acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

裏妙義・西大星北稜

2018年11月07日 22時16分43秒 | 山行速報(薮・岩)

2018/11/3 裏妙義・西大星北稜


西大星北稜は前半のホノボノとした岩稜に奇石。
目指す本峰はまるで岩峰が集まる城塞。

後半は乱立する岩峰に入り組んだルンゼ。
諮らず踏み込めば、手痛い仕打ちを受けることであろう。

ルンゼを縫い進めば比較的容易に頂に達することもできる。
しかし、それでは物足りない。そうも思う。
正解のない岩薮に高揚を覚えるかどうかは、個々の性癖のようなものだ。

メンバ-はsak、sztさん、kakさん、lilyさん。

覚悟はいい?(笑)
夜明けとともに出立です。


【薮岩】
取付きは鍵沢登山道脇の石碑から。
薮はそれほど濃くもなく、快適。

岩場が出たら、その場のフィ-リングで直登か左右の巻き。
1個所だけ右に支尾根で切れ落ちる岩稜があるので注意。

【奇石】

最初のリッジは細いので慎重に。

2つ目のリッジは廊下状。余裕で「シェ-」のポ-ズ。

奇石群はリッジ沿いに。
フリクションも充分で不安はないけど、切れ落ちているので念の為フィックスを張る。

西大星の岩峰群が近づいてくる。
北稜最初の岩峰は正面凹角状スラブに青ロ-プの残置。
ここは右へ懸垂下降して巻いたけど、あまり良くなかった。


コルへと上がって次の岩壁は反対側の岩壁基部を巻いて最初のルンゼを詰める。


【前衛峰】

ルンゼを詰めあげると、右にフェイス。
一部ボルトがあるという記録もあったので、岩場周りを探してみたが見い出せなかった。
記録とは違う場所に入り込んでいるのかもしれないが目指すのは目の前の前衛峰。
ともかく弱点を見出し左の尾根に乗って突き当りのフェイス基部を左にトラバ-ス。

4人集まれそうな草のテラスから取りつく。
集塊岩用のスリングを使って登攀。
右凹角状を狙ったが、上部立木までの乗越で確信が持てず、フェイス左に転進。
トラバ-ス気味に左上する。
10mほど上の薮でビレイ。

目の前の小さな凹角を上がれば、あとはヤブ登りに終始。
何時だって痕跡なき登攀は刺激的。御殿東壁を想い出す。

前衛峰と本峰の間は切れ落ちたコルとなっており、45mの懸垂下降を要する。
途中から空中懸垂。落ちこみのリップでフリクションが掛かるためロ-プ回収に注意が必要。

【西大星】

空懸後、コルを上がり反対側を少し下ったルンゼを詰める。
下部でチョックストンを抱いており、右のフェイスをひと登りでやり過ごす。
あとは落ち葉の詰まった薮ルンゼを登り切ると本峰手前峰。
本峰は意外と高く聳え立つが、ここからは容易であっという間に山頂に達する。

下降は少し戻って本峰手前峰とのコルを一気に下る。
45m、40m。2度の懸垂下降で緩やかな沢床。
ここから歩きで鍵沢登山道に合流。
後は忠実に登山道を下る。


【備忘録】

<赤岩と烏帽子>

西大星から見る赤岩は西面が切れていて素晴らしく男前。
斜陽に陰る烏帽子の尖峰もトンガリファンには堪らないシルエット。
次の機会に。

<ハンマ-ヘッド>

丁須の頭で、なるか人文字。トリプル”丁”撮影。
万歳三唱」をしたときはあるんですけどね。


【最後に】 

今回のプランに名乗りを上げていただいた皆様。
本山行が皆様のご趣味に合ったかどうか。
少々不安な夜を過ごすsakです。

「また、行ってもいいかも」

そう思ったならば、おめでとうございます!
これであなたも「篤志家」の仲間入りです。

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◆登山における「篤志家-とくしか-」

志しを以って山に登る人。
不人気で道の無い薮山などに分け入り、場合によっては不快な状況を耐え忍ぶことに価値を見出す傾向がある登山愛好家。
物好き。

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もう一度言います。

おめでとうございます!

