エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「黙っているのは、暴言を吐くより無責任だ」とは立派です! 改訂版

2015-01-13 15:01:39 | エリクソンの発達臨床心理

 

 今日のタイトル。キャッチコピーなんですね。それは「ビートたけしのTVタックル」のキャッチコピー。昨日は「成人の日SP 大激論!18歳はオトナかコドモか?」。

http://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/backnumber/0041/

 パレーシア、という言葉をビートたけしさんが知っているかは定かではないですが、きっと鼻が利く人なんですね。このキャットコピーを堂々と掲げています。素晴らしい!

 その主題をここで問題にしようと言うのじゃないんですね。この番組に出演した18才くらいの10人の話が面白かったので、そのお話をしたいと思った訳ですね。なかでも、18才のシングルマザー「萩野小雪さん」。この人の生活と話を取り上げたい。

 もうすぐ2才になる娘さんを抱えて、働きながら子育てしていると言います。15才で妊娠し、夫とは離婚したばかり。「誰も喜んでくれなかった」結婚だったと言います。今の生活は、ベーカリー・レストランでアルバイトしながら、母子生活支援生活という児童福祉施設、昔の呼び名ですと、「母子寮」で暮らしていると言います。

 子どもを保育園に通わせていますが、この施設からは片道40分の送り迎えをしていると言います。近くの保育園に空きがなくて、遠くの保育所まで通わせざるを得ませんね。この萩野ママ「少子化と言うのに、保育園の待機児童がいっぱい、なんでだろう…」と嘆きます。小学校に待機児童がいないのに、保育所には待機児童だらけなのは、わが安倍晋三首相の政策が無策だからですね。

 萩野ママ、いまは、ベーカリー・レストランで働いていると言います。でもすぐに働き口が見つかったわけじゃぁない。保育所は土日が休みだから、土日の休める仕事を探さなくちゃいけないでしょ。萩野ママ「(就職試験に)全然受からなかった」と言います。でもそれだけじゃぁないみたい。萩野ママ「子どもいると、(職場や社会が)邪険にする」「子どもがいると、『雇いたくないな』と思うんでしょうね」と率直です。子どものいる母親に対して、社会的な差別があることをハッキリ言ってくれています。

 では収入は? 午後3時まで働いて、月に手取りが60,000円から80,000円だと言います。今通っている保育所のコアの保育時間が8時間半だから、7時半からそのコアタイムが始まると、4時までしか預けることができないからです。延長保育の料金が時間当たり800円、萩野ママのバイトが自給900円では、延長保育を利用するのは難しい。ここに、父親からの養育費40,000円、自治体からの扶養手当40,000円と児童手当15,000円がプラスされて、トータル約175,000円、年収にして、約200万円で暮らしていると言います。当然暮らしは「苦しい~」となりますね。わが安倍晋三首相が言う「安倍内閣にとって最大のチャレンジ」である「女性が輝く社会」というキャッチコピー。萩野ママに言わせると、「バカ言ってんじゃぁない」、と断じます。それゃそうですよね。

 こういった現状を抱えるシングルマザーが幸せを実現するため、「生きてて良かった」「人間らしい暮らしができる」と実感が持てる社会を作ること。それが政治家のみならず、私どもの、今ここでの課題です。

 

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残念な自由恋愛 改訂版

2015-01-13 11:01:53 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 

 今の時代は、大事にしたい相手は、自分で探す自由があると同時に、そうしないと見つからない時代です。

 p2下から8行目途中から。

 

 

 

 

 

結婚は社会的配慮に基づいて決めていくもので、人を大事にすることだって、いったん結婚した後に、育っていくものだ、と思われていました。ここ数世代において、ロマンチック・ラブという考え方が西洋社会では広まってますね。アメリカでは、慣習に対する配慮はゼロになっている訳じゃないけど、非常に広範に、人々は「ロマンチック・ラブ」、すなわち、結婚に至るような、人を大事にする思いを追いかけています。自由恋愛と言う新しい考え方が、「人を大事にすることの働き」の大切さの反して、「大事にしてくれる相手」の大事さを非常に強めることになっちゃってるんですね。

 

 

 

 

 アメリカでしたら、ここ百年くらい、日本でしたら、ここ数十年くらいでしょうか、自由恋愛、ロマンチック・ラブという考えが広まってきましたね。フロムは、自由恋愛ですと、人を大事にすることが、どんな効き目があるのか? どんな人間関係を実現するのか? ということが蔑ろになり、自分を大事にしてくれる人を探すということについつい眼も心も向かっちゃってると言いたいようですね。しかもそれは残念なこととして。

 

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みんなが宗教家か哲学者になる時代?

2015-01-13 06:29:24 | アイデンティティの根源

 

 エリクソンを正しく理解することにおいてさえ、いいえ、だからこそ、肩書や社会的地位とは関係ないんですね。「権威」と言われている「権威」がニセモノであることが日本(の学会、大学)では特に多いと感じます。残念!

 p241の下から4行目から。

 

 

 

 

 

  しかし、国際的道義におけるこの行き詰りが、最も勇敢な抵抗、最も強制的な解釈、あるいは、最も預言者的な警告によって、果たして突破することができるかどうかです。この世の破局を警告することが、あまりにも強烈ですから、たいていの人はその警告を無視しますでしょ。それはちょうど、自分の死は無視しやすく、自分が地獄いきだという見通しも無視しやすいのと同じです。それどころか、倫理的な心構えをもつことによってのみ、イキイキとした国際協調をする方向性を堅持することによってのみ、武装した防衛というくびきに、エネルギーをつぎ込むことをせずに済ますことができます。私どもが生きている時代は、今や全人類滅亡の可能性がありますから、全人類まで及ぶ自分を確かにする道、真に普遍的倫理、、世界宗教、ヒューマニズム、哲学者たちが今まで準備してきた道や倫理を、実際に初めて考えることができる時代なのですね。

 

 

 

 

 核の危機は、実感を持つのが難しい。核の悲劇を想像することは、膝をすりむいたり、足の骨を折ることのように、想像することは難しいでしょ。

 エリクソンは、この核の時代の危機を突破するのは、倫理的な力だと言いますね。私も賛成ですね。世の中は、権力やヤクザナ人間が支配しているように見えますでしょ。そうすると、ズルやウソを使っても、人をコントロールしようとすんですね。でもね、私はそれは表層的だと思います。私の体験からして、そうじゃぁないと言えますね。

 みんなが「人類皆兄弟」を考えなくちゃぁ、持たない時代。

 

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