エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)を本当に救うには、民主主義を徹底していかなくっちゃね

2016-10-03 07:54:40 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
「お休みは26日間だよ」、「お休みでやりたいことは、特にないね」
   声の不思議 声には不思議な力があります。声は、人を非難する場合もありますが、自分や他者の生きる場での哲学を替える力だってあります。その哲学は物語か......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p159から。

 

 

 

 

 

 州が私にして欲しいと言ってきた主なことは、児童保護局の決定を手助けして欲しい、というものでした。その決定によって、現在は、アメリカ式養父母のところにいる子ども達は、親の虐待があったとされ、調査の時に虐待事件を「覚えている」と言う子ども達が間違った告訴をしたため、親元から引き離されていたわけです。この決定を良いものにするために、まずしなくてはならないのが、ひとりびとりの子どもの生育歴を再確認することでした。幸い、古い記録が次から次と出てきて、録音テープやビデオテープも何時間分も出てきました。それは、子どもたちの何人かと、「悪魔教団のメンバー」だとされた親の記録でした。私どもの治療チームは、時系列で詳細に記した記録を協働で作り始めました。この時系列の記録が、すぐに何百ページになりました。

 

 

 

 

 

 お役所仕事の後始末をするとなったら、これくらい徹底的に、時系列で調べ上げて、記録を作り直さなくてはなりません

 アメリカの行政が親切なのは、当たり前ですが、情報が公開されることです。

 日本で私も同じことをしようとしたら、情報は出さない、平気でウソをつく、上司は、子どもよりも、部下を庇う…と言う民主主義とは名ばかりの対応ですから、日本では別のやり方をする必要があります。

 

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頭と身体がバラバラ : 性的虐待は、桁外れに多い!

2016-10-03 06:45:30 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
心はいつも光に向かって
   圧倒的な、天にも昇るような悦び。ヌミノース。それを携えるようなお母さんであってほしいですね。 The life cycle completed 『人生の巡り合......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.134の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 絵の頭が、光を通さない霧によって、身体から引き離されているのを見て、解離(転換)の経験がどんなものか、眼が開かれた思いがしましたね。これは、近親相姦された場合によくあることなんですね。マリリン自身も後から分かったことですが、大人になっても、セックスをしている時には、天井近くをフワフワと浮いている感じがしたのです。マリリンがセックスに積極的だった時期には、その相手は、「ベッドでは、君は変だょ」と時々言われていました。マリリンは自分を見失ったり、別人みたいに話したりしたんです。マリリンは何があったのか覚えていないの普通でしたが、時には、怒ったり、人に食って掛かったりすることもありました。マリリンは自分が性的にどういう感じかは分かりませんでしたから、デートを次第にしなくなりました。そして、マイケルに出逢ったのでした。

 

 

 

 

 

 男の子でも、女の子でも、解離(転換)のケースは本当に多いです。ボッとしている子、手遊びを止めない子、小学校低学年までの記憶がほとんどない子、病院に行った記憶がない子…。 その内の何人かは、性的虐待を受けているはずです。

 性的虐待の統計は、日本にはないと思いますけれども、サイコセラピーをしていると、それは、世間一般に信じられているよりも、性的虐待も、桁外れに多いケースだという感じがしています。

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インターメッツォ: お祈り=セラピー+マインドフルネス?

2016-10-03 06:37:51 | 間奏曲

 

 

 

 
単独者の言葉 時空を超越する
   ルターの声には、現世を≪超越≫する働くがありました。 Young Man Luther 『青年ルター』p.230は第4パラグラフから。    ......
 

もひとつ、ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction p.63から。

 

 

 

 

 

 祈りは、何よりも、主に耳をすませること、待つことです。私どもは神様に耳を澄ませる時、心を開きますし、心から謙遜ですし、心静かにします。いろいろ考えずに心のままになって、神様の前で佇むんです。

 

 

 

 

 ナウェンさんの話を伺えば、お祈りは、極めてセラピーに近いことが解かりますね。こちらがとやかく言うのではなくて、一心に心の耳を澄ませている態度が、お祈りなんですからね。プラス、後段はやはり、マインドフルネスそのものですね。頭でいろいろ考えるんじゃなくて、自分の感じに従っていくわけでしょ。

 すると、神様の声に従うお祈りと、クライアントの深い願いを聴き取って、その実現に協力することや心静かにしていることとは、同じだと感じますね。

 

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インターメッツォ: 信頼のバロメーター : エリクソンが、「確信」よりも、「信頼」が好きな訳

2016-10-03 04:22:49 | 間奏曲

 
「お休みは26日間だよ」、「お休みでやりたいことは、特にないね」
   声の不思議 声には不思議な力があります。声は、人を非難する場合もありますが、自分や他者の生きる場での哲学を替える力だってあります。その哲学は物語か......
 

 

 美しいもの、奇麗なもの、清々しいもの、清らかなもの、尊いもの、畏れ多いもの…。そういうものとの関わりを大事にしたいですね。

 今朝は、Chilhood and Socirty から。

 

 

 

 

 私が「信頼」という言葉が、(「確信」と言う言葉よりも)好きなのは、「信頼」は、より単純で、よりやりとりがあるからです。「赤ちゃんは信頼している」ということは言えても、「赤ちゃんには確信がある」と言ったら言い過ぎでしょ。さらには、信頼という普通の状況は、外から恵みをもたらしてくれる人が、何時も変わらす、恵みをもたらしてくれることに対して頼るようになることを示すばかりではなくて、自分自身を信頼することや、何かに駆り立てるようないろんな気持ちに自分で対処できることを信頼することも、意味しますね。すなわち、赤ちゃんは、お母さんが、乳首をかじられない限り、身構える必要がない、と感じる位、赤ちゃんが自分を値打ち者と考えることができます。

 

 

 

 

 こうすると、本物の自信は、赤ちゃんの時の信頼の一部だということが解かります。あるいは、本物の自信は、自分が大事にされたことや人を大事にすることに結びついていることも分かりますでしょ。

 よくあるパターンですが、自信過剰の人に限って、人を見下したり、人を嘲笑ったりすることがありますね。じつは、そのたぐいの人は、自信家ではなくて、自己嫌悪に気付かないオメデタイ人で、本当の自分には自信が持てないために、「様々なお化粧品」や「様々な武装具」で何重にも厚化粧、重武装している自分が、自分だと勘違いしているんですね。そのことにも、ご当人は、全然気づいていないんですよ。何故なら、本当の自分に自信がないので、厚化粧や重武装をするわけですからね。

 本当に人の役に立つことができるかいなか? それが、本人の信頼の豊かさのバロメーターです。

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