発盤ですが木立にたたずむテイラーを捉えたカットもいい感じです。

アニー・ロスの初リーダー盤

2007-06-14 01:07:44 | jazz & vocal
Annie By Candlelight/Annie Ross
(PYE Golden Guinea GGL0316, Canadian reissue)

 先日,ブログ仲間でオリジナル盤に詳しく,パシフィックをコンプリートされたNOTさんのBLOGにKING PLEASUREに絡めてAnnie Rossが話題にあがりましたよね。彼にとってジャズボーカルで最初に好きになったのがこの英国人,Annieだそうである。ボーカリーズで一世を風靡したLambert Hendricks & Rossの紅一点としても知られていますよね。Notさんのブログに集う方々が話題にされていたパシフィックの3枚,即ちマリガンとの"Sing A Song with Mulligan", ズートとの"A Gasser", そして同じくblog仲間のbassclefさんがとりあげておられたBuddy Bregmanとの"Gypsy"は必聴のアルバムとして知られています。これに一枚加えるとすると本日アップの英国盤で,彼女の初リーダー盤です。当初は10インチで英国Nixaから発表された物ですが,後に同じく英国PYEから12インチ化された音源です。

 バックはクラリネットをフロントに据えたドラムレスのカルテットです。Tony Crombie(p), Bob Burns(cl), Roy Plummer(g), Lennie Bush(ds)のメンバーです。特に,初々しく瑞々しいAnnieのボーカルに絡む揺れるようなクラリネットのプレイがベストマッチと言える出来映えです。各面6曲と曲数が多い感じもしますが、A面の"Gypsy In My Soul", "Skylark", "I Love Paris", B面の"Manhattan", "Between The Devil And The Deep Blue Sea", "Don't Worry 'Bout Me"等の人気曲の歌唱は大人しめですが,キャンドルライトの中で唄うような静かな歌唱が却って心惹かれてしまいます。

 所有盤は一見オリジですが,カナダリリースの盤で両溝が見られます。アニーの隠れた名演と言えると思います。

PS:前述のbassclefさんからコメント欄にWorld PacificのGypsyについての話題が出されました。bassclefさんのお仲間のkonkenさん所有のものらしいのですが素晴らしいcolored vinylです。青ラベルでステレオ盤のようですね。自分もWorld PacificのGypsyを所有しているのですがモノラル、黒ラベル、黒vinylで以下のような別ジャケです。これも好きなカバーなのですが,ステレオ,モノで違うカバーを採用したのですかねぇ?何か情報ありましたらコメントいただければ幸いです。


Gypsy/Annie Ross
(World Pacific WP-1276)

6月はジューン・クリスティの季節だろ!

2007-06-13 05:52:21 | jazz & vocal
Something Cool/June Christy
(Capitol H516)


 梅雨入りまじかの6/13、とうとうこのブログも3年目に突入です。最初に何をアップするかと悩んでみたが思い当たらず,一眠りしてしまいました。PCをあけると皆様から2周年にあたってのお祝いのコメントが入っておりこれにREし、やおら取り出したのが,タイトル通りの暑い季節にはピッタリのサムシング・クールです。6月というのも"JUNE"でピッタリ。今日はこれで行きましょう!



 さて自分のライブラリにはこのサムシング・クールが3枚あります。このログのトップ画像に挙げた10インチ盤(右),国内盤再発のモノ盤12インチ(中央),そして曰く付きのステレオ12インチ(左)。御存じの方も多いでしょうし,あえて紹介することもないのかも知れませんがエッセンスとも言うべき7曲構成の10インチのパープルラベルが短く言い切っている感じですきですね。ウエストコーストジャズメンを集めたピート・ルゴロの伴奏に絡むクールなボーカルは旬を感じさせる瑞々しさで素晴らしいですよね。サイドAはジューンのためにビル・バーンズが書き下ろしたタイトル曲で始まります。ケッセルのギターも素晴らしい。続く"It Could Happen To You", この曲の名唱として名高いバージョンですよね。A面最後はLonely Night"で締めくくられます。そしてB面これがまた息を飲むほど美しい面です。B-1の"Midnight Sun"は決定打とも言えるバージョンですね。続くハワード・ロバーツのギターが絡む"I'll Take Romance", バド・シャンクのasがfeatureされる"A Stranger Called The Blues", 締めくくりの"I Should Care"もこのバージョンも白眉とも言える出来でこれだけの密度の濃いアルバムも珍しいですよね。


Something Cool/June Christy
(Capitol ST516)


 12インチはさらにA面に"This Time The Dream's On Me", "The Night We Called It A Day"の2曲、B面には"Softly, As In A Morning Sunrise", "I'm Thrilled"の2曲が加えられていますが、やはり10インチの7曲構成の素晴らしさには蛇足感が否めない感じです。10インチ,国内盤モノ12インチ,ステレオ12インチと少しずつ背景色が異なり、ステレオ盤は多色刷りで開眼しておりヘアスタイルも少し違っています。一説によるとステレオ盤は60年の録音でジューンのボーカルも吹き込みが異なると言います。パッと聞いてもわかりにくいですがステレオ盤では、バックの広がりがありジューンの声の伴奏との距離感が感じられます。好みにもよりますが10インチモノラルが醸し出す瑞々しさはワンアンドオンリーでステレオ盤ではややこの味は薄まっている感じがします。また7曲で言い切ってしまった10インチのまとまりの良さも12インチモノを凌ぐところですね。

 やっぱり白人ボーカルきっての名盤と言えると思います。