26.09.08 カ モ メ 3 NO.538
もう一つの「かもめ」があります。 こちらの方はカモメの水兵さんの歌にあるように、白い帽子・白いシャツ・白い服で内陸部に住む「ゆりかもめ」です。
伊勢物語で都落ちした藤原業平が、隅田川のほとりで京都では見かけない鳥を見て、船頭にその名を聞くと「都鳥」と教えられた。
そこで都鳥というのなら都(京)のことを知っているだろうと、業平はその心情を歌に託した。
名にし負(お)ば いざ言問(ことと)わん都鳥 我が思う人は ありやなしやと。
つまり、都鳥よ お前は都のことを知っているだろう 私の恋人は今頃どうしているんだろう 教えておくれ・・・というような意味でしょうか?東京の台東区に
言問橋(ことといばじ)という橋がありますが、業平はこのあたりで歌を詠んだのでしょう。