acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

北アルプス明神岳5峰西南稜~前穂高岳

2012年08月23日 19時32分45秒 | 山行速報(薮・岩)
北アルプス明神岳5峰西南稜~前穂高岳
8月20日、7月に悪天で登れなかった明神岳~前穂高縦走に行ってきた。
予想通り、お盆を過ぎた上高地は静かで、沢渡からのタクシーの相乗り相手を探すには
少しの時間と努力を要した。
今日は5峰台地までなので急ぐことは無いが、急ごうと思っても水5リットルが入った
ザックは重い。5峰までは前回の報告を参照していただきたい。一つだけ報告しておき
ますが、前回忘れたメガネは無事回収できました。5峰台地に幕営し、前回確認できな
かった巻き道を探しに歩き回る。5峰台地は見た目より岩がデコボコしていて、軽量化
のためマットを持ってこなかった身には寝にくかった。


5峰台地に設営する。雷には比較的安全に思えたが、見た感じより寝心地は悪かった。

8月21日、朝4時に出発しようと2時半に起き、出発準備を始めるが、一向に明るく
なってこない。結局明るくなったのは5時で、その間テントの中で待っていた。
この先前穂高まで、巻き道はすべて岳沢側を巻く。5峰も頂上直下を岳沢側から巻く。頂
上まで登ってしまうと下降に手間取ると思われる。


手強そうな3峰に向かう。どこから取付くか考えながら近づいていく。

4峰を過ぎ岩峰状の3峰を巻く。前
穂高までルートファインディングが必要だが、どこを登っても2級程度の岩登りで通過
できるだろう。もちろんロープは必要としないが、岩に慣れていないと怖く感じるだろ
う。2峰の下降は22mと20mの2回の懸垂下降をした。


2峰の懸垂支点(いままでの記録よりもシッカリしていた)

この懸垂下降が明
神岳縦走のスパイスとなり、ルートを面白くしているのである。明神主峰から前穂高ま
では、まだまだ遠く感じる。この先前穂高までも気を許してはいけない。一歩誤れば転
落することは確実なルートが続くのだ。


明神2峰付近からの前穂高岳


後を振り返ると、主峰の後ろに懸垂下降した2峰が見える


前穂高頂上直下から明神尾根を見る


奥又白の池にはクライマーのテントが1張り見える


前穂高頂上でのガストン(アップには耐えられないので小さい写真にて)

奥又白の池にはクライマーのテントが1張り見
える。前穂高東壁を登ったときの下降ルートに使う、A沢への踏替点を確認すると、や
っとのことで前穂高に着く。いままでだれもいない縦走だったが、さすがメジャーな山
頂には人がいる。大休止とする。私は重太郎新道を下るのは初めてではないが、こんな
に急だったかな、と感じるほど急である。間もなく右膝が痛くなってきた。ここで無理
をして早く降りると、しばらく山に登れなくなるのは、いままでの経験でわかっている
ので、最終バスの6時45分に間に合えば良いと考え、ゆっくり降りる。新しくなった
岳沢ヒュッテで大休止後、上高地に降りた。バスターミナルに着くやいなや、岳沢を前
後しながら降りていたパーティに声をかけられ、待ち時間無しでタクシーに乗り込んだ

今後の予定から、今回登らないと今年は登るチャンスはなくなるので、平日山行で仲間
を募集したが誰もいなかったので、1人で登ったことをメンバーには申し訳なく思って
いる。

8月20日、上高地(8:00)-7号標識(9:00)-5峰台地(14:00)
8月21日、5峰台地(5:00)-明神主峰(7:50)-前穂高(10:30~11:10)-岳沢ヒュッテ(14
:10~15:00)-上高地(17:55)
                               ガストンガニマタ

西上州・碧岩西稜

2012年06月08日 00時53分54秒 | 山行速報(薮・岩)
西上州・碧岩西稜

神が御宿る岩。
それが碧岩。


三段の滝

「緑色が好きだから」とかそういう理由は個人的なもので、決して本質ではない。
あのトンガリを形成する四方に散った稜を一つ一つ拾い集める。
これもまた楽しなのである。


