新・本と映像の森 52 レーニン「マルクス主義の3つの源泉と3つの構成部分」
1913年執筆、全集刊行委員会訳『カール・マルクス』国民文庫、大月書店、1965年、p84~87
レーニンの有名な、短い論文です。今は、あまり読まれないかも知れませんが。
そのp95から引用します。
「マルクスの学説は、正しいので全能である。それは、完全で、整然としていて、どんんな迷信、どんな反動ともあいいれず、ブルジョア的圧制を擁護することはおよそあいいれない全一的な世界観を人々に与える。
それは、人類が19世紀にドイツ哲学、イギリス経済学、フランス社会主義というかたちでつくりだした最良のものの正統の継承者である。」
第1に、「正しいので全能である」というのは、奇妙な論理だ。通常は「正しいけかれど、全能ではない」もしくは「全能だから正しい」というもが普通の論理だろう。
そして、神さまではないのだから、全能ではありえない。
第2に、「それは、完全で」と断言しているが、「それは、完全ではありえない」のではないでしょうか。。完全なものは、それから先の進歩はありえません。
第3に、「全一的な世界観」とは何でしょうか。「全一的」を『広辞苑 第6版』で引くと、「完全に統一していること。一体であること。」と、書いています。
どうも、この解釈のように「一体」であることと、「科学的」であることは、両立しえないのでは、ないでしょうか。
第4に「正統の継承者である。」ということは、自分たち以外は「非正統の継承者である。」という解釈を生み出しかねない。
以上、書いたことは、これ以外のところについて何ら疑問をもつものではありません。念のため。
レーニンさんは、今でも、いくつかの批判点以外は、だいたいにおいて有効だと想います。
1913年執筆、全集刊行委員会訳『カール・マルクス』国民文庫、大月書店、1965年、p84~87
レーニンの有名な、短い論文です。今は、あまり読まれないかも知れませんが。
そのp95から引用します。
「マルクスの学説は、正しいので全能である。それは、完全で、整然としていて、どんんな迷信、どんな反動ともあいいれず、ブルジョア的圧制を擁護することはおよそあいいれない全一的な世界観を人々に与える。
それは、人類が19世紀にドイツ哲学、イギリス経済学、フランス社会主義というかたちでつくりだした最良のものの正統の継承者である。」
第1に、「正しいので全能である」というのは、奇妙な論理だ。通常は「正しいけかれど、全能ではない」もしくは「全能だから正しい」というもが普通の論理だろう。
そして、神さまではないのだから、全能ではありえない。
第2に、「それは、完全で」と断言しているが、「それは、完全ではありえない」のではないでしょうか。。完全なものは、それから先の進歩はありえません。
第3に、「全一的な世界観」とは何でしょうか。「全一的」を『広辞苑 第6版』で引くと、「完全に統一していること。一体であること。」と、書いています。
どうも、この解釈のように「一体」であることと、「科学的」であることは、両立しえないのでは、ないでしょうか。
第4に「正統の継承者である。」ということは、自分たち以外は「非正統の継承者である。」という解釈を生み出しかねない。
以上、書いたことは、これ以外のところについて何ら疑問をもつものではありません。念のため。
レーニンさんは、今でも、いくつかの批判点以外は、だいたいにおいて有効だと想います。