エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

貧困対策は、子育て支援と言う視点が大事

2016-10-06 08:40:28 | 間奏曲

 

 

 
闇の中に光がある ?
   ルターは偉大な改革者にして、偉大な反動者でした。 Young Man Luther 『青年ルター』p.231の第3パラグラフから。    ......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p159の第3パラグラフから。裁判までお役所仕事は、アメリカも一緒でした。

 

 

 

 

 

 執行猶予の間、ワード・ヴァーノンは、ヘレン・カー・ヒルという女性と一緒に暮らし始めました。この女性は、自分の5人の子どもの子連れでした。児童保護局がこの不倫が分かった時、児童保護局は、子ども達もヘレンも移動させました。ヘレンは結局、ワードと結婚したのですが、彼女の親権を剥奪しました。ベット・ヴァーノンの通報で始まった子ども虐待に関する取り調べの間、子ども達も、祖父母も伯父さんたち(ワードの兄弟のボビー・ヴァーノン)も、性的虐待で告訴しましたから、ワードの5人の子ども達も、養子に出されました。後になって、家族の友達の2人の子どもも、アメリカ式養父母のところに加わりました。そのアメリカ式養父母のところに、他の子ども達が先に預けられていたのでした。

 

 

 

 

 

 貧困と教育の低さが、虐待に結びつきやすいのは、アメリカでも、日本でも同じです。このワード一家の虐待も、まさにそのケース。しかも、貧乏の子だくさんを地で行くケースでもありますよね。

 貧困対策は、何にもまして、子育て支援だ、という視点が大事ですね。

 

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親子関係の結びつきが深い、という残忍な悲劇

2016-10-06 06:57:03 | 間奏曲

 

 

 
新しい時間感覚
    ケアは単に世話することではありません。やり取りの中でする世話は、本気になれば、心からの誠実さで、心から真実に、相手と向かい合う関わりになるからですね。エリクソン......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.135のブランク後の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 子どもは、また、親達に根っから忠実に従うように出来ています。たとえ、その親によって虐待されるような場合でさえ、子どもは忠実に従うようになっています。恐怖が愛着のニーズを増やします。たとえ、安心の源が恐怖の源であっても、そうです。家でひどい扱いを受けてきた子ども(骨折させられたり、火を押し付けられたりしたのを、見せてくれます)で、別の選択肢を示されても、養父母のところに行くことを選んで、自分の家族のところに留まることを選ばなかった子どもに、私は1人もお目にかかったことがありません。

 

 

 

 

 

 子どもがいかに健気か分かりますね。ひどい扱いを家で受けても、そこから出ようとする、10歳以前の子どもは、1人もいないんですからね。

 親子関係の結びつきの深さは、時として残酷です。

 ニッポンでは、いま、親子関係の結びつきの深さが残酷なケースがあまりにも多すぎます

 ですから、10歳のなって、自我が芽生えた後に、親以外の大人が、親との別の選択肢、親とは違う人生の在り方をハッキリと示すことが、とても大事になります。

 

 

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インターメッツォ: 1人の恵み

2016-10-06 02:57:24 | 間奏曲

 

 

 
闇の中に光がある ?
   ルターは偉大な改革者にして、偉大な反動者でした。 Young Man Luther 『青年ルター』p.231の第3パラグラフから。    ......
 

 

 今朝も、またひとつ、ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction p.125から。

 

 

 


 1人の静かさの中で、神様が自分をどれだけ大事にしてくれているのか、に気付かされたら、やり取りする相手の人たちからも大事にされていることが解かりますし、神様のことを伝える良さも分かります。自分が大事にされていることに気付かされれば、気付かされるほどに、家族の兄弟姉妹も深く大事にされているのかも、それだけ解かるところが、神様の慈しみの不思議なところです。

 

 

 

 

 

 ですから、1人の時間が毎日必要ですね。

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 赤ちゃんが人生の主人公になる時

2016-10-06 01:55:07 | 間奏曲

 

 

 

 
新しい時間感覚
    ケアは単に世話することではありません。やり取りの中でする世話は、本気になれば、心からの誠実さで、心から真実に、相手と向かい合う関わりになるからですね。エリクソン......
 


 先日、禅を日常生活に生かす番組「趣味どきっ! お寺の知恵拝見」を見ていましたら、「主人公」と言うのは禅語で、「本当の自分」のことだ、ということが解かりました。

 赤ちゃんはどうしたら、自分の人生の主人公になれるんでしょうか? 「本当の自分」を生きる為には、赤ちゃんにどうな手助けを周りの大人がすれば善いんでしょうか?

 エリクソンがそのことについて語っているところです。

 Chilhood and Socirty p.216の引用の後から、p.217の冒頭まで。

 

 

 

 

 

 フロイトが(一歳半の赤ちゃんの)遊びに見たものを理解するためには、フロイトが「繰り返す強迫」という不思議な現象、すなわち、言葉や行動で陽気で楽しいことを繰返す必要について、フロイトが当時関心を示していることを書いとかなくっちゃいけません。私どもはみんな、陽気で楽しいこと(失礼なこと、ケンカ、作業)のことを何度も話すことってありますでしょ。しかも、それは忘れたいことだったりして。トラウマを抱えた人が、眠りに癒しを見つけるどころか、もともとトラウマを負わされたことを繰り返し体験するような夢にうなされる、ということも知っています。繰り返し同じミスをする人がいるのも、偶然とは思いません。あるいは、今別れたばかりの相手の同じような、ありえない相手とまたバカな結婚を「偶然」する人もいますよね。また、同じよう災難をあげたら、枚挙に暇がありませんよ。そのひとりびとりは、自分がまだ、克服できていなかったテーマや、折り合いを付けて来なかったテーマを、無意識裡に様々な形で手配しているんですね。それは、そのひとりびとりが、もともとはあまりにも手に余ることだった、その状況の主人公になるために、繰り返し同じ状況に出逢い、受け容れることによって、そのトラウマを負わされた状況の主人公になるためなんですね。

 

 

 

 

 

 このフロイトの気付きは、無意識には、猛烈な力があること、変えることのできない慣性があること、に対するものだった、言えますね。それと同時に、日常生活の中で、人生の中で、この繰り返しをやったら、あまりにも苦しいのですけれども、出来れば、子どものうちに、出来れば、遊びの中で、出来れば、セラピーの中で、これをやってくれれば、本人のためにどれほどいいか、も、フロイトは、エリクソンは、示してくれている、と、私は考えますね。

 

 

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