秋田書店の、ミセス向け漫画雑誌 フォアミセス8月号に
「なまけ病と言われて」と題した
脳脊髄液減少症の女の子の漫画が掲載されています。
ぜひお読みください。
なお、この作品への感想と
三谷先生へのお便りを募集しているようです。
宛先は 〒102-8108
東京都千代田区飯田橋2-10-8
秋田書店 フォアミセス 編集部気付 三谷 美佐子先生へ
どしどし感想をお寄せください。
詳しくは本誌537ページをお読みください。
表紙はこれ。
ブルーに花火の表紙が目印です。
書店で探してみてね。
私の感想は、ここに書きますが、
読んでみた感想は、
こどもの患者の脳脊髄液減少症の特徴と苦しみが、わかりやすく描けていると思い、
書いてくださった漫画家さんと取材に応じてくださった患者と家族の皆さまがた、
「ありがとう。」と
心から御礼を言いたい気持ちです。
漫画に出てくる先生のモデルは、
熱海の先生ですね。
似ているから
すぐわかりました。
出てくるエピソードは、
確かに
実際の患者さんやお母さんからの実体験に基づいていますね。
ふだん漫画は読まない私ですが、
こんな風にミセス向けの「家族、子供、介護、身近な病」などをテーマにした
漫画雑誌があるとは・・・・しりませんでした。
脳脊髄液減少症の症状の漫画、
「なまけものと言われて」の作品のほかに
「子宮はなんでも知っている 産婦人科ナース日記」には
「みなさんは不定愁訴という言葉をご存じですか?」と問いかけたり、
漢方の説明が出てきたり。
「パーキンな日々」では
パーキンソン病について取り上げているし、
こんな漫画が普通に毎月の漫画雑誌で取り上げられる時代になったとは、
長らく漫画から遠ざかっていた私は知りませんでした。
いい勉強させていただきました。
さまざまな方法で病気の認知度を上げていくことは大切で
その一つに、
こうした、「まんが」という手もあったのですね。
少なくともフォアミセスの読者には
脳脊髄液減少症という病の存在とその概要は伝わるでしょう。
そういえば、
うつ病、高次脳機能障害などの漫画がたくさん出版されているものね。
これから、もっともっと理解されにくい病や、
女性の身近な病や悩みについて、漫画化されていくといいなと思いました。
ただ、今回の、脳脊髄液減少症の漫画は、
こどもの例に限ったものであり、
大人患者のそれとはかけ離れた面もあるのは当然ですが、
大人患者の悲惨さ過酷さはあんな簡単なもんじゃないよ、と感じました。
大人患者には、責任ある大人という立場ゆえに、
またこどもとは違った苦しみがこれでもかと押し寄せてくるので。
それに、このマンガのように、起立性頭痛があるとは限らないのです。
私もかつて頭痛はあったが、起立性ではなく寝ていても痛んだ、
そのうちその頭痛はなくなって症状は他のものがどんどん出てきたし・・・。
むしろ、頭痛以外のその他の症状が起立性で、立っていると症状が悪化し寝ると楽になりました。
高次脳機能障害についても、まわりが歪んで見えるだけではなく、
記憶障害や遂行機能障害など、
もっともっとさまざまな症状が出ることも、描いてほしかった。
髄液漏れの症状を漫画で表現するだけでもすごいのに、
これ以上のさまざまな症状を表現しようとしたら、
とても60ページではおさまらないのはわかるけど。
なんとか続編で書いていただきたいです。
病人が高次脳機能障害や症状を抱えて漫画や文章を書くのは至難の業ですから、
健康で元気な漫画家さんや作者さんが、漫画化や文章化してほしいけど、
健常者だから、その作者さんにわかってもらうのが、患者が伝えるのが
また難しいんですよね。
子供の例だけのまんがでは、何もしらない一般人には、
大人が脳脊髄液減少症になったら、家庭や職場や、仕事や、子供たちや親せきづきあいはどうなるか?という想像力は全く働かず、
今回のまんがだけでは、起立性頭痛がなくても髄液漏れている患者がいることが伝わらないし、
十分に脳脊髄液減少症の全体像が伝わらないという感想も持ちました。
また、発病からまもなく診断治療に至れた人と、
もっともっと昔から、見逃されてきた患者の苦しみとは精神的にも肉体的にも、
その受けた心の傷の深さも、
人生で失ったものの大きさも比べものにならないくらい差があるし、
実際、いままでテレビで報道された患者さんたちを私が見ても、
感想は
「取材に応じてくれてありがとう。」の他は
「あなたは恵まれすぎている。昔の交通事故被害者の髄液漏れ患者の苦しみは
あんなもんじゃなかったんだよ。」という気持ちしかわきませんでした。
私の体験してきた髄液漏れの理解されない精神的苦しみとは、かけ離れていたからです。、
私が体験した脳脊髄液減少症はあんなもんじゃないと思いました。
それに、
長く見逃されればそれだけ、治るのも簡単じゃない。
まして、子供患者の治癒率は高いが、大人はそうはいかないし。
治療後だって、親が世話やいてくれる子供患者みたいに、安静になんかしていられないし。
なかなか治らなければ、それだけ治療には費用もかかる。
精神的、肉体的、経済的苦しみは、何倍もになるんです。
子供の患者と違って守ってくれる母親もいない大人の患者は、
「(症状には)必ず原因があるはず、必ず(症状の原因)を探して見せる!」なんて
本人に代わって動いてくれる母親や家族がいるとは限らない。
大人ゆえ、支えてくれる家族がいなければ、
収入を得るために働かねばならないし、
仕事もあるし、時間的にも体力的にも、自分で症状の原因を突き止めることさえ、難しい状態にもなる。
治療費だって大人は自分で工面しなければならない人もいるはず。
その上、大人だから、生活のために家族のために働かなければならなかったり、
大人だからこそ、学校のように休んでいれば、会社はクビになるし、職場の居場所もなくなる、
その上、育児や家事が重なれば、
大人の患者の方が精神的にも肉体的にも追いつめられやすく、
自殺に追い込まれやすいと思うんです。
そうやって実際に脳脊髄液減少症によって、死んでしまった大人たちはもう何も言わないし訴えない。
死人に口なし。
だから、
私たち生き残りが声を上げねばと思うのです。
非難されても、何言われても。
まあ、子供の患者で周りの大人が一切助けてくれない場合は、
大人の患者よりはさらに悲惨になるのはわかりますけど。
そういうこどもが大人になって、自分で正しい診断と治療にたどりついて治った時、
ぜひその体験を語ってほしいです。
続編として、大人の脳脊髄液減少症患者の例、
父親、母親の患者の例、
ひとり親家庭の親の患者の例l、
一人暮らしの人の患者の例、
高齢者が脳脊髄液減少症になっているのに「認知症」「精神疾患」と誤診され、
見逃された例など、
次々といろんな例をうまく漫画にしていただきたいと思いました。
そうやって、
いろんな方法、いろんな患者の例を、世間に少しずつ少しずつ訴えていくことで、
いつの日か、
脳脊髄液減少症の全体像が、
世間一般にも、医療界にも広まってくれるといいなと思いました。
今気づいたんですが、
秋田書店って、
以前、「光とともに」で戸部けいこさんが
見えない障害である「自閉症」をテーマにした漫画を出した出版社だったんですね。
自閉症を抱える母親たちが、あの漫画でどれだけ応援してもらったことか・・・。
これに関しての過去記事はこちら。