平成21年度重要判例解説 吉野の独り言(憲法編)

2010-04-05 16:33:09 | 司法試験関連
憲法①
 今話題沸騰の議員定数不均衡である。短答ではAランク間違いなし。従来の判例の変遷を確認しておきたい。下手すると各肢毎に過去の最高裁判例が素材となり,正誤を問う問題 として出題される可能性が大きいと見た。この判例,表現自体も少し変化があるが,合理 的期間の意味合いが大分違うようなので気をつけたい。解説参照のこと。

憲法②
 高裁判例だが重要判例といえる。権利構成の仕方,違憲主張の仕方が色々ある面白い問 題。解説も読んでおきたい。ただ13条の出番が多い判例なので出題の蓋然性としてはどう かと。しかし13条でフォローされる権利は様々なものがあるので,第4回大会の「自己決 定権とは違う権利」とみれば連続出題もありうる。「新しい人権」と括られると連続出題の可能性はやや下がろうか。

憲法③
 14条は非常に危ないと見ている。国籍法違憲判決の検討も必須(ケー論の復習も。法令の一部違憲無効アプローチくらいは押さえておきたい。この時期なので,意味上の一部違憲とかはいいですけど)。合憲主張と違憲主張の双方主張ができるようにする。解説にその参考例が挙げられている。

憲法④
 地裁判例なので頭の体操用であろうか。解説を1回読めばOK。

憲法⑤
 第3回大会と同じ路線の問題になりやすいので,出題の蓋然性はやや下がるか。ただこの判例は,事実関係や当事者の主張等を詳しく読むと,仕組み解釈や違憲主張,合憲主張の 勉強にはもってこいの素材である。本書掲載部分だけ見るとなんてことはない(目新しさ を余り感じないという意味で)判例のように思えるが素材としてはGood.

憲法⑥
 地裁判例だが危ない素材。国賠事例の適用違憲パターンである(ケー論受講者の方はテキストの違憲主張の訴訟類型別一覧を復習してください。ケー論本論編テキストP4-11以下です)。色々なアレンジができる問題。解説の「プリンスホテル会場使用拒否事件」も併せて押さえておきたい。

憲法⑦
 22条,29条,適用違憲がテーマの判例。裁判では軽く一蹴されたがこの事案でどのような適用違憲主張ができるかは一考の価値あり。

憲法⑧
 短答向き。但し,解説5部分の適用違憲は一読する価値あり。

憲法⑨
 14条と並んで危ない領域。26条(請求権)と外国人という最強デュオである。これに14条を絡めた出題が受験生的には一番ヘビーな出題となろう(26条の代わりに25条の可能性も あるが)。色々なアレンジが可能である。 


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