野原のパーントゥは
島尻のパーントゥ・プナハとは、かなり形式が違う
開催時期も異なり、旧暦の十二月最後の丑の日に行われ
呼び名も「サティパロウ」と呼ばれ
サティ=(里)・パロウ=払の意味である
また、祭の参加者も男の子と女性(主に主婦)だけで
成人男性と女の子は参加しない
来訪神、パーントゥになる少年一人が仮面を着け
二人がホラ貝を吹き、一人が少太鼓を打って行列の先導をする
その後に女性二十人余りで、クロッグとヤンニングで編んだ
草冠をかぶり、腰にはキャーンと呼ばれる蔓科の仙人草と
クロッグを巻き、両手には邪気を払う
ヤブニッケイの枝葉を持って後に続いて行く
スマ(集落)の東側にある、ウフウタキ(大御嶽)で
ツカサ(司)が、サティパロウを執り行う事を報告し
その広場で円陣を組み左回り
五周回りウルウルウルと唱えながら
持っている杖を振りながら中心に向かって歩み寄って
パーントゥを取り囲む、また四辻で同様に行う
再びパーントゥを先頭に、隊列を組み
ホーイ ホーイと唱えながら、ヤブニッケイ小枝を振りながら
スマ内を払いながら歩いて行く
特に新築家屋の周囲を巡って祓い清める儀式を行い
ホーイ ホーイと唱えながらスマの西側にある
ムスルンミと呼ばれる場所に行き
そこでパーントゥは仮面を取り、女性達も手に持っていた
ヤブニッケイの枝を置き、頭の草冠も取、腰の草帯を解いて
サティパロウは終了する