第一コル

碧岩西稜は三段の滝上から一気に突き上げる岩塔が末端といえる。
この場所を第一コルというが、ここからの登攀はかなりの神経戦となるらしい。


小さなケルン


第二コル

通常は第一コルより上流右岸のルンゼを詰め上げ、側壁を数メ-トル登って第二コルへと至るところが始まり。
このルンゼは登山道脇の小さなケルンが目印。
落ち葉やガレ、泥のずるずるルンゼを10分ほど詰め、西稜側壁の一番低いところ、凹角状を登れば西稜だ。


タカノス岩がかっこいい

このたび同行のmatさんは、先日入会の若手NO.1
本日はアルパインクライミングの講習も兼ね、取付きからアンザイレン。
まずはフォロ-、そして容易なピッチでリ-ドとコ-ルの実践というのが主眼。


西稜下部

ゲレンデで練習も考えたが、折角ならライトアルパインを楽しみながら実践した方が覚えも早いはず。

つまり、
On the Job Training。(茨城語訳:まずはやってみたらいかっぺよ)
and OFF the Job Training。(茨城語訳:何度もやりぁ覚えんべよ)
というわけだ。

西稜末端で幾許かの岩場があったものの、中間部は薮尾根。
容易なここでつるべシステムとコ-ルの実践は充分行うことができた。


北西壁が見えてきた

上部に行くと一気に視界は広がる。
ガストンさん初登の北西壁がガガ-ンと鎮座し、昨年行った北稜は上部で唐突に急角度で突き上げており感嘆。
あのときの奮戦はいまだ鮮明に思い出される。


北稜はなかなかの斜度(左のスカイライン)


上部になると岩場が出てくる

西稜の核心は上部の岩場。露出度が高く、高度感は抜群だ。
薮から一段上がってテラス。
リッジの右側壁にハ-ケンが4本打たれており、右上。
容易ではあるが、落ちればイタイ。
リッジに上がるときに残置がないのでキャメ0.75で念を入れる。
Ⅲ級。


フォロ-するmatくん


カシコ岩

抜けるとテラス。「カシコ」?と書かれた岩が鎮座。
ほぼこれでロ-プ終了となるが、もう1ピッチ山頂まで伸ばす。
山頂から西上州の山々を望む。
陽射しが強く、夏のよう。
大岩に行こうと考えていたが、予定時間を過ぎてしまった。


碧岩山頂

かかったよなぁ、”でれすけ”だどね。(直訳:随分時間がかかりました。愚か者ですね。)
まぁ、しゃあんめ-よ。(直訳:まあ、仕方がないですね)


南稜下山

ACC-J茨城は茨城県南部を中心に標準語で活動しています。
山行は、沢登・アルパインクライミングが中心で関東周辺、東北、中部山岳が主な活動山域です。
あなたの華麗なクライミングデビュ-を応援します。


sak

岩トレ・藤坂ロックガーデン

2012年05月21日 19時42分08秒 | 山行速報(薮・岩)
5月20日、藤坂ロックガーデンにて岩トレ。メンバーはS君、M君、ガストンの3名。どこかのクラブの救助訓練もあり、非常に混んでいた。常連さんの話では、特別混んでいるほうではない、とのことだったが。
M君は外岩は初めてということで、初歩的訓練を一通りやって終りにした。一度にたくさん教えても忘れてしまうので、必要最小限のことをやった。忘れないように自分で反復練習をやってほしい。


外岩は初めてというM君の訓練風景

いつも感じることだが、山の世界なんて狭いもので、岩場に来ると知り合いに会うことが多い。今回もT会のK氏と会った。
帰り道、以前から気になる山を偵察してみた。岩登りの対象には程遠いが、一度登ってみたくなったので、そのうち行ってみますので、結果は報告します。

                                                ガストンガニマタ


京都北山金毘羅岩北尾根

2011年11月29日 19時59分58秒 | 山行速報(薮・岩)
11月26日早朝、京都大原に着く。
今回は登山ではなく観光旅行なのです。このガストンのことだから、神社仏閣ばかりではなく、岩場の一つも登りたくて京都北山までやってきました。
あらかじめ自分なりに調べたり、京都の岳人に聞いたりして、大原では一番安い一日300円の駐車場をゲット。クライマーが多く利用する所らしい。


江文神社入り口(登山口でもある)

