エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

日常生活の中の礼拝

2015-06-29 08:43:54 | アイデンティティの根源

 

 能動的に受け身になるのは、自分の声に従うことでした。

 Find your own voice ! 自分の声を見つけなさい。

 Young Man Luther 『青年ルター』p209の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ルターにとって、聖書の話をする人、祈りの人にとって、聖書の御言葉が≪いまここ≫にあることを、どれだけ深く受け止めているのかを図ることは、「本気になる」くらい疑いの余地もないほど、その御言葉を全人格的に出来事にしているか次第でした。人がそれほど本気じゃない気持ちのことを言うのは、矛盾しているように思うかもしれません。でもね、儀式だとか、式典だとか、行事だとかは、一時の効果しかないのは明らかでしょ。その一時の効果は、その場限りで、後は、日曜礼拝の衣装と一緒で、タンスにしまっちゃうものですよね。

 

 

 

 

 聖書の御言葉を日曜礼拝で、ありがたく聴いてきても、礼拝用の立派な衣装をクローゼットにしまったら、ありがたい御言葉も、一緒にクローゼットに大事にしまっちゃう。そんなことも笑い話のようで、現実の場合が少なくない。すると、日常生活の月曜から土曜日は、御言葉とは関係のない暮らしになる、なんてことも、よくある話になりますね。

 エリクソンは、そこで、日常生活の中での礼拝、ということの大事さに思いを致し、実践するようになった、という訳です。面白いでしょ。

 

 

 

 

 

 

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遊びこそ、創造性の源

2015-06-29 06:20:55 | エリクソンの発達臨床心理

 

 遊びは、過去と未来を現在において繋げるだけではなくて、「何のために生きるのか?」という人生の指針、オリエンテーションを自分の物としようとする、非常に深いものなんですね。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p51の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ですからね、ライフサイクル・モデルがハッキリと示しているのは、遊びと仕事を、別にすることなどできない、ということです。赤ちゃんの遊びの中にだって、初めての真面目なお仕事が一つありますもんね。遊びの中にある大人の要素は、仕事で本当にまじめなことを、ジャマするどころか、増し加えますしね。でもね、大人は、陽気で楽しいことや用意周到であることに備わる力を、最も破壊的な目的のために使うんですね。遊びは、バカデッカイ規模の賭け事になっちゃう場合もありますし、自分のゲームをすることが、他の人たちのゲームを台無しにすることになることになっちゃうことだって、ありますしね。

 

 

 

 

 

 仕事も、遊びがないと、創造的ではありません。

 勉強も、遊びがないと、創造的ではありません。

 研究も、遊びがないと、創造的ではありません。

 遊びこそ、創造性の源です。

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マチャミのお仕事

2015-06-29 04:52:48 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
内なる父母
  子どもは、母親から信頼を、父親から規律を学べば、独立して生きていける。福音です。 p41の五行目から。 &nbs...
 

 

 マチャミ、こと、久本雅美さんが、対談番組「達人達」で、歌手のJUJUさんと対談するお話。昨年くらいから、JUJUさんの歌を聴くようになったので、どちらかというと、JUJUさんって、どんな人なんだろうかぁ?と知りたいし、もしかしたら、歌も聴けるかしらぁ?と思って、土曜日の夜、見たんですね。JUJUさんの歌声に、何となくいいものを感じていたからですね。久本雅美さんのことも、もちろん知っていたけれども、知っているというだけで、舞台をテレビでさえ、見たこともありません。JUJUさんのコンサートは行ったことはないけれども、WOWWOW等で、ジュジュ苑やBLUE NOTE TOKYOのコンサートは何度か見たことがあります。

 JUJUさんは、ニューヨークで、歌を歌っている時に、ソニーの人の眼に止まって、メジャーデビューすることになった、と番組で言ってました。でも、最初は売れなかったみたい。ジャズが好きで、ジャズの歌い方をしていたらしい。しかし、歌い方を変えて、日本語がハッキリ伝わるように、「奇跡を望むなら...」を歌ったそうです。それがロングヒットになっちゃった。めでたしめでたし。

 でも、それだけじゃぁないんですね。加藤周一さん張りでしょ。「それまでは、自分が歌が好きだから、自分のために歌ったいた」。「奇跡を望むなら...」を歌って、初めてリスナーからお便りを貰うようになって、お客さんに喜んでもらうことが、どれだけ嬉しいことかと感じたと言います。それで、「聴いて下さる方のために歌いつづけたい」と思うように変わったそうです。しかも、そうしたら、自分の喉が自然にできてた、とも言いますね。ジャズを歌う時と違う喉が出来てた、という訳です。実に不思議ですね。

 かたや、久本雅美さん。おバカに徹して、お笑いをやってる訳ですね。でも、久本さんは、「聞き役が好き」だと言いますね。「人の話を聴くのが好き」だとも言いますね。根っからのカウンセラーなのかもしれません。おバカは、アベシンちゃんのような本当のバカには務まらないみたい。そのむかし、小学校5年生の時に、藤山寛美さんの舞台を称して、担任の中島学山先生が、「バカはバカには出来ない」とおっしゃっていたのを思い出します。

 最後の方で、久本雅美さんがとっても大事な話をしてくれました。今日は、それが言いたくて、このブログを書いている訳ですね。それは、人見知りで、緊張しいのJUJUさんが、「どうやったら、人の懐に入っていけるんですか?」という質問に、応えるものでした。久本さんの応えは「誠実に」です。日頃おバカをやっている人が真面目に応えてくれてます。そして次のように言葉を継ぎます。「相手が好きか嫌いかに振り回されない自分になることが大事」。これって、”自分を確かにする”という、一般に「アイデンティティ」と呼ばれる、心理的課題について、ハッキリ言ってることになりますね。「自分に正直に、…また、相手を尊敬し誠実に接したことが次に繋がっていく」という訳ですね。下手な心理学の講義や、道徳の授業よりも、日常生活で役立ちますね。

 

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