雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 69 山本亜季『ヒューマニタス HUMANITAS』小学館、2016年

2017年06月05日 14時26分58秒 | 雨宮日誌

新・本と映像の森 69 山本亜季『ヒューマニタス HUMANITAS』小学館、2016年

 (マンガ7)2016年11月、253ページ、定価本体648円

 偶然、宣伝を見つけて、好きな絵柄だったので注文したが、大正解!とても素敵なマンガでした。

 3つの中編を集めたオムニバス・ストーリイ。

 1話目は、15世紀の中央アメリカに生きる青年剣士ネスロと、年若い盲目の少年オセロットの物語。

 少年は神に捧げる儀式で双子の一方と闘い、どちらかが死ぬ運命にある。オセロットは、師であるネスロから、部族を逃亡して広い世界で生きていく計画をもとかけらる。

  ☆

 第2話は、20世紀のソ連、極北の強制収容所を舞台にしている。収容所に投獄されたユーリ・シルバーマンは妻と赤ちゃんと生き別れる。

 偶然のことから、チェスの才能を見いだされたユーリは、監視役ゴドーとともに世界チャンピオンをめざす。

 アメリカ・チャンピオンのアーロンとの決戦で、瀕死の難病にかっかた娘と、一手だけ意図的な三須をすれば、娘は救われると「ビジネス」の相談があり・・・・。

  ☆

 第3話は、「エナ」。エナはクジラ取りエスキモーの少女。そこへ漂着したイギリス人の青年ウィリアムとエナの物語。

 個人的にはエナのファンです。

 1ページに「地上には人の営みの数だけ
       文化や風習が存在する」
      「遺されたものは
       数多ある記憶の ほんのひとかけら
       にすぎない」とある。

 そのよおりに、この世界の片隅で
 鮮烈に生きた若者たちの物語を作者は、生き生きと描いた。

 第2巻以降も描き続けて欲しいと切に願う。