30.01.07 しゃ~ないな NO.17612
お恥ずかしい話ですが、子供のころに父親が戦死した為に極貧の生活を強いられること
になりました。 「せめて高校には行きなさい」という中学校の担任の勧めもあって、
昼は働きながら夜に夜間高校に進学しましたが、収入は少ないためにろくに食べ物も食べ
られないし・着るものだって中古のアメリカ衣料でしたし、いつも空腹と・ぼろ着姿で・
睡眠不足と疲労にさいなまれる、絶望的な生活でした。
ある日母親に「もうこれ以上の心棒はできないから那智の滝に飛び込んで自殺する」と言
いましたところ、母親はこう言いました。 「ほんならしゃ~ないな」でした。
・・・あそうなんか?おれ死んでもええんか? 誰も悲しみもしなし・どうってこともな
いのんか? そんなら、せめて悲しんでくれる人が出るまで生きんと格好つかんな
~・・・と思って、死なないで生きることにしました。
それ以降はそれなりの努力をして、今は年金とささやかな蓄えで生きていますが、それに
しましても随分と長らく生きてきたもんです。
今、子供や孫たちがもし「自殺したい」と言って来たら「ほんならしゃ~ないな」と言い
ます。