エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ニッポンは、虐待蔓延家族 虐待蔓延社会

2016-10-07 06:56:07 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
存在の根っこ 3訂版
   単独之幸福 改訂版  今日の「こころの時代 宗教・人生」で、鈴木範久先生のインタヴューが放映されました。良かったですね。インタヴゥアーをしてたディ......
 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p160から。

 

 

 

 

 虐待された子ども達の治療をしてきて、私はたくさんのいろんな家族に出逢ってきました。どの家族も、虐待が蔓延した家族です。どの家族も、男とでも女とでもセックスする、了見がせまい、と言った有害な傾向が、世代を超えて受け継がれています。こういう家族では、性的虐待や身体的虐待、それに、ネグレクトが、他の家族だったら、家宝かクリスマスのレシピが伝わるみたいに、手渡しで伝わっています。当時この時点までは、児童福祉のケースワーカーが、間違ってたとか、やりすぎたとかいった、赤信号が1つも解かりませんでした。性的虐待を受けた身体の痕(肛門や性器に傷跡があった場合もあります)は見付かっていました。身体が罰を受けた後も、16人の身体にありましたしね。

 

 

 

 

 

 日本でも、虐待とネグレクトが世代を超えて受け継がれています。よく言われるのは、貧困家庭、教育程度が低い家庭です。このヴァーノンの家もそうですね。

 でもそれだけじゃあありません。

 日本で根本的な問題は、労働問題、低賃金・不安定雇用の問題です。簡単に言ったら、日本は、8時間労働をしたら、贅沢はできなくても、真面な人間らしい暮らしができる賃金が稼げる社会、ではない、ということです。低賃金で不安定雇用は、基本的人権の観点からして、あってはならないのに、それが労働人口の四割を超えているのは、狂気の沙汰です。ですから、大学は出てるし、相対的貧困でない家庭でも、相当数、ネグレクトが世代間伝達されているのが、今のニッポンです。

 

 

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人間にもあるインプリンティング(刷り込み)

2016-10-07 05:28:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
流れは止められない!
  ルターは、村八分になったおかげで、ザクセン選帝侯に助けられ、匿われて、ドイツ語訳聖書を完成させ、本物の信頼をハッキリと示すことができました。上手く出来てますね。闇の中に......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.135のブランク後の、第3パラグラフ、7行目途中から。

 

 

 

 

 

 

もちろん、自分を虐待し虐める親にくっついているのは、子どもの頃に限ったことではありません。 人質は犯人を庇いますし、犯人と結婚したい、犯人とセックスしたいと言います。家庭内暴力されてた人たちも、自分を打つ人を庇おうとしますね。判事達が私によく言ったことは、接近禁止命令を出して、家庭内暴力の被害者を守ろうとすると、その被害者達は、とても恥ずかしく感じるものだ、ということです。それから、被害者の多くが、加害者が戻ってくることを許すことが解かる、ということもですよ。

 

 

 

 

 インプリンティングって、鳥だけだと思うでしょ。でも、かなりの割合で、人間にもあるんです。その割合って、鳥は変えることができない割合100%ですけれども、人間の割合も、変えることができない割合100%、とまでは言えないにしろ、そういいたい感じもあるんですよ。

 それが、被害者が加害者を庇う心理ですね。歪んだ愛着関係も、インプリンティングです。

 

 

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インターメッツォ: アイデンティティの根源 : 自分が確かにされる感じが依って立つもの

2016-10-07 04:21:33 | 間奏曲

 

 

 
メメント・モリ 「死を意識しなさい」
   自分の死を展望する時間感覚が大事です。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p.80の5行目途中から。  ......
 

 

  今朝も、Chilhood and Socirty から。赤ちゃん好きのエリクソン。赤ちゃん好きの私。赤ちゃんのことが出てくるp.247. 先日訳したところの続きです。

 

 

 

 

 

 心の中と外で、言ってることとやっていることが同じだなぁ、必ずしてくれるなぁ、いつもそれはお母さんだぁ、と感じていれば、自分が確かにされる、という根源的な感じを手に入れることができます。この自分が確かにされる感じが依って立つのは、心の中で、記憶に残ってもいるし、これからも心待ちにできる、いろんな感覚やイメージが確かに存在している、ということと、その感覚やイメージが、馴染があり、期待通りになる物や、約束は必ず守ってくれる人たちと結びついている、ということなんですよ。

 

 

 

 

 アイデンティティ、すなわち、自分が確かにされる感じ、自分が手ごたえを感じながら生きている感じこそ、確かな感覚やイメージが、約束を必ず守ってくれる人と結びついていることから生まれるものなんですよ。

 

 

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インターメッツォ: お祈りは、心を込めて対話すること

2016-10-07 02:57:36 | 間奏曲

 

 

 
存在の根っこ 3訂版
   単独之幸福 改訂版  今日の「こころの時代 宗教・人生」で、鈴木範久先生のインタヴューが放映されました。良かったですね。インタヴゥアーをしてたディ......
 


 今朝も、ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction を味わいます。p.62から。

 

 

 

 

 

 ですからね、お祈りは、内省ではありません。お祈りは、内側を見るのではなくて、外側を見ることです。内省してたら、迷宮に絡め採られてしまいますよ。自分の考えを分析して、自分の思いを分析して、自分の心の動きを分析して、そしたら、身がすくむみたいに心配になり、自分だけしか見えなくなり、絶望するだけ…。お祈りは、外を向いて、尽きることのない対話へと招いてくれる方に、心を込めて向き合うことです

 

 

 

 

 

 ここは微妙な感じのところですね。introspectionを一応、「内省」と訳しましたけれども、私が考えている内省と、ナウェンさんがいうintrospectionとは、ちょっと違う感じです。なぜなら、私が内省と言う時も、ここでナウェンさんが言う、対話に導かれるからなんですね。

 ですから、introspectionは「内省」ではなくて、「クヨクヨ反省する」感じに近いのかもしれませんね。

 

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