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2017.5.20 『布部岳』(1,338m)

 

  もうそろそろ残雪を利用しての山歩きシーズンが終わる。

誠に名残惜しい限りだ。

この週末の土曜日は、そんな残雪歩きを楽しむべく富良野に出かけた。

 

金曜の終業後、いつものようにHiromiを拾って富良野に向かった。

もう日が長くなり、車で走っていてもその日の長さを楽しめる。

そして7時過ぎに富良野の車中泊地に着いてもまだ薄暗い程度で、

辺りの様子を目で見て確認できる。

ありがたい。

 

土曜の朝5時30分、

4線川沿いの駐車地をスタート。

スタートして間もなく感じた、「暑い!」。

陽は燦々と降り注ぎ、風もない。

短パンで歩きたいコンディションの中、新富良野スキー場の斜面を登って行く。

暑さのせいもあるが、なんだか妙にきつい。

下半身がひどくだるい。

出張から帰ったばかりのHiromiも疲れているようで、身体が重そうだ。。

我々が好む広いスキー場を、にぶくも淡々と登って、

7時10分、リフト終点。

ゆっくり休み、残雪の尾根に取り付く。

この尾根には『富良野西岳』への夏道が刻まれている。

ここは極力夏道に沿って登る。

ところどころで笹がむき出しとなっているので、そんな部分は夏道を利用して抜けなければならない。

 

  8時ちょうど、『富良野西岳』、「1,237mP」のコル。

ここから『富良野西岳』の仰ぎ見る頂上を左手に見ながら南進するのだが、

コルの雪が融け、丈が2m以上もある笹が思い切り立ち上がっている。

「こりゃあまずい」と思いながら突破口を探すと、

わずかに雪が残り、突破できる部分があった。

正にピンポイント!

帰路にそのポイントを見落とすと、面倒なことになる。

その後も融雪が進み、笹やブッシュがむき出しになった箇所には遭遇するも、うまくかわして進めた。

樹林帯を抜けると、突然眼前に『芦別岳』をはじめとする、夕張山地の名峰群がその姿を現わす。

その光景は実に美しく、うっとりと目を奪われる。

主峰『芦別岳』に寄り添うようにたたずむ『ポントナシベツ岳』、

その手前には『お茶々岳』と『松籟山』、それらの西には『中岳』の鋭峰と『シューパロ岳』が望まれる。

また、あまり知られていない『小天狗』の双耳峰も極楽平の向こうに頭を持ち上げている。

個々の山名を知り得ないHiromiだってうっとりだ。

そして目指す『布部岳』は間近だ。

やはり融雪が進んでおり、地形図上の頂上には立てそうもない。

そこでHiromiが「右のピークなら登れるんじゃない!?」。

なかなかわかってきたじゃないか。

『布部岳』は東から見ると、『夕張岳』のような形をしている。

頂上部が馬の背状で、ピークが南北に二つ存在する。

私の目では北側のピークが高く見えるのだが、地形図では南側のピークに標高点と点名が記されている。

  Hiromiの提案に従って北側のピークを目指し、急斜面に取り付いた。

雪がある程度締まっており、アイゼンを用意していないHiromiの下降が気がかりになった。

9時15分、『布部岳』北のピーク。

このピークからの高度感が圧巻だ。

そしてこのピークは私にとって4度目、Hiromiも3度目となる。

気に入った山の一つだ。

記念撮影をして下山開始。

心配した急斜面の下降は問題なかった。

それから二人して時折「暑い」と口にしながら、淡々と下る。

『富良野西岳』の直下からは4線川に下れば速いのだが、

この日はどうも私の疲労が激しかったので、忠実に往路を辿り、

10時55分、リフト終点。

ここで昼食にした。私は途中で摘んできた一握りのギョウジャニンを入れて「ネギラーメン」。

それができたところでHiromiに「ギョウジャニンニク食べてみるか?」と尋ねると、「いらな~い」。

なんでもニンニク系の臭いが嫌いなんだそうだ。

へぇ~、知らなかった。

 

昼食後、その辺で少々ギョウジャニンニクを摘み、またスキー場を淡々と下って、

12時55分、駐車地。

下ると気温が更に上がって暑い。

その分、屋根に上げて干した濡れザック、登山靴、スパッツ等の乾きが早い!

一旦「ハイランド富良野」まで走って汗を流し、

また同じ車中泊地に戻って、カンパーイ!

うっ、うめーっ!!

この日の“喉ごし生”は、また格別だった。!

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