雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

スイマセン、スイマセン

2013-01-28 00:02:48 | 感謝...パワスポ寺社
「すいません......」をあまり軽く言うな。
おまえは何か悪い事でもしたのか?
スイマセンはスミマセン。
本当は自分が間違った事をした時に使う言葉だ。
軽い「スイマセン」は癖になるから止めろ。
言葉はちゃんと選んで、考えて使え————————————



新卒で入ったレコード会社で突然の大阪勤務を言い渡され。
名刺交換やら挨拶やら電話のとりかたやら、
そんな一般常識的な研修を受けた後、大阪に赴任。
赴任した、その「大阪支店」の支店長がNMさん。
体がとても大きくて、顔も強面。
普通に街を歩いていたら先ず関わりたく無いタイプ。
なのに......心根はとても優しい。
僕と入れ替わるタイミングで東京本社に移動する事になったNMさんは、
長年、京都エリアの媒体も全て取り仕切っていて、
それを引き継ぐ事になったのがその時の僕。
社会人として、
現場の一線で明確な「担当」と「責務」を持たされた最初のことでした。
そのNMさんに最初に説教されたことというのが冒頭に記した言葉。
NMさんの業務や取引先相手、
関係者を引き継がせてもらっている最中に言われた言葉。
確か「KBS京都」という放送局で一通りの挨拶を済ませた後での説教......
だったと思います。
烏丸通り沿いの、
京都御所を取り囲む長ーーーい石垣の横を歩きながら怒られました。



新入社員。
仕事も良く解らない。
京都なんて街も良く知らない。
友達もいない。



「だいたいなんで俺はこんなとこにいるんだ?
しかも支店長でもある人からの業務引き継ぎだなんて、、、
ちょっと重くね!?」



......そんな心持ちでの引き継ぎ行脚で、
どーも僕は、会う人会う人に



「すいませんが、、」
「スミマセン、、」
「すいませんが、よろしくお願いします。。」



などとむやみやたらと言っていたようです。
しかし......たいした事、話しでは無いし。
しかもNMさんが言っている事が正しいのか?どうか。
それだってちょっと曖昧な話しだし。



「スイマセン......なんて、ただの枕詞じゃねぇか、、、」



その時は



「この人なんてこまけぇーーーんだ!?」
「うざくね?」
「目つきワリーんだけど」



なぁーーんて、チビッと思いつつ。
不思議ですが、それでも、
この時の話はその時の僕の心にとても深く響きました。
そして今でもこうしてちゃんと心に残っています。
何故でしょうか......
多分NMさんが伝えたかった事は、
言葉の「額面通り」のことではなくて、きっと、



「ちゃんと自分と仕事に誇りを持て。
営業だろうが宣伝だろうが仕事は全て対等だ」



というその時の僕の「心持ち」部分に
対するコトなのだろうと思います。
それで、
そんなメッセージがNMさんからちゃんと伝わって来たので、
僕は素直に



「そうだなぁ、、」



と聞き入れていたのだと思います。
それは、その後の僕の仕事においてとても大切なことでした。
時が経てば経つほど、
仕事を覚えれば覚えるほど、
その言葉の裏にあったNMさんの真意の大切さや、
正しさを感じるようなことが沢山ありました。
僕がこの仕事に就いて最初に教えてくれた人が、
もしこのNMさんでなかったら、
もう少し違う人間になっていたかもしれません。
決して今の自分がまっとう......という意味ではありませんが。



今でも時々、
この話しをされた時の京都の風景を思い出す時があります。



京都の街の中心にある京都御所。
その広い皇居は普通の人の身長と同じぐらいの
低い石垣の壁で取り囲まれていて。
壁の上の方には、
石垣に沿って濃くて美しい碧の葉をたたえた大きな木々が沢山、
青い空に高々と並んで突き出しています。

天皇陛下が明治時代まで住んでいた場所は
決して「お城」などではなく。
だからなのか、取り囲む石垣の高さも
「近所のお金持ち」より低いくらいの造り。
重層的に取り囲む石垣の内側にある、
黒い屋根瓦を載せた美しい土塗りの塀もそれほど高くありません。
勿論「お堀」なんてものも全く無くて。
それは必要無かったのかもしれません。
そんなところに為政者と民衆との

「この国本来の距離感」

を感じたりなんかもして。
そんなところがとても好きで。
そんな石垣沿いの道をCDが沢山入った大きな紙袋を
両手に幾つも持ちながらテクテク......と歩いていく。

石壁の所々にある門の所には、
いつも警備員さんが黒い服と帽子をかぶって立っていて。
タマに京都らしい着物姿のお姉さんが通りかかったりなんかして。
木々の葉の緑の匂いと、
お姉さんの華のような匂いが合わさって、
僕の目前をそよそよとした風とともに抜けていく......
両手が塞がっている僕は何も出来ずにタダ見送るだけ......(T.T)



「まってぇー!おねぇさーーん!ヽ(´o`」



そんな風景と共に、
今でもNMさんの話しを思い出してしまう時があります。
そんな時というのは
「スイマセンにチグハグさ」
を感じ取ってしまった時。



NMさんの声が聞こえて来ます。。



「そのスイマセンは Excuse me だろ。
I’m sorryじゃない。
申し訳ないという意味で使うのなら、
もう少し心を込めて言いなさい」

「悪い事をしたんだ。ちゃんと謝れ。
スイマセンじゃない。ごめんなさい!だ。
ちゃんと謝れ」

「いいか、
だからスイマセンというのは本当は簡単に使わないんだ。
癖になる。
使い過ぎていると謝る気持ちと精神が一緒になって来る。
そうすると何かがおかしくなって来る。
悪い事をしたらスミマセン。ごめんなさい。
ちゃんと言え。
そうでなければ正しい言葉でちゃんと話せ」



京都という街は大好きな街で、
僕にとっては沢山の仕事の経験も、
辛い事も楽しい事も、
色々な事が刻まれている愛しい街です。
いつだったか宣伝用のCDが沢山入った紙袋を片手に3つずつ、
6袋も持って。
それが余りに重たくて、
京都駅の中央改札で「持ち紐」が切れてしまい。
200枚ぐらいのCDを沢山の人が行き交う改札の真ん中に
バラまいてしまったことがありました。



「スイマセン、スイマセン、、、」



と言い続けながらソレを拾っていた時は
情けなくて悔しくて......涙がこぼれたりもしました。



「こんな事する為に俺はこの会社に入ったわけじゃない......」



なーーんて。
そんな京都駅の改札を通るたびに思い出すような事も沢山。
大切な人も沢山。
こんな話しをしていたらまた、
お気に入りの場所に出掛けたいなぁ......なんて、
思ったりしてしまいます。
京都は僕に「仕事」と「誇り」を教えてくれた街。
NMさんがとても大切にしていた街です。



世界文化遺産
下鴨神社=しもがもじんじゃ」=「賀茂御祖神社=かもみおやじんじゃ」
その一番奥にヒッソリと佇む
「御手洗社=みたらしのやしろ」
京都市内で僕が一番好きな所。祭神は
瀬織津姫=せおりつひめ
崇高なる水の女神。
ココから湧き出る水は世界遺産
「糺の森=ただすのもり」を抜けて鴨川へ流れ出ます。
ここの社の前。
清水の流れに面した石段に坐って眺める景色はこんな感じ。
良く座り込んでモノ思いにふけってました。



ココが「みたらし団子」発祥の地......と言われてます(^^)
直ぐ傍にある「加茂みたらし茶屋」のみたらし団子は絶品!
今度改て紹介します。


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コメント (7)
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