・ 期間:2019年1月2日~1月5日
・ メンバー:S田
・ アクセス:
往路:豊科駅から「ほりで~ゆ四季の郷」先冬季ゲートまでタクシー 3,000円/台
帰路:中の湯バス停から松本バスターミナルまで路線バス 2,200円/人
・ コースタイム:
1月2日 行動時間:8時間25分
6:55「ほりで~ゆ四季の郷」先の冬季ゲート-8:00烏川林道途中の高瀬川線No.63- 8:25鉄塔-11:10巡視路終了1600m地点-15:20 2200m地点
1月3日 行動時間:6時間40分
8:10 2200m地点-12:40前常念岳-13:50常念小屋への分岐-14:50常念小屋(冬季小屋)
1月4日 行動時間:9時間40分
7:10常念小屋(冬季小屋)-8:40常念小屋への分岐-9:00常念岳山頂-12:30P2592-14:10蝶槍-15:00蝶ヶ岳-16:50長塀尾根2200m地点
1月5日 行動時間:4時間50分
7:40長塀尾根2200m地点-8:50徳沢-10:45河童橋-12:30釜トンネル
・ コース状況:
往路利用したタクシーの運転手の話では年末年始に初めて里に雪が降ったらしい。
東尾根の森林限界未満では積雪は少なく、やぶは埋まっていない。森林限界以上では様々な規模で踏み抜きが多い。
東尾根のルートにはピンクテープがあり、特に迷うことなく登れた。
・ 記録:
1月2日 曇り:
早朝の豊科駅
駅には客待ちのタクシーが2台待機していた。
「ほりで~ゆ四季の郷」先の烏川林道冬季ゲート
烏川林道
「高瀬川線No.63」の標識から東尾根に入った。
鉄塔
1600m地点で巡視路が終わる。
この先からやぶ漕ぎ。
東尾根名物のやぶ
やぶの上にのっている雪も曲者で、手や身体で押しのけると降り注いでくる。
勾配があるところや灌木と組み合わさって狭くなっているところを登るのが一苦労。
1800mくらいになると落ち着いてくるが、やぶはなくならない。
2200m地点のテント設営場所
灌木の枝がうっとおしくなるが、見通しの悪い樹林帯から抜けて周囲の山並みを見ることができた。
テントを設営した場所から見えた前常念岳。
1月3日 曇りのち晴れ:
雪の踏み抜きが多く、前常念岳まで4時間30分かかった。
特にひどい踏み抜きでは、抜け出そうとして身体を動かすと沈んだ。
肩あたりまで埋まったところから雪の中の枝を踏みつけ、雪の上の枝を両手で引っ張って脱出した。
テント泊装備のザックであと何回同じ目に合っても気力が尽きないでいられるだろうかと呼吸を整えながら考えた。
そこからは雪庇に気を付けつつ出来る限り尾根のてっぺんを外さないで歩き、少しでもトレースがあった痕跡があればそれを辿るように注意した。それでも踏み抜く時は踏み抜いた。
小規模な岩場が2つあり、1つ目を直登、2つ目を右から巻いてみた。
直登の方が雪の踏み抜きの心配が少なくて良いように思う。
前常念岳の石室は常念岳に向かって左側で、尾根より少し下がったところにあった。
常念岳山頂あたりは白く煙って、前常念岳からはあまり見えなかった。
常念岳から常念小屋の区間は風が強く、石が出ている。
夏山のコースタイムとあまり変わらずに登れそうだ。
明日蝶ヶ岳方面へ縦走するため、常念岳山頂には行かずに常念小屋へ下った。
常念小屋の冬季小屋
ドアノブの上まで雪が積もっていたため、スコップで掘り出した。
1月4日 晴れ:
常念岳を常念小屋から見上げたが、山頂は見えない。
この日も風が強く、バラクラバや手首の隙間などから寒さが染みてくる。
常念岳山頂
常念岳東尾根終了。ここから蝶ヶ岳への縦走の開始。
常念岳山頂から見える蝶ヶ岳方面
トレースありだが、雪の中に隠れている岩がアイゼンに引っかかるので要注意だ。
常念岳を下り、樹林帯を抜けてP2592へ登る。
雪はグズグズとして崩れやすいところと固くてしっかりとしたところが混在し、高く足上げするところが多くて疲れた。
P2592への登り途中に常念岳を振り返る。
P2592の上から次の蝶槍を眺める。
P2592と蝶槍との間で日の当たる斜面の雪が靴の裏にだんごになってへばりつく。
まめに雪を落とさないと重いし危ない。
蝶槍からの穂高及び槍が岳の眺め。
よく晴れた日に縦走できてよかった。
稜線は同じ方向から強い風が吹き続けるため、肩や頭が冷えて痛くなった。
耐え難くなってきた頃に蝶ヶ岳に到着。
蝶ヶ岳山頂から蝶ヶ岳ヒュッテは近い。
長塀尾根の樹林帯に入ると風が弱まり、安心した。
蝶ヶ岳は入山者が多かったのか、トレースがはっきりしていて沈み込みも少ない。
2200m地点でテント設営
今夜から天気が崩れる予報なので出来る限り尾根を下り、日の入時間間際でテント設営。
1月5日 雪:
朝、テントはパウダースノーに囲まれていた。
トレースもかなり雪で埋もれてしまったが、ピンクテープや赤丸印が頻繁についているため道は迷わなかった。
ほとんど雪の重さを感じずに下れて快適だが、雪に隠れている丸木階段につまずかないように注意した。
徳沢
長い長い上高地の道の始まり。
河童橋
この辺りから釜トンネルまでの道は除雪されていた。
少し滑りやすいが、わかん・アイゼンなしで最後まで歩ける。
こういう時はチェーンスパイクが便利なのだろう。
釜トンネルを抜けて終了。
上高地トンネル及び釜トンネル内は照明がついていて、ヘッドランプが不要だった。
卜伝の湯(30分交替制、700円/人)
釜トンネルのすぐ隣にあるため、とても便利。
ここから少し上に松本バスターミナルに行く路線バスのバス停もある。
今年も山と湯に恵まれる一年でありますように。
(S田)