27.08.13 ほ と け NO.885
あるところに「ほとけ」と言われる男(A)がいました。 ある時お金に困った別の男(B)が、その仏と言わ
れる男にお金を借りに行きました。 そのときの(A)の顔は忘れられないほどの、まるで鬼の面相だっ
たと言います。 厳しい返済条件と高い金利を呑まされた。いやなら帰れ!です。
こんな奴にはもう2度と金なんか借りないと(B)は思いました。 なにが「ほとけ」だ!・・・と心の中での
のしりました。 でも、約束通りに返済しないとひどい目にあわされるという恐怖心もあって(B)は一心
不乱に働いてそのお金を返済しました。 もうあんな奴の顔を見ることもなくなると思って、最後の返済
金を持って行った時のほとけ(鬼?)の顔はほとんど「ほとけ」の顔に戻っていました。 そして(A)は言
いました。 よく頑張った。 前さんのその努力に対して、今までに受け取った高利の利息分は、お
前さんに褒美として差し上げる。 でも、2つのことを約束してほしい。
1 このことを誰にも話さないこと。 2 お金に困っても、安易に人に借りるものでない。 お金に困るよ
うな無計画なことではいけない。 そういうことをきちんと心に銘記しておくこと・・・というお話です。
ところで、私はこの話に登場する「ほとけ」でも「鬼」でもありませんが、貧困から脱出するためにちょっと
働き過ぎて、家庭を顧みないような生活だったので、子供達にはいささかの誤解を植え付けたようでした。
まるで「ゼニの亡者」か「守銭奴」を見る目つきで親を見ていました。
息子が一人前になって子供が生まれるころまで、互いに口も利かないという親子関係でした。