新・本と映像の森 167 大西広「今の中国をどう見るか」(『平和運動 2016/3』)
副題「「中国脅威」論を前にして」、雑誌p2~11、発行=日本平和委員会
著者はマルクス経済学者。現・慶應義塾大学教授。
大西広さんは、この7月に浜松で講演をした方で、この講演もおもしろかった。
中国にかんする基本主張は以下のとおり(p10)。
1、 現在の中国は「資本主義」であること。
2、 かなり発達した「国家独占資本主義」の段階にあること。
3、 その中で各種の「階級闘争」が繰り返されていること。
さらに
4、 BRICSは一種の後発帝国主義同盟(p3)。
5、 中国への批判は必要だが正確によく考えて(p2~4)
結論として著者は言う。
「マルクス経済学者として強調しておきたいことは、すべての諸国は原始共産制→奴隷制→農奴制→資本制を通じて社会主義へ向かうということであって、その意味で日本より40年遅れで進んでいる中国の社会経済システムが「社会主義」であるはずがないということである。」
「日本共産党は現在の中国を「社会主義を目指す国」と呼んでいるが。その「社会主義を目指す」との趣旨はここにある」(p11)