27.11.04 役 者 冥 利 NO.968
先日ある障がい者施設にマジックのボランテイアで行ってきました。 色んな障がいがある子供達
が10人ほどいる小さな施設でした。 その中に視覚障害のある女の子が一人いました。
視覚障害のある人の前で演じるのは初めての経験でした。 どんなにうまくやっても、その子にはなか
なかマジックの不思議さやおもしろさを伝えることが出来ません。
でも、その施設ではその子の周りに誰かがいて「ほれ こんなにテープが出て来たよ!」「これが一枚
の紙から作ったうさぎさんだよ」などなど一つ一つを手に取って触らせ感触を体感させていて、そんな
健気な光景が大変に感動的でした。 ともすればイジメが発生するような環境なのに。
終わりに「飛び跳ね蛙」(牛乳箱から作ったマジックおもちゃで、抑えていた手を放すとパチンと音を立
てて飛び上がるからくりがある)をプレゼントしましたとろ、その子にだって遊べるものだったので、みん
なの中に入って本当にうれしそうに「おもしろい!」を連発して、何回も何回も嬉々としてやっていて、
同行の女性マジシャンはその姿を見て、この子の笑顔っていつかあったのだろうか?・・・この子たちは
なんと素晴らしい友情と仲間意識を持った子供達なんだろうかと、涙があふれ出て止まらなかったと
言っていました。
私たちの活動はささやかなものですが、こういう体験をすると「役者?冥利に尽きる」という感激があります。