雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 340 映画『蜜蜂と遠雷』2019年、119分

2020年07月15日 20時23分39秒 | 本と映像の森
新・本と映像の森 340 映画『蜜蜂と遠雷』2019年、119分

 やっと友だちから貸してもらって見ました。

 とてもいいですね。ただし原作を詳細に読んでいるので、どうしても原作と比較してしまう。

 原作小説と映画とは別の芸術作品と考えれば、いいんです。ただどうしても意識はそういかないので、どうしても比較してしまう。そういう意味では60点かな。

 ひとつは、主人公亜夜が小説ではコンクール以前にとうに解決している矛盾の解決を映画ではコンクールになかにもってきている。

 亜夜を本選の最中にコンクールから逃げようとさせている。小説の主要プロットとは根本的に違うと思う。

 第2に、そのために指揮者をクローズアップしコンテスタントと軋轢をおこさせている。これは必要なことだったのですか。

 第3に、マサルにも指揮者と軋轢をおこさせ悩むマサルに本選前に同じコンテスタントの亜夜と連弾練習をさせている。マンガ『ピアノの森』で落選した雨宮とカイが連弾練習をしているが、これは必然性があるストーリーだと思う。

 第4に、ひとつめとの関連でストーリーからコンクールじゅう亜夜といっしょにいた、亜夜の親友奏(かなで)が消えてしまった。いわば奏は内部からのもっとも身近な観察者です。奏がいないことで映画全体がすこし平板化したと思う。

 奏がこの物語の無視してはいけない重要人物であることは『蜜蜂と遠雷』の続編『祝祭と予感』「鈴蘭と階段」を見てもよくわかると思う。

 番外。ジンのイメージがボクは少し違う。ジンの魅力を描ききってはいないと思う。

    ☆

 以上いろいろ書きましたが、映画単独でみれば、とてもいい映画です。