江文神社から先のケルンから踏跡を登り始める。この踏跡はY懸尾根に行くような気がしたので途中から右の尾根にトラバースする。これがいけなかった。登っても登っても岩場に着かず、岩場は左隣りの尾根に見えるではないか。しょうがないので一旦稜線まで登り、Y懸尾根を下降し北尾根にトラバースすることにした。
適当に踏跡を下り、北尾根の取付と思われるところで登攀準備をしているとクライマーが登ってきた。ここが北尾根の取付で間違いないと教えてくれた。
本日はK氏とガストンの2名。ドドド快適な尾根を4ピッチ登ると北尾根の頭に出る。さらに2ピッチでY懸尾根の頭に出た。一番難しいところでも3級の域を出ることはなく、硬い岩の楽しい登攀をいただきました。あくまでもゲレンデなので、ルート説明は省略します。


北尾根2ピッチ目を登るK氏


北尾根4ピッチ目を登るK氏

最後にわかったことであるが、アプローチは最初のケルンの踏跡を登っていき、Y懸尾根の取付から右にトラバースすれば北尾根の取付にでられるようだった。他に3~4パーティのクライマーが近くの岩場を登っていた。
登攀タイムは1時間ちょっと位で、大原の集落を眺めながらの楽しい一時であった。


Y懸尾根の頭から眺める京都大原地区

今日は、これから鞍馬寺と清水寺の見学に行く予定なので急いで下山した。
その他、南禅寺、竜安寺、嵐山、三千院、寂光院、神護寺など回ったが、凄い人で、いやはや参りました。
                                          
                                           ガストンガニマタ

西上州 東福寺川を巡るヤブ岩稜縦走完結

2011年05月16日 18時59分00秒 | 山行速報(薮・岩)
東福寺川を巡るヤブ岩稜一周完結

東福寺川右岸岩稜に行ってきた。今回は、こんな山行にS,K,Yの3名が付き合ってくれた。東福寺川左岸岩稜と比べると、今回の山行は面白みに期待はできない。下山予定地にバイクをデポし、舟子川左俣(仮称)に行き、例の如く到着祝いの小宴会を催す。私は寝付くのは早いほうであるが、いつもSには勝てない。今日もライオンの唸りに寝そこなってしまった。早朝起きだすも寝不足で頭が重い。これからSと行く時は耳センを忘れず用意していこう。
5月15日、持倉越に行く道が分からないので船子川を詰める。モミジガサ(シドケ)がたくさんあった。コル手前の斜面は急で辛い。あとは道なりに、途中Yがペットボトルを落としたので、拾いに降りたりしながら栗原山に行く。


二子山東峰、西峰、叶山、右手に両神山が見える

やはり、地図上や自分の目で見たとおり、左岸より右岸の方が岩稜は発達していなかった。途中、林道が横切るあたりまでは、目印も多く歩く人も多いように感じた。しかし後半は目印も全くなくて、ほとんど歩かれていないようだ。難しいところはなく、今日もロープの出番はないと思われたが、終点近くなって凄い急斜面になった。灌木を掴みながら慎重に降りる。西上州の灌木は、いとも簡単にポキっと折れるから十分なる注意が必要。その下は岩場になっておりロープを出して一人ずつ慎重に降りた。この岩場の通過に30分を要した。


通過に30分を要した岩場

最後、林道に降りる場所は、予定通り仕事道の階段にドンピシャリであった。このバイクデポ地点の下には、最近開拓されたらしい岩場があり、ペツルのボルトが打たれていた。
これで、一日での東福寺川反時計回りヤブ岩稜一周縦走は可能であることがわかった。しかし、車回収をしないで済むようにするには、城山へのルートを東福寺川付近に求めなくてはならない。その場合、ざっと見積もって城山頂上まで2時間の急登を覚悟しなくてはなるまいから、健脚でフル一日のコースと言えよう。
私が車回収に行っている間、皆さんは山菜採りを楽しんでいたようだった。
これにて東福寺川を巡る岩稜一周は終了した。残すは沢登りのルートであるが、地図で見る限りちと悪そうであり、楽しみでもある。
我々のコースタイム
船子川出合(6:00)~持倉越(7:10)~栗原山(7:40)~岩場(10:20-10:50)~バイク(11:00)
                                                