 

sak


御岩山(アイゼントレ)

2015年02月17日 18時05分44秒 | 山行速報(薮・岩)
2015/2/16 御岩山(アイゼントレ)

御岩山のアイゼントレ-ニング。

いつもの駐車場、いつもの道、いつもの場所、いつもの岩場で。
メンバ-はjinさん、suztさん、sak。

いつもの駐車場に着くと、jinさんがすでに到着していた。
準備をしていつもの道をボトボト歩く。
北側斜面は雪が凍結していて、なかなか厄介。

40分くらいで、いつもの場所。
ココで準備をして、いつもの岩場で懸垂下降してアイゼン登攀。



最初、クライミングシュ-ズでなんて考えていたけど、雪が乗っているので今日は一日アイゼンでザイルワ-クの練習。
suztさん、あとは反復練習あるのみです。



昼過ぎでjinさんは上って、二人でマルチの手順を繰り返す。
そんなこんなで16時近くに撤収と相成りました。

ところで。

御岩山は知る人ぞ知る、というか最近「パワ-スポット」として有名らしい。
いつもの岩場でそんなこんなしているときに出逢ったガ-ルズに教わりました。

試しにググってみると、、、
おおぉ、なんかすごいスピリチュアルエピソ-ドが。。。



とゆ-ことで、いつもの場所(かびれの高峯)のほど近くにある、立速日男命が祀られている祠。
こんな近くなのにその存在を知らなかった。
この石柱に触れるとご利益があるらしい。

こんど、行かれる方は、ぜひどうぞ。
いつもの御岩山。その新たな一面に触れた一日でした。

って、あ-----。
石柱、触れてくるの忘れた。


sak

西上州・タカノス岩北稜

2014年12月11日 10時37分34秒 | 山行速報(薮・岩)
2014/12/8 西上州・タカノス岩北稜


何というのだろう、こういう感覚。
コ-ヒ-で表現するなら、、、


碧岩側から見たタカノス岩(2010/12撮影)



タカノス岩北稜へは、碧岩登山口(三段の滝駐車場)に車を停めて、舗装路を熊倉集落方向へ。
すぐに川へと降りる赤い階段が現れる。
これを降りて、対岸の墓地右脇の踏み跡を行くが、傾斜が強くいきなり息が切れる。
ひと登りで、岩壁が行く手を阻むが、右から回り込めば問題ない。


タカノス岩取りつき


最初の岩壁

数日前に降ったと思しき雪がうっすらと残っている。
「西上州は雪があると悪くなる。」
ガストンさんの教えを想い出しながら、「まあ、場合によっては敗退だな」と、この時点で執着を捨てる。

P1へはところどころ急斜面はありつつも特に問題はない。
むしろ、ここから見える一際高く、佇立する本峰が物凄い威圧感だ。
「マジですか。。。」

とはいえ、記録を見ると困難そうに見えるP2や本峰よりも、さえなく見えるP3が悪いらしい。


P1から本峰を望む

P1を後にP2に取りつく。
しばらくフリ-で行くが、中段からステップに雪が乗りはじめてちょっと不安。
薮はあるが、「ポキリ」といった時のイメ-ジをするに、まあ只事では済まないだろう。
ロ-プを出して、空身で行く。
ここは時間かけても、安全優先。

P2まで20m位。立木を支点にフィックス張って懸垂下降。
ザックを背負ってプル-ジックで登り返し。ロ-プがあるという心理的安心感はこの上ない。
見晴らしよく、北西壁を胸壁に擁く碧岩がその尖峰を天に突く。

P2下りは陽が当たり雪もない明るい露岩下り。
上から見ると「懸垂か?」と思ったものの弱点はありクライムダウンでコルへと至る。


P2を振り返る

問題のP3。
見た目はそれほどではないものの、言うなれば「悪い」。
薮がプアで岩も脆く泥はコチンコチンに凍っている。
まして、うっすら乗った雪で足元も悪い。
バイルを持ってこなかったことを後悔した。


P3への登り

ロ-プを出して2ピッチ(25m+15m)40mほど空身登攀、懸垂下降、登り返し。
ここも十分に時間をかける。


P3から見るタカノス岩

P3下りは問題なく、本峰取付までは”ほのぼの”とした稜線歩き。


途中、「小窓」があった


本峰最後の登りを見上げる

タカノス岩本峰基部から見上げる最後の壁は今までより一際高い。
左右を削られた垂壁に囲まれ威圧的だが、露岩や薮も多く弱点を見出していけば何とかなりそう。
ロ-プは出さなかったが、薮にしろ岩にしろ十分なテスティングしながらの登攀。
それでも、不意に剥がれおちる岩に肝を冷やす場面も。
途中、見下ろすと結構な高さに角度。
不安があれば、ロ-プを出した方が無難だ。


タカノス岩北面側

雪を払いながらの登攀で冷たさに手が痺れてきたころ、山頂。
視界が一気に広がる。


タカノス岩から碧岩

何というのだろう、こういう感覚。
コ-ヒ-で表現するなら、、、

香り(派手さ)  ★
酸味(スッキリ感)★
苦味(難度)   ★
コク(充実感)  ★★★

「香りも酸味、苦味も控えめなのに、何でこんなにコクがあるの?」という感じ。
あ、そうか。抹茶か!
和風だったのか!

ともかく、西上州特有の緊張感が実にイイ。


三段の滝下からタカノス岩(右)

下山は稜線を進み、肩を過ぎた最初のコルの左斜面を適当に下ると、10分ほどで沢床に降り立つ。
沢を下っていくと碧岩登山道が出てくる。
三段の滝を経由して駐車場へは40分程度。


sak

西上州・三ツ岩岳~大津

2014年11月14日 12時03分57秒 | 山行速報(薮・岩)
2014/11/13 西上州・三ツ岩岳~大津




11月といえば、沢に行くにも雪に行くにも微妙な時期。
日頃お世話になっている山岳会のHP、山行実績をみても琴線に触れるこれだ!というル-トがない。

11月。何気にググってみた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

11月(じゅういちがつ)はグレゴリオ暦で年の第11の月に当たり、30日間ある。
日本では、旧暦11月を霜月(しもつき)と呼び、現在では新暦11月の別名としても用いる。
「霜月」は文字通り霜が降る月の意味である。他に、「食物月(おしものづき)」の略であるとする説や、
「凋む月(しぼむつき)」「末つ月(すえつつき)」が訛ったものとする説もある。また、「神楽月(かぐらづき)」、「子月(ねづき)」の別名もある。
英語での月名、November(ノーヴェンバー)は、「9番目の月」の意味で、ラテン語で「第9の」という意味の「novem」の語に由来している。
実際の月の番号とずれているのは、紀元前46年まで使われていたローマ暦が3月起算で、(そのため年末の2月は日数が少ない)3月から数えて9番目という意味である。
日本海軍の駆逐艦については「霜月 (駆逐艦)」をご覧ください。

(ウィキペディアより引用)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

おおっ。
11月をググって最後の一行(日本海軍の駆逐艦~)に反応してしまった。

^^閑話休題^^

何が言いたいかというとですね。
「11月は西上州の季節」※最初から言えよ。(^^;
という事です。

大津というのは、以前何かの折に聞いたことがあった。
どうやら、ちょっとしたクライミングポイントがあるらしい。
ならば、というのが今回の山行なのだ。

メンバ-はjinさん、先日入会のsuzさん、sak。



大仁田ダム下の三ツ岩岳登山口から。
連なる堰堤を踏み跡にしたがって行くと分岐。
ここは竜王大権現コ-スへ。
しばらくの急登を行くと大きな岩壁。
ここが竜王大権現。
岩には節理が入っていて脆そう。支点もないのでまあ、そういうことだろう。





踏み跡に従っていき、三ツ岩岳。
なかなか、眺めが良い。
先に中岩(首なし地蔵)がカッコよく佇立。
んん。行けるのかな?





