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人生黄昏時

 老いを心身ともに感じ

  日々の生活で思った事を記す
  

沖縄の宗教【23】

2015年09月25日 00時02分19秒 | 日記

 祖先崇拝 <2>

折口信夫(琉球の宗教)によれば

沖縄では自分の祖先は死後七代目には必ず

神になると信じられて「中山世監」ではこれを

「七世生神」と書いていると紹介している


さらに「琉球の宗教」によれば

沖縄では人が死ぬと屍体を洞窟の中に入れて

その口を閉じる風習があったが


七代経つと屍体を入れていた

洞窟を「神墓(くりばか)」と称する神墓は拝所となり


時代を経るに従って他の人々も拝するようになると

沖縄では祖霊が神になることを紹介している


死生観として

魂は神のいる異界ニライカナイより来て


死んでまたそこへ帰り

守護神となって集落へ還ってくると考える


このため祖霊を非常に敬い

死後の世界を後生(グソー)と称して

これも現世や生者近いものと考えている


また、仏教の影響を受けて旧暦8月には祖霊が集落

家族のもとえ帰ってくると云う


そしてお盆の祭事を行う

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沖縄の宗教【22】

2015年09月20日 00時02分14秒 | 日記

 祖先崇拝 <1>

沖縄は祖先の祖霊を崇拝する土地としてよく知られている

氏祖は村落、地域の守護神とされている


桜井徳太郎は沖縄独特の他界観念として

後生(グソー)観をあげ

その一例として久高島の後生観を取り上げている


久高島では墓地の入口を新後生(ミーグソー)と称して

そこを生界と死界との境界だとして

7年後の洗骨が終わると死者は真の

後生へ行って神に成ると考えていた


新後生では

死者は生前と同じ生活をすると考えているため

新後生の墓廓は現世の家屋と同じ形態を備えている


鳥越憲三郎は沖縄人の墓造りは

死後も出来るだけ居心地の良い

住家でありたいとの思いから


多額の私財を惜しげなく投じて

豪壮で大規模な墓を造っているとのべている

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沖縄の宗教【21】

2015年09月15日 00時02分10秒 | 日記

 ユタ <5>

ユタの能力はオカルティックであり

その実在を裏付ける科学的根拠がないため


ユタ騙って金儲けをする者が

後を絶たず....ユタにまつわる事件が現在も起こっている


また一方で、在野のシャーマンであるユタは

日常的に人々と神を親しくする存在であり


中央集権や体制強化、近代化を進めたい支配階層は

ユタの存在を脅威や障害と捉えることが多かった


そのため、時の権力層から後進的な存在であり

世間を惑わすとして幾度も弾圧、摘発を受けている

 

  主なものは以下

* 琉球王国行政官の祭温(17世紀前半)によるユタ禁止令

* 明治期の自治体レベルのユタ禁止令

* 大正期のユタ征伐運動

* 昭和10年代の戦時体制下のユタ弾圧


これらの時代ユタは違法的存在として

警察力に拘束拘留されるなどしている


これらの受難の時代を経て現在もなお存続していて

ユタは5千人以上存在していると言われている

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沖縄の宗教【20】

2015年09月10日 00時02分22秒 | 日記

 ユタ <4>

ユタは入巫や成巫の過程で創出した特殊な神を奉じ

それが生涯にわたる守護神として信仰の対象となる


ユタはこの神霊の世界の一分野に即応する

巫儀の執者となる言い換えればユタごとに


それぞれ管掌する専門領域が制限され先祖の

系統を捜すのが得意なユタ

死んで間もない人の判断が得意なユタなど

その専門分野が分れている


ユタは自らに憑依する霊的存在が

祖霊・死霊・精霊のいずれであるかわ重視しないと言う


超自然観を持つが神観念の曖昧性がその

影響度を低下させないようである


ユタ信仰には戒律も教義もないため

婚姻の有無や処女性なども問わない


ユタは公的祭儀は行わないが神に仕えており

御嶽を巡って神と交信し霊障や病氣


冠婚葬祭などの問題を中心に助言を行い

加えて公徳心や道徳を説くことが多い


教義、戒律の希薄さから無宗教化が進んでいる


一例として、一般にユタの祭壇には

仏教や神道、キリスト教などの

偶像や牌などが無秩序に並べられている


また、ユタは必ずしも正業ではなく

副業として行っている者も多い

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沖縄の宗教【19】

2015年09月05日 00時03分03秒 | 日記

 ユタ <3>

ユタになる運命は生まれたときから定まっていると

信じている沖縄の人々は少なくないと


桜井徳太郎は述べているが

彼が面接したユタもまた例外なく

ユタになるのは宿命であったと答えている

宿命であると考える理由を問うと

サーダカンマリであると言う


「性高い生まれ」と訳される資質は

神霊・死霊・精霊の霊界と交渉を持ち

巫女として超自然的超越者の意志を聞くことができる

聖職者となるために備え持つ基本的資質であり

不可欠な要件である


サーダカンマリの素質は神に選ばれた者ののみに

与えられるとユタは信じているが


選ばれているユタは最初から思っているわけではなく

巫事(ユタグトゥ)を積み重ねるうち次第に形成されている


沖縄では幻覚症状を伴った無意識行動を取ることを

ターリィと言い、その内容が神事

つまり神々に関係がある場合にカミダーリィと言う


しかし夢遊病者的行動に出るのは

神の導きによって生起すると見られるので

ターリィ全般をカミダーリィと言うことが多い


このカミダーリィは

精神病者である狂人(フリムン)

物狂い(フリトゥーン)

狂暴(フラーグァ)とは区別される

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沖縄の宗教【18】

2015年09月01日 00時02分57秒 | 日記

 ユタ <2>

ユタの語源を「ユンタク(おしゃべり)」

あるいは神がかりの時体が「ユタめく(揺れる)」

ことから名付けられたといわれている


ユタ言う、ユタ業はどのように成立したか諸説あるが

断定されていないと言われている


伊波普猷は、信託を宣伝すべき神人の中に

その様な力を持たない名ばかりの者がおり


これらにかわって信託の宣伝する者が民間に出て

とうとう職業とするようになったのが


トキまたはユタと称する者であると述べ

ユタが神人から分化したのだと考えを示した


また、ユタと言う語とユンタ(しゃべる)と

言う語の間には内容上の関係があるかもしれないと述べている


桜井徳太郎は、共同体のシャーマンであった

ノロ(祝女)や根神が中央集権的琉球王府の

官僚的祭司体制に編入される際に

公共祭祀以外の宗教的機能を担った

呪術的宗教者が現れたとし

そうしたアウトローの呪術的宗教者は


地域社会の民間信仰といっそう密着しながら

在地性を発揮して民衆の要望に応えることになった


そして終に官僚化した司祭者祝女と

袂を分かったのだと述べている

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