国立市。東京の小さな町。私の出身地。
国立市在住で最も有名な人はだれか? 山口百恵さんを挙げる人が多いでしょうね。
でも、私は生まれも育ちも国立市谷保ですからかもしれませんが、もう一人別の方を挙げたいと思います。それは、吉田都さん。元イギリス・ロイヤルバレエ プリンシパル。
国立市はちっちゃな町ですから、車でしたら、東西でも、南北でも、10分くらいで端から端まで行く感じ。吉田都さんは、国立市在住で、しかも、国立市にある小さなバレエ教室のご出身。私が住んでるところは南で、甲州街道の南側ですが、そのバレエ教室は北にあり、中央線のすぐ北側。
世界的なバレリーナになってから、こんな話を聴いたことがありました。それは、まだ小学生低学年の頃の事でしょうか? そのバレエ教室の前でずっと中を覗いている女の子がいた、ってんですね。毎日毎日、その女の子はそのバレエ教室を覗いていた。デバカメの話じゃぁないですよ。毎日毎日覗いてるから「この子はバレエがしたいんだろう」ということで、そこでバレエを習いだした、といいます。
先日10年ぶりで、その吉田都さんの番組がBSで再放送されて、改めて拝見しました。吉田さん、22年間、例のプリンシパルを務めたと言いますが、最初はイギリス人になろうと頑張ったそうです。しかし、「マダム・バタフライ 蝶々夫人」を演じる人たちが、日本人になろうとしていることに違和感を感じて、自分もイギリス人になろうと思うことを止めた、といいます。それじゃぁね、どうしようとしたのか?
それは、「自分の中で感じるものを出した方か良い」と思ったと言いますね。さらにいいます。「それがたとえ、他の人と違ったりだとか、良くなかったとしても、でも私としては納得できる」。
これが、吉田都さんを吉田都さんにした、と確信します。なぜなら、これこそが、エリクソンの言う、「a sense of initiative 自分が感じていることから行動を始めてもいい感じ」だからですね。
エリクソンが言っていることがいかに実際的で、しかも、それが日本ではあまり理解されていないことがお分かりだと思います。