山頂をちょっと戻って「尾根コ-ス」へ。
登ったり下りたりを繰り返して、道標がLに折れている鞍部に着く。

登下降を繰り返していたこともあって、ここを南西鞍部と取り違える。
尾根通しに進んだ岩峰で進路が尋常でない下りになっている。
進路を見出してみるが、歩くにはちと辛い。
懸垂下降か?と思ってみたものの、ここでそれはないだろ、と。
jinさんの「さっきの鞍部、第二鞍部じゃない?」との進言。
「あ、それだ。」それですべて説明がつく。

思い込みはいけないよね。
というおはなしでした。

登り返して、先ほど取り違えた第二鞍部を道標にしたがって下ると、二つ目のLに折れた道標。
ここが南西鞍部。
振り返ると、先ほど下ろうとした岩峰は見事に岩壁だ。
「あ~、崖だよねぇ」
「そ~ですねぇ、無理っすねぇ」
おそらくは懸垂下降なら50mいっぱいってとこでしょうか?

ここからは登山道を離れて、、、という事になるが、踏み跡は明瞭だ。
尾根を行くと5m位の岩壁。
正面壁は登れそうでもあったが、セオリ-通り左トラバ-スして泥、岩、薮の側壁を登る。



そのすぐ上が、いわゆる核心。
5mほどの壁。
手がかり足がかりは少なくないが、信頼できるかどうかは別問題だ。

念の為ロ-プを出して、慎重にテスティングをしながら。
上の灌木でビレイし、suzさん、jinさんの順。



あとは一投足で大津山頂。
ココも眺めがよく、山座同定をしながら想い出話。





風も強いので小休止で山頂を後にする。
急な踏み跡を、何の遺構かワイヤ-(索道?)を時に手がかりに辿る。
振り返ると、なかなか見ごたえある大津の姿。





しばらく登下降を繰り返し三角岩。
ここから枯葉積る斜面をずるずると下る。
尾根にのってしばらく行くと、尾根は崖となって大仁田川に吸収される。



崖の手前、左の植林をトラバ-スして支沢を下ると大仁田川。
左岸の踏み跡は枯葉に埋もれているが、なんとなくわかる。





車道終点あたりで新しい堰堤ができていた。
生コン充填間もない雰囲気。
左岸のロ-プ頼りに下るが、最後の3mくらいは何にもない。
堰堤工事関係者見守る中、最後はジャンプ。
ロ-プ出せばよかったかな、、、というのは三人降りてからの反省。





あとは紅葉に彩られた大仁田ダム管理事務所脇からダム下へ。
11月は西上州。
あぁ、次はどこ行こうかな。
想い馳せる11月になりそうです。

sak

会越・裸山ダイレクトスラブ

2014年11月02日 09時15分25秒 | 山行速報(薮・岩)
2014/10/29 会越・裸山ダイレクトスラブ



言うまでもない。
このロケ-ションは魅力だ。

裸山ダイレクトスラブ

秋の善き日に、と。

六十里越を只見側から越え、ヘアピンカ-ブを桑原沢沿いの林道に入る。
薮が煩いが車で入ることは可能。
50m程の場所に駐車する。
出立8:30





眺めるスラブ方面は若干彩づいた尾根に隠れて全貌は望めない。
林道を進むとすぐに大きな堰堤
右岸に渡って迷路のような魚道を堰堤上まで。
そこからスラブの全容が望める。





堰堤すぐ脇、右岸から入り込む小沢がスラブへと通ずる。
薮頼りに堰堤を降り、小沢へと入る。



一見、ヌメっているように見えるも、何とかフリクションは効く。
薮も多いのでそれを使えば不安はない。

ちょっとわかりにくい二俣。
左に入るとスラブ左ライン。
右に入ると頭へと続くダイレクトライン。
ここは右へ。



沢を詰めると、広がるスラブ。
傾斜はそれほどでもないが、この解放感は堪らない。
フリクションに不安なく、もはやこれは癒し系。
彩づく山容にこのシチュエ-ション。
これはさ、もうさ、「自分へのご褒美」だよね。



急ぐこともない。
ゆ------っくり、登って写真をパチリ。
前毛猛を望み、あの春の縦走を想い出してみたり。



ふくらはぎがいい具合に伸びてきたころ、上部でスラブ右の岩稜に乗る。
岩稜はスラブの頭へと繋がってる。
頭は岩峰となっており、前壁は断崖。
このすぐ上のスラブを行く。





