久しく日常の出来事を書いてなかったので、少しとまどいながら文章を考えている。
三月からつい先日まで続いた大騒ぎが終息し、よれよれになったが、とにもかくにも平常時に復帰することができた。吹きすさぶ荒野を通り過ぎてみると、世の中があまりにも静かで拍子抜けしてしまった。ほんとうは安保法制の与党原案ができたり、ある地域では住民投票などに巻き込まれて困っていたり、オスプレイやドローンといった大人のおもちゃのようなものがビュンビュン・ブンブン飛び回っていたり、決して巷が騒がしくないわけではないのに、私だけやわやわとした平和の中にいるのは、頭の中がボンヤリしてしまったせいなのだ。
暇を持てあました私は、身体のあちこちの痛みや目のかすみが心配になり、整骨院を手始めに、脳神経外科と眼科へ行った。いちばん気がかりだった頭の二種類のCT検査はみごとセーフ。ところが、眼科の検査では、前回よりずいぶん白内障が進んでいて、「早くしたほうがいいんじゃないですか」と手術の宣告があった。六十才過ぎれば、老化はヒタヒタのスリッパを履いて、バタバタあわててやって来る感じがする。手術は三年連続だ。(2015.5.14)