年末年始の連休を利用して福建省の世界遺産、福建土楼に行ってきました。
福建土楼群へは厦門から多くの日帰りツアーが出ています。
レンタカーを借りて行くことも考えたのですが、土楼は点在している上、土地勘もないので止めました。
Ctripで検索すると200元~300元ぐらいの価格帯でたくさん出てきます。
逆にありすぎてどれを選んでよいのか迷います。
言わずもがなですが、大型バスで行くような人数が多いツアーは安く、少人数になるほど高くなります。
厦門島から、漳州市南靖県まで高速道路を使って2時間半ほどでしょうか。
バスツアーの中には、高速道路利用を強調しているものも多いです。
(高速道路が整備されていなかった頃はかなりの時間を要したのだと思います)
最初に向かったのは、世界遺産にも登録されている和貴楼。
土楼の形状は、円形、楕円、正方形、長方形など、様々です。
和貴楼は5階建てで高さは21.5m、長方形の中で最も高さのある土楼です。
もともと沼地だった場所に建てられたため、多くの杭を使って建物を支えています。
和貴楼を建てたのは、客家と呼ばれる、黄河中流域や華北から戦乱を逃れて移住してきた人々です。
多くは広東省、福建省、江西省などの山間部や台湾、東南アジアで暮らしており、
華僑と呼ばれる人々の中にも多くの客家人がいます。
建築されたのは清代の1732年で、現在もここで人が暮らしています。
各階ごとに28の部屋があり、合計で140室あるそうです。
中庭には祠や共用の井戸があり、中には学校が設けられていた土楼もあります。
客家人は漢民族ですが独自の言葉や文化を持ち、ひとつの土楼に住む全ての人が同一姓の一族という所もあります。
確か、和貴楼もそのひとつだったかと思います。
日本の教科書にも出てくる孫文や、蘇州にもゆかりのある太平天国の指導者、洪秀全も客家人です。
土楼によって上の階まで上がれたり、上がれなかったりします。
ガイド曰く、和貴楼は100元払えば上がれるが私を通すと10元と言っていました。
土楼を案内するのは、ツアーガイドとは別の地元の人なので、あながち嘘とも言えません。
登ってみたかったのですが、人が多すぎるのと時間があまりなくて断念。
連休とはいえ想像していたより観光客が多く、場所によっては身動きも取れないぐらいでした。
和貴楼を見学した後は、雲水謡古鎮へ向かいます。
観光客向けに開放している土楼は一部だけで、普通に人々が暮らしている土楼があちこちにあり、
中には誰も住むことがなくなり、すでに朽ち果てているものもあります。
今回選んだツアーには昼食がついていました。
でも朝ごはんをホテルでたらふく食べてきたのでほとんど食べられません。。味見程度で。
南靖県には客家料理と呼ばれる食事があるようですが、これがそうなのかは分かりません。
台湾や東南アジアで暮らす華僑の中には、雲水謡古鎮の出身者も多く、今でも台湾との関りは深いようです。
雲水謡古鎮はもともと長教という名の集落で、 姓は全員、簡さんだそうです。
ここで2005年に公開された雲水謡という映画が撮影され、有名になったのをきっかけに改名しました。
山に囲まれ、川が流れる景色の良い村ですが、そんなにたくさんの見どころがあるわけでもなさそうです。
雲水謡の他には、旅行やドキュメンタリー番組、
中国で大人気のバラエティ番組の爸爸去哪儿(パパどこ行くの?)などのロケ地になっています。
中国では映画などにちなんだ改名は他の場所にもみられます。
湖南省 湘西土家族苗族自治州の王村が芙蓉鎮になったのも同じ理由です。
大型車が通行できるような道ができたのは最近のことで、
それまでは川沿いの石畳の道しかなかったそうです。
村の中には、樹齢数百年というガジュマルの大木が何本もあり、中には600年を超えるものもあります。
観光客が少ない時に来ることができれば、お茶でも飲んでのんびりしたくなる感じです。
土楼を見るのは初めてです。なかなか圧巻される造りです。
建物などの構造物を見るのが好きなのでワクワクします。
他の土楼も見学してきたので、しばらく土楼の記事が続きます。。