途中まではポケットホ-ルドが豊富だったが、直下15mくらいは貧弱。
四つん這い状態で行く。
フリクションが良いので問題ないが、落ちると致命的なので初心者にはロ-プがあった方がいいかもしれない。



頭からはスラブ全容が見える。
左スラブもなかなか立ってて面白そう。

ここから裸山山頂は薮を漕いで僅かの場所。
休憩するならスラブ頭の方が断然いい。



山頂から少し下って、薮を拾って桑原沢方面へ。
薮といっても、ここもスラブなので、この手の下りに慣れてないと、ちょっと怖い。
岩溝から細い流水が湧き出しているあたりからは水線沿いに行く。



いくつかの流れを合わせて、ひと際大きな桑原沢に出る。
二段滝は紅葉と相まって、まさに美麗。



堰堤にもどりつき、今登ったラインを目で追ってみる。
なかなか、カッコイイ。
しかも、立って見えるし。



11:30帰幕。

帰路、田子倉から見た御神楽にはうっすら雪がついていた。




なんとなく、癒されたい。
そんな秋の善き日にオススメの一本です。

sak

裏妙義 谷急山北尾根(仮称)

2013年12月09日 19時24分15秒 | 山行速報(薮・岩)
裏妙義 谷急山北尾根(仮称)
谷急山北稜をネットで検索すると、多くの記録を観ることができる。観て気がついたことであるが、北稜とは裏谷急沢右岸尾根(大岩尾根)のことらしい。私も昔、アイスクライミングの帰りにこの尾根を下ったことがあるが、その頃から北稜って言っていたかどうか記憶に無い。尾根の方向から言って、このネーミングはちとおかしくないですか?大岩尾根のさらに南にある尾根を西稜と仮定すれば、大岩尾根は北西稜もしくは西北西稜と呼んだ方が、俺は納得いくんだけどなあ。谷急山より、少し蛇行しながら北方向に入牧橋近くまで延びている尾根を北稜と言った方がスッキリする。今回はこの尾根を登ることにした。混乱をさけるため名称は北尾根(仮称)とした。


黒破線が現在「谷急山北稜」と言われているルート。赤実線が今回辿ったルート

12月8日、メンバーはY、G、S、ガストンの4名。
並木沢コースを登山口から少し入った堰堤近くから尾根末端に取り付く。妙義や西上州全般に言えることであるが、地図に道が書いてなくても、尾根には人間の歩いた跡らしきものが或ることが殆どだ。この尾根も例外に洩れず踏跡らしきものがあった。登るにつれて岩っぽくなってきた。標高770m付近にあるナイフエッジは、馬乗りになり大股開きでギャップを越すのであるが、ホールド豊富でも怖かった。


北尾根は登るにつれ岩っぽくなってくる


馬乗りになってからキレットを大股で越すのだが、ちと怖い


キレットを越したぞー

標高800mから1000mにかけて、大きな岩峰が林立し岩稜通しに行くのは困難である。岩根の西側を巻いていくが、あまり下り過ぎると面白みがなくなるので、適当な所をルートファインディングしてトラバースしていく。それを過ぎると岩場は無くなり、やがて大岩尾根と合流する。そこから頂上まで1投足であった。


谷急山頂上にて

天気良く360度の展望。以前登った物語山のメンベ岩が意外に近くに観える(その後の調査で、この岩は大黒岩かも知れません、さらに調査してハッキリ分かったら訂正いたします)。18歳の時から今日まで、妙義や西上州の山には随分通った。しかし山座同定があまりできない。観える山の多くを登っているはずだが、頭と記憶の悪いのは生まれつきだからと諦めた。
帰りは三方境に向かう。V字キレット付近で2パーティとすれ違う。三方境で小休止するも風が冷たく早々に歩きだす。落葉で分かりにくい道を入牧橋に向かう。


三方境


妙義にも熊が出るらしい

並木沢登山口近くの路肩(7:55)-ナイフエッジ(9:05)-大岩尾根と合流(10:35))-谷急山頂上(10:45~11:10)-三方境(12:30)-車(14:00)
                                       ガストンガニマタ

