脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

NHK 「あの人に会いたい」長谷川和夫を見て 4

2023年11月12日 | 2022年9月からのつぶやき
昨日、2023年11月11日 土曜日早朝NHKで
放送された「あの人に会いたい 長谷川和夫」を見て、朝から涙が出た。

長谷川和夫さんの言葉の中で
「血圧を測るように、痴呆の初期診断をできるようになれば、こうした試みは非常に有用であると思います。」

との言葉を聞いて、
脳脊髄液減少症でも本当にそうだと思いました。
血圧を測るように、脳脊髄液減少症の初期診断ができるようになれば、
脳脊髄液漏れていて、脳脊髄液減少症になってさまざまな症状が出ているのを、
見逃され続けて、
症状や医師や周囲の無理解に長く苦しむ人を出さなくてすむのに、と思いました。

けれども、現在の脳脊髄液漏出症の診断は、
詳しい問診より、画像検査や、検査的治療での反応を診る事だけに偏っている気がします。

それだと、画像には現れにくい、さまざまな認知症みたいな高次脳機能障害の存在の早期発見は難しいと思います。

認知症や高次脳機能障害と同じように、
画像検査だけでなく、詳しい脳の機能検査、記憶力検査や、日常生活の何に困っているか?といったくわしい問診こそ、
脳脊髄液減少症の早期発見につながるのに、

現在の状況では、脳脊髄液漏出症の検査は、画像検査と治療的検査だけにとどまり、
詳しい問診が軽んじられていると感じます。

この現状の問題点に気づくには、
長谷川さんのような、
認知症や高次脳機能障害の精神科の専門医が、脳脊髄液漏出症学会に所属して、
脳外科医と共に、
脳脊髄液漏出症、脳脊髄液減少症の研究に加わっていただかなければ、無理だと思います。

番組によると、
長谷川さんは、
患者の尊厳を守るため、平成16年には厚生労働省の検討会の委員として、病名を痴呆から認知症に変更する事に尽力されたそうです。

さらに、患者本人の視点にたって行うケアの普及にも努められたそうです。

脳脊髄液漏出症の場合、
まあ、病名は別に患者の尊厳が損なわれるとは感じないからそれでいいとしても、

脳脊髄液漏出症患者の視点にたったケアができているか?といったら
全く出来ていないと感じます。

むしろ、その医師その医師の考えで、その医師の立場にたったケアのあり方で、
とても患者自身の立場に立ったケアはできていないと強く感じます。

症状はどんなものか?

日常生活に支障のある症状から、
日常生活にはなんとか差し障りはないけれど、人生の質が下がると感じる症状や、
気になるささいな症状まで全部教えてくださいとか、聞く、脳脊髄液減少症専門医が何人いるというのか?

ほとんどいないたろう。

それに、検査治療後の患者に対しても、
患者からアンケート調査して、
実際の診療にフィードバックさせて生かしているのか?

ほとんどされていないだろう。

たとえば、
ブラッドパッチ後は点滴連日した方が楽か楽じゃないか?とか、
ブラッドパッチの前の不安や恐怖はあるか?
ある人はどんな不安や恐怖か?

それを解消するにはどんな対策や配慮が必要か?

治療後、退院までの期間は充分か?

充分ではないと感じる患者はそれはなぜか?

入院中に与えられる水分は充分か?
充分ではないと感じる患者には、それはどんな時か?

入院中の不安や不満はあったか?
あるならそれは何か?

退院後の不安はあるか?

あるとしたらどんな事か?

患者から聞き取り調査している医師も病院もほぼないだろう。

脳脊髄液漏出症の治療現場では、
少ない医師に患者が殺到して、
ゆとりある診療ができず、
必要最低限の治療に終始し、

患者の視点に立った、患者一人一人に寄り添った丁寧なケアのあり方などされていないのが現実だと思います。

これをなんとかしなければ、
脳脊髄液漏出症患者の未来はないと思います。

この問題解決のためには、
全国の数多くの医師が、自分ごととして、
自分の専門分野と無関係ではなく、むしろ深い関係がある疾患として、
脳脊髄液漏出症をとらえない限り、
認知症のように社会の理解や支援を得る事は難しいでしょう。

今のまま、ほとんど脳外科医師だけが、しかも一部の脳外科医だけが、
脳脊髄液漏出症にかかわっていて、
全国のほとんどの精神科医が脳脊髄液漏出症に興味関心もないようでは、
まるで認知症のような、
物忘れや、短期記憶障害から、
脳脊髄液漏出症を早期発見する事も難しいでしょう。

今のままでは、
医学が、脳脊髄液漏出症患者の視点に立ったよりよいケアを考えるという事にも、ならないでしょう。

まずは、多くの医師に、自分の分野の患者として、自分事として、
正面から脳脊髄液漏出症患者と向き合ってもらう事がスタート。

逃げないで、無視しないで、医師としての自分事として、医師が考える事がスタートだと思います。

あと、病名ですが、
痴呆のように、
脳脊髄液漏出症は、患者の尊厳が奪われる感じはないものの、
漢字6文字は長くて、まるで「稀な人にしか起こらない難病」みたいな印象を与えてしまっていると感じます。
とても、自分事とはとらえにくい病名です。

私は検査の結果髄液漏れてたからそれでいいとしても、
髄液漏れてなくても、たとえばウイルス感染などの後遺症で脳がダメージを受け、髄液の生産や吸収のバランスが崩れて脳脊髄液が漏れてないのに減ってしまい、症状があるケースも存在すると思います。
その点から考えると、
症状の原因は、脳脊髄液が正常時に比べて減ってしまう事であり、
その原因が
脳脊髄液漏れであろうが脱水だろうが、
髄液の生産と吸収のアンバランスだろうが、
あてはまると思うので、
私は、脳脊髄液減少症の方が
、病態をうまく表していると感じます。

「認知症」と聞いた医師は、
どの診療科の医師であったとしても、
自分とは全く無関係で専門医に任せておけばいいと思う医師は少ないでしょう。
眼科医であれ、耳鼻科医であれ、
自分にも、この患者との関わりの中で配慮すべき点はある、とぐらいは考えるでしょう。
脳脊髄液漏出症、脳脊髄液減少症は
さまざまな診療科の症状が実際に出るのですから、
すべての診療科の医師が無関係ではなく、むしろ、早期発見のためには必要不可欠な存在であると言うことに、
早く多くの医師が気づいてほしいです。





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