エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

加藤周一さんが言う「ぜいたく」

2015-01-28 14:32:11 | エリクソンの発達臨床心理

 朝日ホールであった,「お別れの会」の写真。私も思いがけず,前の方の座席に座ることができました。ラッキー!

 

 「ぜいたく」贅沢と言えば、何を想像されるでしょうか? 海外旅行が、すでに贅沢とは呼べないくらいになって久しい今、何を以て贅沢とするかは、意外に難しい問いなのかもわかりませんね。

 人によっては、ブランドバックでしたり、一流と呼ばれるホテルに宿泊することであったり。あるいは、のんびりと温泉を楽しむことである場合もあるかもしれませんし、ご贔屓の和菓子屋さんで、お気に入りの和菓子にお抹茶がいい、と言う方も、あるいはおられるかもわかりません。私も甘党、和菓子にお抹茶が良い口です。

 しかし、敬愛する加藤周一さんがおっしゃる「贅沢」は全くの別物。スケールが違います。これは、平凡社から出ている『加藤周一セレクション/5 現代日本の文化と社会』所収の「日本人の死生観」に出てきます(p122-123)。この文書は、6人の日本人エリート(乃木希典、森鴎外、中江兆民、河上肇、正宗白鳥、三島由紀夫)の生と死に対する態度を検討したものです。引用が若干長いですが、その箇所をお示ししておきましょう。

「日本のような集団志向型の社会で、その成員が集団の価値体系とは独立に、個人的に選びとった「イデオロギー」にもとづいて独特の価値観を信奉することは、その成員の生活を困難にし、安全を脅かし、極端な場合には「村八分」の危険をおかすことを意味するだろう。そういう条件のもとで、所属集団との妥協を捨て、「イデオロギー」による自己束縛の道をとるのは、おそらく社会の周縁部に生きることを決意した「エリート」だけに許されるぜいたくである。」

 この確信に満ちた記述に接したときに、私は、身震いする感じ、ヌミノースを感じましたね。そして、私気付きましたよ。これは加藤周一さんの生き方そのものだということを。

 論理的文書でも、自分の生き方がハッキリ出る、この加藤周一さんのような文章ほど、説得力とヌミノースを感じるものはありません。

 

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キリスト教の英雄時代

2015-01-28 11:46:19 | アイデンティティの根源

 

 ルターに影響した価値とは何だったのか?

 p178の第3パラグラフ。

 

 

 

 

 

 キリスト教にも、すべての偉大なムーブメントに似て、英雄時代がありましたし、キリスト教は繰り返し、神話の正当性として、その英雄時代を人々に訴えましたが、その英雄時代を永遠に取り戻すことなど、ほとんどできませんでした。

 

 

 

 

 

 エリクソンが言う、キリスト教の英雄時代とは、パウロの時代のようですね。英雄パウロがキリスト教会を指導した時代。エリクソンは、パウロの指導の何が価値アリ、と見ているのか? 今後か楽しみ。

 

 

 

 

 

 

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#レイチェルカーソン が #心の底から信じていることは?

2015-01-28 06:09:57 | 間奏曲

 

 子どもにとって大事なのは知識じゃぁない。だから、大人が自然についていろいろ知ってる必要はないらしい。

 p55の8行目途中から。

 

 

 

自滅的な気分で、親たち言います。「自然界のことを子どもに教えるなんて、とてもできないよ。鳥の区別もできないのに…」と。

 私が心の底から信じているのは、子どもにとってはもちろん、その子どもの相手になる親にとっても、知ることは感じることの半分も大事じゃぁない、ってことですね。

 

 

 

 レイチェル・カーソンの神髄ここにあり。

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