西上州 浜平温泉~トヤノツムジ~品塩山~又尾山~東京電力専用林道

2013年11月25日 20時05分50秒 | 山行速報(薮・岩)
西上州 浜平温泉~トヤノツムジ~品塩山~又尾山~東京電力専用林道
11月24日。メンバーは、Y、G、ガストンの3名。Yは昨日の夕方合流した。
浜平温泉近くの路肩に駐車し、三岐学生の家の庭先を借りて、そこから入山する。送電線の監視路にもなっているようで、以外に道は踏まれている。トヤノツムジという変わった名前の三角点を過ぎガンガン登る。やがて北面からの道と合流する。この北面道は、取り付き点の丸木橋が流されて無いので、下降するときは徒渉覚悟で行かないとダメである。
やがて品塩山北峰に着く。休まず通過すると直ぐに品塩山南峰であった。道標が木にぶら下がっており、裏側を見ると「亡き父に捧ぐ」と書いてあった。この辺で遭難でもしたのであろうか。


品塩山北峰


品塩山南峰(この道標の裏側には、亡き父に捧ぐ、と書いてあった

少し先の送電線鉄塔を過ぎると途端に道はか細くなり、これより南に行く人は少ないようだ。所々ヤブ付岩峰はあるが、これといって難しい所は無い。地図には無い林道が現れた。稜線を断ち切って横断しており、ノリ面にはモルタルが吹き付けてあって、降りられない。100mも戻れば降りられそうだが、せっかくロープを持ってきているのだからと懸垂下降をした。降りてからわかったことだが、死角になっていたすぐ近くに歩いて降りられる場所があった。


切通しになっているノリ面を懸垂下降する

ここからは林道を歩いても東京電力専用林道に出られるが、稜線に拘り縦走を続ける。やがて又尾山に着いた。道標も無く、三角点があるだけであった。近くには壊れた道標らしきものが見られたので、以前はあったのかも知れない。


三角点以外、ドリンク剤空き瓶と空き缶しかなかった又尾山頂上

まもなく舗装された、林道というには勿体ないような東京電力専用道に出た。この道は観光にも使えそうな立派な道であった。
葡萄沢出合経由、上野ダムから浜平温泉(登山口)まで戻った。

浜平温泉(6:35)-トヤノツムジ(7:30)-北面道と合流(8:45)-品塩山北峰(9:30)-品塩山南峰(9:40)-林道懸垂地点(10:10~10:25)-又尾山(11:05~11:15)-東京電力専用林道(11:35)
                                       ガストンガニマタ

西上州 落沢岳~しれいた山縦走

2013年11月25日 19時50分31秒 | 山行速報(薮・岩)
西上州 落沢岳~しれいた山縦走
この山の名前を聞いても、どこにあるのか知らない人が多いと思う。下仁田町市街の西方にある標高800m足らずの山である。
11月23日、メンバーはGとガストン。聞くところによるとGは最近、西上州のハイグレハイクにハマったそうである。地図上に道はないが、実際には踏跡程度はある。どうせ行くならピストンしてもつまらないので縦走することにした。ルートは、下郷集落の林道終点から、落沢岳から西方に延びる尾根(鹿岳とのコル)に立ち、しれいた山の東の尾根末端(風口集落)まで歩くことにした。
下郷奥の林道終点は工事中で駐車スペースの隅に車を止める。今は車の通れなくなった荒れた林道を歩き、適当な所より右の斜面に取り付く。なんという名の植物か知らないが(ウチの方ではタカリ虫という)体全体が種だらけになってしまう。


タカリ虫「植物の種」にたかられたガストンの体

稜線のコルに出るまで標高差250m位だが、道は無く急で辛い登りであった。小休止。落沢岳に向かい小ピークを2つ位越すと、なんと5人組のパーティに遇ったのである。西上州のマイナーな山域で人に会うなんて、めったにないことである。こちらも驚いたが向こうも驚いた様子であった。彼達は大北野からのピストンのようであった。


