Our Shining Hour/Count Basie・Sammy Davis
(Verve V-8605)
(Verve V-8605)
以前にこのチキコンコンのサミー・デイビス・ジュニアの最小編成,即ちギターとのデュオのアルバムをアップしましたが,良いカバーに皆さんからたくさんの反響を戴いたのを記憶しています。今度は,ビッグバンドとの共演,それもベイシーとなると聴きのがせませんね。ベイシーの唄伴を伴うボーカルアルバムでも代表作と言われるエラ,サラ,シナトラ,トニー・ベネットと比べても何の遜色のない出来映えだと思います。サミーも既にショービズ界にデビューし25年,ここまで共演盤が生まれなかったのが不思議なくらい・・・。たまたま,サミーがブロードウェイミュージカル"Golden Boy"のプレビューでマンハッタンに滞在,さらにベイシーバンドがリンカーンセンターでコンサートを開いていたために実現したようですね。
A面トップの"My Shining Hour"から多彩な選曲で、クインシー・ジョーンズとサミーのピアニストGeorge Rhodesのアレンジで聴かせてくれます。"Teach Me Tonight", "Work Song"と続き、A面ラストはベイシー御得意の”April In Paris"が取り上げられています。リフなどもインストバージョンのモノがそのまま使われておりボーカルバージョンの代表的名演に挙げて良いものと思います。B面の冒頭の"New York City Blues"では間をいかしたベイシー御大のピアノとブルースフィーリング溢れるサミーのボーカルが抜群の組み合わせであることを証明してくれます。時代を反映して取り上げられたイパネマも、サミーのチキコンがリムショットのような効果をあげています。そして最後の"Bill Basie, Won't You Please Come Home"でベイシーのピアノとサミーのタップというビッグサプライズを作ってくれるあたりもまさに役者ですよね。
所有盤はMGM、T字VERVEのセンターレーベルの両溝,モノ盤です。まさにgreat encounterと言うべき組み合わせですね。