吉本隆明さん。倫理について、自覚しているレベルと、自覚できない無意識的なレベルで、善悪が逆転しやすい、ということを指摘してくれましたね。実に見事な一隻眼です。
これは、太平洋戦争が「八紘一宇」のような「正義」を旗印にしながら、ケダモノのような残虐行為を繰り返してきたことの反省に立っていたと考えられます。ただ、これだけではないと私は見ますね。つまり社会批判だけではなく、自己批判、内省がそこにあったと見る訳ですね。
その自己批判、内省とは、自分も「八紘一宇」を完全に信じたわけではないけれども、むしろ「腑に落ちない感じ」があったのにもかかわらず、その「正義」に与してしまった、ということですね。それなしには、先の一隻眼が出てこないし、説得力を持たないでしょう。
内省に基づく態度、今日あなたがやろうとしている「正しいこと」が、「本当に正しい」ものなのかどうか、いつでも点検、また、点検と言う態度が大事ですね。
よろしくね。