                                                 ガストンガニマタ

西上州、城山~栗原山縦走

2011年04月18日 20時29分17秒 | 山行速報(薮・岩)
4月17日、西上州、城山から栗原山まで縦走した。先週の偵察行を参考に城山登山口を決める。


城山に登るのに利用する「林道ながたわ線」


この「中央テレビアンテナ」の看板から城山方向に登っていくのがベスト


車を止めた地点からの叶山と両神山

インターネットで調べてみると、サスの峰から栗原山までは記録をいくつか散見するが、城山からサスの峰までの間の記録は無い。これは、悪いのか、つまらないのか、入山しにくいからなのか、いずれかの理由によるものであろう。記録ではサスから栗原までは2~3時間かかっている。地図から予測して縦走には相当の時間がかかるものと考え、早朝の出発とする。
歩き始めるとすぐに食害防止のネットに突き当たる。


しっかりした食害防止用ネット

しかしこれは既に偵察済みで、ある個所からは人間が出入りできるようになっている。先週と同じように城山の北のコルに出る。ここでハーネス等登攀用具を身に着ける。城山は先週登ったので割愛し、さっそく縦走に入る。登り下りとも急ではあるが難しくはない。やがて1043mのピークに着いた。


はさみ岩1043m

「はさみ岩」というプレートがかかっていた。目印も殆ど無く踏み跡も不明瞭である。なるべく稜線の岩を忠実に歩くと面白い。2級程度のヤブ岩稜を進むとあっけなくサスの峰に到着した。一人だと速い。サスの峰から先は歩く人も多いらしく目印も多くなる。踏み跡も少し明瞭になった。しかし皆思い思いにルートを取るのだろう、岩が出てくるといくつも巻き道がでてくる。私はガストン流で岩を忠実に攀じる。しかし岩峰上に立つと、その先が下りられず、懸垂するほどのこともないので、先ほどの所までクライムダウンする。そんなことを何回も繰りかえしながら栗原山に着く。休まず持倉越まで行き小休止。


栗原山


持倉越(この看板は、あと数十年で木に食われてしまうだろう)


持倉越からは船子川左俣(仮称)にある、昔の道を辿ろうとするも、不明瞭でなかなか見つけられず、ロープも持っていることだし、このまま沢を直降することにした。滝はいくつか出てきたが、すべて巻いて下りることができ、出合のバイクデポ地点には午前中に着いた。


バイクをデポしておいた林道桜井沢線の看板

歩いた感想は、ルートの取り方では非常に面白い縦走であった。インターネットで見た記録に、サスの峰先の下りがあまりにも急で戻ったと書いてあったが、ブッシュがあり、まったく不安のない下降である。当初の計画では東福寺渓谷を巡る稜線一周であったが、時間に不安があったので半周にした。でも一日一周は十分にできると確信した。しかし、今日眺めたところでは、残りの半周にあまり魅力は感じなかった。といってもガストンの性格から言って、近いうちに残りの半周にも行くにちがいないだろう。

車出発5:10~城山北のコル5:35~はさみ岩6:40~サスの峰7:40~栗原山9:30~持倉越9:50~バイクデポ地点10:40
ヤブグレード1~2級

時間もまだ早いことだし、次回のために偵察でもしてから家に帰ろう。
                                              ガストンガニマタ

西上州偵察行

2011年04月12日 20時15分29秒 | 山行速報(薮・岩)
大震災では、私の近所でも被害がたくさんあるし、山に行ってきます、とはとても言えない雰囲気であり、私自身も山に行く気持にはなれなかった。まだ余震も続いており、家が心配であるが、4月10日、久しぶりに西上州に行ってみた。
北関東自動車道が全線開通したので、それを利用してみた。自宅から、笠間西インター→下仁田インター→「道の駅うえの」まで2時間半で行ってしまった。さらに高速料金片道1000円は嬉しい。
10日朝、目が覚めて時計を見ると8時半ではないか。寝坊してしまったと朝食を食べたり一連の出発の準備をする。地震のせいか道の駅にはお客の姿がない。最後にGPSの準備をするのにメガネをかけたら、なんと時間はまだ7時前であった。6時半を8時半と見間違えたのだ。なさけねえー!どうりでお客がいないはずだ。
車からバイクを下ろし、今日はバイクで回る予定である。
まず境沢川に行く。


