29.04.17 奨 学 金 2 NO.1498
昔の奨学金と言えば、家計が豊かでないが「子」が学業優秀であったならば、その学生の学費
を補てんする制度として、返済不要の(給付型)の奨学金制度がありました。
また、親世代も終身雇用制で身分も収入安定していたために、奨学金を受けなくても子供を大学
人行かせることはそう困難なことではなかったのです。
でも、小泉・竹中のころから新自由主義・自己責任という弱肉強食システムが社会に蔓延し、強
欲資本主義社会になって企業は労働者を育てるよりも、徹底的に搾取する方向に向かい、国民の
間に「勝ち組と負け組」という格差を作りました。 ですから今の親世代には子の学費を負担す
る能力はありません。
学校経営も文化文明の発展に寄与させるものから、独立採算を求める資本の論理に変貌して学費
の値上げが相次ぎ、国公立の大学でさえ私学とあまり変わらないほどの高額なものなりました。
そんな中では、奨学金制度も学術の向上を期待するよりも、学費ローンという資本家のために利益
を生む制度になってしまっているのです。
それは、このゼロ金利時時代にかかわらず、銀行の定期預金利息の100倍もの利息を支払わな
ければならないことと、もし返済を滞納した場合には年利10%もの反則金が課される(今は5%)
ことからも、いかに奨学金制度が劣化し、日本の若者を苦しめている制度であるのかをご理解いた
だけるのではないかとと思います。
*「奨学金が日本を滅ぼす」大内」 裕和著 を参考にしました。