雨宮智彦哲学経済学メモリー 9 20200221 哲学の学習7 対立物の統一と相補物の統一 20100128
「哲学の学習7 対立物の統一と相補物の統一
2010年01月28日 04時54分51秒 | 人間・生命・宇宙
32年前に発行された書籍に、次のように書かれています。
「弁証法は事物の変化、発展の原動力を事物の内部にもとめ、この原動力になるのは。すべての事物の内部にある矛盾であることをあきらかにしています。」(同署p198)
どう「あきらかにしてい」るのかは、そこには叙述が何もないので、私にはわかりません。どなたか、「あきらかに」わかる方がいれば、教えてください。
そのあとには、こう書かれています。
「事物の内部の矛盾とは、一つの事物のなかにたがいに対立する側面があって、それがたがいに結びついていることをいいます。
たとえば、すべての生物は、外界から栄養をとる同化作用をおこなうのと同時に、これを体内でエネルギーとして消費し、老廃物を外界へ排出する異化作用をおこなっています。このどちらもが停止しても、生物は生きることができません。
資本主義社会には、労働者階級と資本家階級という対立する二つの階級が存在します。
一つの事物のなかの対立した二つの側面はたがいにむすびつき、一つの側面は他の側面なしにはありえないというように統一しています。たとえば、同化は異化なしにはありえないし、資本家階級はかれらの搾取する労働者階級なしには存在しえません。このような関係を対立物の統一といいます。」
同化と異化が「対立物の統一」「矛盾」であるというのは。どうなのでしょうか。
生命における物質代謝の両側面である、同化と異化は、なんら対立しているわけではなくて、お互いに相互に支えあっているのではないでしょうか。
環境の安定なしには、恐竜類や裸子植物の大繁栄もなかったのではないでしょうか。
地球に落ちた大隕石か、それとも、もっと他の要因かは、わかりませんが。
生命のほんとうの矛盾は、生命内にではなくて、生命と環境のあいだの相互作用にあるのではないでしょうか。
文明である人間社会は、環境の影響を脱して、自立的な矛盾をもっていると思います。しかし、歴史を溯るほど、環境とシンクロ(同調)する生き物の姿が、わき上がってくるものと思います。