瓔珞橋

瓔珞橋の入山点を確認して戻ってくると、行く時気がつかなかったので、今転落したばかりと思われるカモシカが林道にいた。どうやらガケから滑落したらしい。立ち上がるよう手を貸したが、骨折しているらしく立つことができなかった。


ひん死の重傷を負ったカモシカ

とても車では走れない急で石ころだらけの道を走りまわる。時間があるので、サスの峰に南東尾根から登ってみた。
ヤブの薄い傾斜の緩い尾根を登る。所々に岩場があるが問題となる場所はなかった。1時間で頂上を往復した。


サスの峰

林道発10:20~サスの峰10:55~林道着11:20
ヤブグレード1級
次に船子川左俣の入山点を確認、それから城山に行く。城山の林道は狭く急で車利用の場合は四駆の軽トラでないと無理だと思う。
時間があるので城山にも登ってみることにした。歩き始めるとまもなく動物の食害防止のネットが張り巡らされており、これを越すのに難儀し時間を食った。入山方法をかえないとダメだ。


城山

林道発12:35~城山13:30~林道着14:10
ヤブグレード1級
またバイクで別な入山点を探して回り、適当と思われる地点を確認して偵察を終えた。


途中から見えた叶山牢口ルンゼ(昔登ったが今でも登れそうに見える。ビルディングフェースも昔と変わっていないように見えた)
                                 ガストンガニマタ

西上州・碧岩

2010年12月29日 23時24分42秒 | 山行速報(薮・岩)
12月29日、西上州・碧岩。

”碧”と書いて「みどり」と読む。
「碧」とはどんな色なんだろう。
好きな色はと問われれば、間違いなく「ミドリ」と答えるワタクシ。
ゴレンジャ-のなかで好きなのは「ミドレンジャ-」なのですよ。
漢字は違えども、ミドリはミドリ。
碧岩の存在を知ったからには、行かねばなるまい。

しかも、この碧岩。
これまた好物の「岩山」であるとのこと。
大好きなおかずが二品も盛ってある。こんなおいしいシチュエ-ションは、他にはないのである。


碧岩と勘違いしていたタカノス岩?

目指すは北稜・・・。と意気込んだものの、前夜と思しき数センチの降雪で三段の滝駐車場はおぼろに銀世界。
ここまでの路面も同様で、スタッドレス未装着車にはドキドキもの。
気温も低く、何とかスリップせず駐車場まで到着。

これで、北稜はどうよという話だが、時間は8:30、陽に照らされていたなら、何とか勝負できるかと淡い期待を胸に歩き出す。
このたびのメンバ-は東京の”あ”夫妻、sakの3名。
全員、碧岩は初めて。

歩き出して10~15分、明るい雰囲気の支沢にあたりをつける。
枯葉で埋まった沢筋を嫌い尾根筋に活路を見出すが、降雪と凍土でなかなか悪い。
バイルの活躍で何とか尾根まで。

しかし、岩尾根からの眺めは明らかに目指した場所ではなかった。
地形図と現況が今ひとつ一致しないものの、おそらくそこは「チョキ」と呼ばれる岩塔。目指す北稜は切れ落ちたその先にあった。
北稜には、雪も付いていた。
「西上州は雪が付いたら、まずダメだね」
碧岩、北西壁・初登を収めた当会のガストン氏の言葉だ。

考えてみれば、既に年末押し迫ったこの季節。
ワンプッシュで登れるほど、甘くはないか・・・。
そんな思いで懸垂下降準備に取り掛かる。

懸垂下降3ピッチで沢筋。
しかし、沢筋は枯葉で埋まり、その上に雪が乗っている。
こりゃ、ラッセルだよ。
なんと、枯れ葉ラッセル、胸まで(笑)

といことで、南稜のハイキングに計画変更。
ハイキングとはいえ、いわゆる破線ル-ト。
それに雪が付いている。

三段の滝

沢筋を詰めれば3段の滝。滝場を巻いて指導標に誘われ支沢へ。
少し行ったところから尾根に上がる。
概ね赤布がある。



尾根を詰めれば碧岩の肩。東壁が大きい。
そこから、フィックス頼りに岩場を2箇所通過。
登りはいいけど、下りは嫌な感じだ。
岩場をこなせば、頂は一投足。
山頂は眺望スバラシく、西上州の岩山がいくつも見えた。
北風が時に頬をかすめるが、陽光が暖かい。



