エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#国立市から 改訂版 #生きている実感を出す歓び

2015-01-23 14:38:30 | エリクソンの発達臨床心理

 

 国立市。東京の小さな町。私の出身地。

 国立市在住で最も有名な人はだれか? 山口百恵さんを挙げる人が多いでしょうね。

 でも、私は生まれも育ちも国立市谷保ですからかもしれませんが、もう一人別の方を挙げたいと思います。それは、吉田都さん。元イギリス・ロイヤルバレエ プリンシパル。

 国立市はちっちゃな町ですから、車でしたら、東西でも、南北でも、10分くらいで端から端まで行く感じ。吉田都さんは、国立市在住で、しかも、国立市にある小さなバレエ教室のご出身。私が住んでるところは南で、甲州街道の南側ですが、そのバレエ教室は北にあり、中央線のすぐ北側。

 世界的なバレリーナになってから、こんな話を聴いたことがありました。それは、まだ小学生低学年の頃の事でしょうか? そのバレエ教室の前でずっと中を覗いている女の子がいた、ってんですね。毎日毎日、その女の子はそのバレエ教室を覗いていた。デバカメの話じゃぁないですよ。毎日毎日覗いてるから「この子はバレエがしたいんだろう」ということで、そこでバレエを習いだした、といいます。

 先日10年ぶりで、その吉田都さんの番組がBSで再放送されて、改めて拝見しました。吉田さん、22年間、例のプリンシパルを務めたと言いますが、最初はイギリス人になろうと頑張ったそうです。しかし、「マダム・バタフライ 蝶々夫人」を演じる人たちが、日本人になろうとしていることに違和感を感じて、自分もイギリス人になろうと思うことを止めた、といいます。それじゃぁね、どうしようとしたのか?

 それは、「自分の中で感じるものを出した方か良い」と思ったと言いますね。さらにいいます。「それがたとえ、他の人と違ったりだとか、良くなかったとしても、でも私としては納得できる」。

 これが、吉田都さんを吉田都さんにした、と確信します。なぜなら、これこそが、エリクソンの言う、「a sense of initiative 自分が感じていることから行動を始めてもいい感じ」だからですね。

 

 エリクソンが言っていることがいかに実際的で、しかも、それが日本ではあまり理解されていないことがお分かりだと思います。

 

 

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『不思議を感じる感じ』 より

2015-01-23 11:14:55 | 間奏曲

 

 昨日で『人を大事にする術』の翻訳が完了。

 今日は、レイチェル・カーソンのThe Sense of Wonder 不思議を感じる感じ から p52。

 

 

 

 

 こどもは、小さなこと、目立たないこと、の中でこそ、悦ぶものです。

 

 

 

 

 

 

 本当です。

 

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歴史と個人を作る力

2015-01-23 08:53:07 | アイデンティティの根源

 

 自分を確かにする感じ、時代さえ変えてしまう力があります。

 p177第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 序論の中で指摘しておきましたように、ことは、厳に宗教的な価値では必ずしもないんですね。それは、たとえ、中世の教会が公的な価値を独占しようとしても、同じです。問題は、実際に、個々人が自分を確かにしなくちゃならない、その必要が決定的に影響を受けるような仕方で、当時の世界観に影響を与えるような事件、慣習、個々人をいつでも含んでいることです。それも、そのような影響がハッキリと意識したものであってもなくても、一般的に意図されたものであってもなくても、公式に認められたものであってもなくても、特別に強く主張されたものであってもなくても、その影響に違いはありません。問題は、心理歴史的なものです。私ができることと言えば、示唆することくらいです。問題には2つの側面があります。すなわち、価値が歴史的瞬間に本当に影響を与えるものはなんなのか? 関わった個人に影響を与えるその影響力の性質はどんな性質なのか?

 

 

 

 

 価値の影響力。歴史を作る力と、個々人に対する影響力。宗教改革をもたらした価値は、まさにこの価値の力でした。

 さて、今は?

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