27.11.29 生 き 残 り NO.993
戦艦大和の生き残りの吉田満は60年代の高度成長による繁栄を見ながらこう言った。 「戦争で死ん
だ亡霊たちがこの繁栄の日本を見たら歓声を上げるだろう」だがしかし「この自由や平和や経済成長が
ただの自己中心主義によって成り立ち、ただ自分の快適な生活を守るだけのものだと知れば、彼はこ
う思うだろう」「戦後の時代はひとかけらの人間らしさも与えられなかった戦時下の時代よりも、より不毛
であり不幸である」と。 自由にせよ・民主主義にせよ・平和にせよ・経済成長にせよ、それ自体が悪
いわけではない。いや、そもそもそれらに良いも悪いもない。
でも、もしもひとたび「近代化」を目指したら、それはそれとして受容するほかないだろう。
問題は、それを無条件に「進歩」として肯定するかどうかだ。
あの戦死者たちの累々たる屍の上に成り立っているという意識を持ち続けることが出来るかどうか、そ
こに決定的な点がある。 *「日本の宿命」 佐伯 啓思 著 を引用しました。
昭和元禄がすぎて平成の大不況の渦中にある日本、これから先はどうなって行くのか、どうしようとす
るのかという哲学が必要ではないでしょうか? ゴマメが言うことではありませんが・・・。