新・本と映像の森 63 萩原遼『朝鮮戦争 ー金日成とマッカーサーの陰謀ー』文春文庫、1997年
375ページ、定価本体543円、1993年文芸春秋刊行
著者は元「赤旗」平壌特派員。萩原さんは、ワシントンにあるアメリカ国立公文書館にある朝鮮戦争時のアメリカ軍奪取文書160万ページを3年かけて読破した。
その文書分析という歴史学の常道から導き出した、朝鮮戦争の始まりの真実と、朝鮮民主主義人民共和国の創立の頃の謎に迫る。
朝鮮戦争は1949年から金日成とスターリン・毛沢東らによって準備され、その軍事的中枢は、国共内乱で活躍した中共軍の朝鮮系部隊3万人だった。
そして、朝鮮北部に1945年からできたのは、ソ連軍の占領下で東欧でできたような「収容所国家」だった。
それが歴史の事実だったことを、資料分析をつうじて語ってくれるドキュメント、
萩原さんは、1945年以前、金日成の通訳をしていた朝鮮人にもインタビューして、
金日成の当時のリアルな姿を描いている。
真実かどうかは、皆さんが自分で読んで、自分の頭で判断して欲しい。
ボクは、これが真実に近いのではないかと思う。