帰りの岩場は懸垂下降。
先ほどつけた足跡を追って下る。

今回の山行がsakにとって2010年最後。
ともかく、今年一年、怪我や遭難・事故もなく、無事に山行を締めくくることができた。
当山岳会においても同様だ。

ガストンさんはじめ、ACC-J茨城の仲間、モチロンACC-J東京の皆様とも山行を共にできた幸せ。
感謝感激です。
ありがとうございました。
正月山行を計画の皆様も安全登山でお楽しみください。

sak

西上州 マムシ岳

2010年12月27日 19時15分02秒 | 山行速報(薮・岩)
今年最後の西上州になると思われるが、マムシ岳に12月26日に登った。前日夜「道の駅上野」で東京のN氏と待ち合わせる。茨城からはA氏とガストンの2名である。N氏の言によると、N氏は西上州の藪岩尾根に完全にハマってしまったそうである。いつものように車中で宴会するも、N氏のキャベツを使った簡単料理はとても旨く気に入ってしまい、家に帰ってからすぐに作り晩酌をした次第である。宴会後就寝したが、もう仮眠という段階ではなく、完全に十分な時間熟睡できる。これは低山の良いところである。
8時頃登山口に向かう。すでにブドウ峠への道は冬期閉鎖になっており、キリンテ入口の所に駐車する。8時15分発。朽ちかけている木橋をわたりキリンテのコルに向かう。このトラバースはかなり悪いと文献には書いてあったが、道がはっきりしており悪くなかった。あとは藪岩稜をひたすら登る。途中ザレで足元の不安定な急斜面があったがロープを出すほどのことはなかった。短いフィックスもあった。キリンテの頭を過ぎるとやがてそれなりの岩場がでてきた。いよいよロープを使えるかなと期待したが、近づいてみるとなんてことはなく、左よりに簡単に抜けられた。ここにもフィックスがあった。マムシ岳着9時40分。

マムシ岳頂上

ここからは飽きるほど岩稜が続くはずだったが、1時間くらいでマムシのコルに着く。11時。

マムシのコル

シオジの原生林への道を整備したのだろうが、今はかなり荒れて手すりは健在だが、道は結構歩きにくく感じた。いったいこの手すりはなんの目的で作ったのだろうか。転落するほどの傾斜もないので道しるべかな。ゲンナイ登山口着11時25分。道路は完全なアイスバーンで、たとえ通行止めになってなくてもここまで車で上がってくるのは無理だろう。

ツルツルのアイスバーンもここまで降りると歩きやすくなった

道の端や轍の跡の凍っていない部分を選びながら車に戻った。12時ジャスト着。
ヤブグレード 1級     歩行時間 3時間45分
                       ガストンガニマタ

西上州 天狗岩~烏帽子岳

2010年12月20日 20時29分02秒 | 山行速報(薮・岩)
12月19日。先週に続いてハイグレードハイキングに行ってきた。今回は西上州の天狗岩から烏帽子岳への縦走である。烏帽子岳には昔、北稜から登ったことがある。今回のルートはハイキング地図にも破線で出ており、ハイグレードというほどのものではなかった。
メンバーは、茨城K、A、ガストン、東京N、A夫、A妻の計6名である。
天狗岩登山口8時25分発。ニリンソウコースから天狗岩に向かう。天狗岩9時20分~9時30分。展望台が作ってあり、浅間山から北アルプスなど360度の展望であった。

天狗岩展望台からの遠望

ここから稜線上を進む、安全に歩ける踏み跡もあるのだが稜線に拘り岩稜を歩いた。

稜線の岩稜に拘って歩く

マル10時50分通過。少し下ったところで一人の登山者と会った。烏帽子岳11時10分~11時30分。ここもまた360度の展望。昼食とする。

烏帽子岳頂上にて

下山は横道という安全な道を使う。天狗の岩穴12時10分。登山口着12時35分。

天狗の岩穴

行動時間  4時間10分。   ヤブグレード  0,5級
ガストンガニマタ

帰りに、碧岩が見える所まで車で移動。久し振りに見た北西壁は相変わらず立っていた。この北西壁にはガストン達が登ったルートがある。初登あって2登なしのルートだけど。記録は昔、山渓の記録速報に発表したことがある。取り付く人は充分気をつけてください。易しくはありませんので。