29.04.09 敗 軍 の 将 NO.1489
「敗軍の将 兵を語らず」といいますが、私的に解釈しますとこれは「敗軍の将は兵を語る
べからず」という意味ではないかと思います。
つまり「勇将のもとに弱卒なし」と言われるように「将」さえしっかりしておれば卒「兵」
もしっかりする。だから、兵が軟弱なのは「兵」に問題があるのではなく、「将」の側にある。
だから敗軍の将は敗因を弱卒のせいであると弁解してはならない、いや、そういってはならな
いという意味ではないかと思うのです。
孫氏の兵法に「たとえ何の変哲もない丸太棒であっても、千尋の谷の下を通過する敵兵をめが
けて落下させれば、これに勝る兵器はない要は弱卒だって使いようだ!・・・と言っています。
兵は使われる側であって限られた兵器をいかに効果的に行使するかはまさに、「将」の技量・
器の問題だというのです。
太平洋戦争で多くの日本の兵が無駄死にしたのは、まさに日本の軍部の「将」がダメだったか
ということにつきるでしょう。
よく汚職事件でやり玉に挙げられた政治家が「秘書が秘書が」と見苦しい言い訳をしていますが、
これは兵が弱い・弱い兵を信じていた・兵に任せたのに、と言っているようなもので、自分の資
質を棚上げしているにすぎません。「汚官 秘書を語るべからず」というべきではないかと思います。
政府の職員がついているのに、家内は公人ではなく「私人」だと言って憚らない総理大臣も同じよ
うなもの、こんな総理大臣を戴いているこの国の国民は不幸じゃないですか?
先進国の中で「幸福度」は最低という日本をなんかしないと、ますますダメになる。