発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p165、第2ラグラフから。
ですから、この子ども達が、その子ども達が負わされたトラウマに「折り合いを付け」、養父母たちと絆を作るためには、ラぺス一家もバーバラ・バースも「抱っこ」療法を始めました。もう1つ、致命的な思い込みが物を言ったのは、まさにここでしたし、今も精神医学の世界では蔓延している思い込みです。私はそれを「精神病の膿」理論と呼んでいます。これは、切開しなくてはならないオデキみたいに、ある種の記憶が毒になり、トラウマから回復するためには、毒になっている記憶を掘り起こして、話し合わなくてはならない、という考えです。セラピーでは、患者さんひとりびとりの生まれ育ちの中にある「ロゼッタ・ストーン」を探すのに、何時間も時間を賭ける場合が多い。それは、自分の人生に合点がいって、当座の問題がすぐに解決する記憶を1つ見つけようと(訳注:誤解)しているんです。
これは、暴露療法にも通じる間違いですね。私の経験からすれば、直接的に虐待やネグレクトの経験を言葉にせずとも、象徴的に その経験の核になっている「一人ぼっち」に肯定的な意味があることをハッキリと示す物語ができると、ビックリするほど人格が変わりますね。