落沢岳


落沢岳から浅間山を望む


落沢岳からの鹿岳


落沢岳からの表妙義

落沢岳からは鹿岳や浅間山が良く見える。さらに、しれいた山に向かって縦走を続ける。地図からでは感じ取れないが、実際は小さい岩峰がいくつか続く。尾根は南に向きを変え、最後の急斜面は灌木頼りにクライムダウンした。山慣れない人がいたら懸垂した方が無難である。
変わった名前の、しれいた山は双耳峰になっていて、そのコルには古いフィックスロープがあった。頂上には10cm位のかわいい道標があった。よく見るとビスで木に固定してあり、この固定方法は、ちといただけないのではないでしょうか。


しれいた山から落沢岳を望む


しれいた山にあった10cm位の道標(ビスで木に固定するのはいかがなものか)

あとは急斜面もなく最後は竹林になると、尾根末端の風口集落の舗装道は直ぐ下であった。


舗装道路に降りた地点

下郷集落奥の林道終点(7:55)-支尾根取り付き(8:05)-落沢岳西方稜線のコル(8:45~9:00)-落沢岳(9:35~9:45)-しれいた山(10:55~11:05)-風口集落(11:45)
                                       ガストンガニマタ

乙父集落~大天幕ノ頭(雨降山)~天丸山北稜(P1、P2、P3)~天丸山~帳付山~馬道のコル~社壇乗越

2013年11月04日 18時01分02秒 | 山行速報(薮・岩)
西上州 乙父集落~大天幕ノ頭(雨降山)~社壇乗越~天丸山北稜(P1、P2、P3)~天丸山~馬道のコル~帳付山~馬道のコル~社壇乗越

天丸山から北に延びる尾根は、社壇ノ頭から北北西に転じ、国道299号線の乙父トンネルまで続いている。この尾根を末端から登ってみた。メンバーは、Y氏、G氏、N氏、ガストンの4名である。
11月3日早朝、社壇乗越にバイクをデポし、登山口の乙父(おっち)に行く。路肩に駐車して小敷平Aという看板の所から山に入る。


小敷平Aという看板の周りは畑になっている

獣避けの電柵があるが、よく探せば人間が通れるようになっている。この尾根は総じてヤブが薄く、踏跡があるので歩きやすい。やがて大天幕ノ頭に着く。打田さんのエアリアマップには雨降山と記してある。


大天幕ノ頭(雨降山)にてのG、N、Y

少し先には林道が稜線まで延びてきており、稜線は削られて道になっていた。1192mから社壇乗越までは、稜線に沿って林道があり、目障りな存在だ。


社壇乗越

社壇乗越で馬道と別れ尾根沿いに登って行く。P1は問題なし。P2とP3は急な岩場の登降があるがロープを出す程のことはなかった。


天丸山の岩峰が近づいてきた


気の抜けない天丸山本峰への登り


天丸山山頂にて

最後の天丸山への登りは、斜面が急なこともあり高度感もあって、足の踏み外しやスリップは許されない。コース中一番急に感じたのは天丸山からの下りであった。この部分は一般ハイキングコースになっており、太いフィックスロープがあるものの、女性など腕力の弱い人は、特に下りには注意しなければならないだろう。馬道のコルを過ぎて帳付山に向かう。コース後半は岩峰の登降がいくつもあり、以外に時間がかかった。目印がたくさんあるものの、初心者はルートファインディングに苦労するかも知れない。


帳付山


馬道のコル

帳付山に着くも時間が押しているので早々に下山開始。馬道のコルからは馬道を辿り、明るいうちに社壇乗越に着いた。早速バイクで車回収をしたが、社壇乗越に戻ったのが5時半頃で、雨の降る真っ暗な中、車を待っていた3人は辛い思いをしたことであろう。
乙父集落(7:30)-小敷平A(7:40)-824P(8:25)-大天幕ノ頭(雨降山)(8:55~9:05)-1092P(9:25)-社壇乗越(10:20~10:30)-P1(10:55)-P2(11:05)-P3(11:35)-天丸山(12:15~12:25)-帳付山(14:10~14:20)-馬道のコル(15:25)-社壇乗越(16:30)
                                      ガストンガニマタ