エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

なんと空しいことか 改訂版

2015-01-18 15:04:33 | エリクソンの発達臨床心理

 

 なんとむなしいことか、と言うと、ニヒリズム、と思われるかもしれませんね。

 1月17日を迎えて、また、まもなく、3.11を迎えるにあたって、4年前の文書をいつくか読み直しました。その一つが宮田光雄先生の「いま人間であること」(『世界』№ 817, 2011,5)です。

 「なんと空しいことか」、これは旧約聖書の「コレヘトの言葉12章8節」の1節です。宮田光雄先生が教えて下さっているように、この言葉は、ニヒリズムや諦めの気持ちを表しているのではないんですね。「神」という言葉を多用しているように、現世的な生の空しさを語りこそすれ、神の終末論的希望に対する希望を語るものである、と仰います。

 昨日もこのブログに書きましたが、復興が眼に見える部分にだけ眼が行くようでは、不十分です。では、眼に見えないものとは、この場合どう考えればいいのでしょうか?

 コレヘトの言葉が、現世的なものに対する「むなしさ」を教え、日常生活を≪超越≫することを考え、また、実践していくこと教えているのだそうですね。また言葉を変えれば、「人間らしい暮らし」とは何か? との問いを問いつつ、日々を暮すことになるはずです。それは、「いわゆる豊かさを追い求めるのではなく、たとえ貧しくなろうとも、日常生活の不便さを忍んでも、人間らしく生きることはどういうとか、真に生きることの意味を、いまこそ深く問い続けなくてはなりません」。自分たちの社会のあり方を、自分の生活のあり方と結び付けて、「人間らしい暮らし」を実現することを考えること。

 私どもはその答えを探しながら、今日も生きてまいりたいと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人を大事にすることの意味を学びましょう 改訂版

2015-01-18 11:52:47 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 相手に夢中なのは、一人ぼっちの証拠。

 p4第3パラグラフ。

 

 

 

 

 

 この態度は、人を大事にすること以上に容易なことはないけれども、正反対を証明することばかりあるのに、人を大事にすることに関して、よくある考え方になっています。このように、デッカイ希望や期待で始まったものなのに、うまくいなかいことが普通なのは、人を大事にすること以外に、どんな活動も、どんな企画もありません。もしこれが、人を大事にする以外の活動に当てはまるならば、人はなぜ失敗するのかその理由を知りたがるでしょうし、もっとうまくやる方法を学ぶでしょう。さもなければ、そんな活動はしないでしょう。その選択肢が人を大事にする場合は不可能なので、人を大事にすることに失敗することを克服するたった一つのいい方法があるだけだと思われます。それは失敗の理由をよく調べて、人を大事にすることの意味を学び続けることなんですね。

 

 

 

 

 セックスだけを考えるような思いは長続きしない。失敗するのは必定です。頭も使わなくちゃね。人を大事にする、って、どういうことなのかしら? それをよく考えることがとても大事。当たり前のことですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やり取りは永遠

2015-01-18 07:06:31 | アイデンティティの根源

 

 本当の自分の気付くことと、それがいつでもどこでもできるような技術と結びついていること。

 「新たな洞察の光で見た時の黄金律」も今日が最後。

 p243最後のパラグラフ。

 

 

 

 

 

 人の道を説くことに耽ることなしに、倫理的な話をするのは容易なことではありません。1つの解決法として、タルムードの黄金律をもって、結びにしようと思います。ラビ・ヒレルは、その昔、片足立ちしている時に、不信心の者から、トーラー全体について訊かれました。ラビがその質問に答えるつもりだったのか、答えの条件を言ったのか分かりませんが、ラビは言います。「自分が嫌なことを、人にするなかれ。これがタルムードのすべてです。残りはその説明です」と。とにもかくにも、ラビは「最善を尽くせ、生きて学べ」と付け加えませんでした。

 

 

 

 

 「自分が嫌なことを、人にするなかれ」。孔子さんの教えにも通じます。黄金律は永遠です。それは、やり取りが永遠だからですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする