雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森57 萩尾望都さん『百億の昼と千億の夜②』

2010年07月06日 05時25分04秒 | 本と映像の森
本と映像の森57 光瀬龍さん原作、萩尾望都さん絵『百億の昼と千億の夜②』秋田書店、1978年1月30日発行、244ページ

 SF作家の光瀬龍さんの原作を、マンガ家萩尾望都さんが原作に忠実に(と思うけど)絵にした傑作SFマンガです。
 30年前に、つまり20代の時に買ったコミックですが、「捨てるごみ」と「残す方」に区分けしていて出てきました。この本は「残す方」です。

 全体は第1部の、現代以前の地球、「アトランティス」文明が滅んだ話と、現代以後の地球、現代文明が天変地異で崩壊した後の、滅亡を救うために働く3人組と悪役の話です。

 地球や宇宙の滅亡を救うために全力をあげるののが、古代ギリシャの哲学者プラトン(いちばん太った男性)、古代インドの宗教者シッタータ(つまりお釈迦さま、中肉中背かな)、古代神話の悪神・阿修羅(いちばんスマートで、細身。男女不明)の3人(3体?)です。
 悪役になるのが、「シ」の手先「ナザレのイエス」つまりキリストさまです。
 こう書くと、なんか、聖書を頭からバカにしたようなコミカル喜劇みたいですが、原作もマンガも基調は、ひじょうにまじめな、私も大好きな、滅亡とたたかう物語です。

 やっぱり一番好きなのは、主人公の1人、細身の少年のような(あるいは少女のような)阿修羅です。
 萩尾望都さんは、明らかに、奈良・興福寺の阿修羅像をイメージしていると思いますが、物語では、主要な舞台のひとつである「兜卒天(とそつてん) トバツ・シティ」の管理者・軍司令官・帝釈天の昔の恋人のような描き方をしていて、何億年も年をとらない永遠の少女の感じです。
 雨宮の妻のN子さんは、細身で、イメージが阿修羅に似ています。(たぶん、周りのみんなは優しいN子さんしか知らなくて、怒ったNこさんを知りませんからね)
 むかし「年齢不詳の園長」とも言われたN子さんは、体型も、感じもずっと変わらなくて、ぼくは日本の伝説で、人魚を食べたために不老不死を得て、若い男性と結婚しては夫の死を看取っていく「八百比丘尼」の伝説を思い出しました。
 (ほんとだったら、こわいよ。いや、こわくないかな。すくなくとも、ぼくは。N子さんに感謝して、死んでいくと思います)




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