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雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

名刀

2013-05-16 00:01:27 | 勇気
むかーし、むかち。
あるところに刀職人のおじーさんが住んでいまちた。
時代は戦乱の世。
武士が民衆を治め、
彼等にとって一番の武器である「刀」の質が
己の命の重みと等しく思えるような時代。
そんな時代、そのおじーさんの創る刀は美麗なる姿も切れ味も天下一品。
刀を創らせたら「天下一の名工!」と謳われる程の人でちた。
そんなおじーさんが真摯に作りだす刀は、
一本仕上げるのにも沢山の時間がかかり。
注文されてもなかなか多く作ることが出来ません。
それでも、
おじーさんには引っ切り無しに多くの武人達からの注文が入って来ます。



ある日。
そんなおじーさんのところに、
天下にその武勇と名声を轟かせる武将さんが訪ねて来ました。
その武将さんは

「是非に......」

と、自分の新しい刀をおじーさんに作って欲しいと直々に頼み込みます。
おじーさんは

「順番通りに待っていただけるのであれば、、」

と、答えたのですが、
その武人さんは待たされるのはあまり好きでは無いようで。
少し考えを巡らす様子も見せましたが、
それでも渋々とおじーさんに刀作りをお願いしました。

それからしばらくして。
武将さんが待ちに待っていたおじーさんの刀が届きます。
おじーさんはその勇猛高名な武将さんに自ら作った刀を渡す時にこう言いました。

「コレは、、武勇に名高い貴方様に捧げるカタナ。。
ひときわ精魂込めて創り上げました。
そして、、過去、私が創ってきたものの中でも最高のカタナと成りました......
出来上がってみると、
自分の手元にずっと置いておきたくも思う程のモノに成りました。
それくらいの気持ちを、、いや、、魂を込めて、
全身全霊で鍛え上げました......
どうかお受け取りを。
私の最高傑作でございます......」

武将さんは待たされた時間やそのおじーさんの言葉も含めて、
とても感激をして、その刀を受け取りました。



それからまたしばらくの時間が流れ、
その武将さんが突然!
血相を変えておじーさんのところに怒鳴り込んできました。
話を聞くに、どーも、
おじーさんの刀が「刃こぼれ」をおこしてしまったらしく......

「傑作の名刀!などと言っていたのに何故刃がこぼれるのだ!
アレだけ待たせられたモノなのに!」

と怒っています。
はてさて。
人を斬ったのか?
他にも色々なものを切ったのか?
使った後の手入れが悪くてサビが出てしまっていたのか......
刃コボレの原因は色々と考えられるのですが、
おじーさんは職人さんらしく黙ってその武将さんの怒りを受け止めていました。
おじーさんの中ではその武将さんに渡した刀は未だ、
紛れもなく最高傑作の逸品であって、人手に渡ったとはいえ、
我が子の様に愛おしい刀であることは今も間違いの無いことです。
すると武将さんは、
その激しい気性と怒りに任せて、
おじーさんの作った刀でおじーさんを斬りつけてしまいました。



おじーさんはその場で命を落としてしまいました。



自ら創った刀。
それも最高傑作の刀で斬られたおじーさんは、
それでも誰を恨むこともなくこの世界を去っていきました。



ただ、その時、



おじーさんは自ら生み出した愛しい刀に
自分の魂を重ねて去ることを決心しました。



......そして、
その刀にはおじーさんの魂が宿りました。
その刀はその時から魂の籠った名刀と成った......のです―――――――――



——————僕の実家は鉄工所なのですが、
祖父のおじーさんの時代までは代々続いてきた「鍛冶屋=かじや」さんでした。
刀を作る時はその刀身を火にくべて真っ赤に熱し。
柔らかくして叩き。
ソレをまた水に付けて冷やし、整え。
また火に入れて熱し、また叩いて、冷やし......
そんな膨大な繰り返しの作業でもって作られていきます。

刀鍛冶という職業や仕事の言葉で言えば
「鍛えられて=きたえられて」いきます。

幾度も幾度も強く、シッカリと、
しかし繊細に鍛えられた刀ほどその切れ味は鋭く、
眩しい輝きと姿を現すように成ります。



火と水によって鍛えられた、
「火水=かみ」によって鍛えられた刀剣には「神」が宿るのでしょうか。



今、毎日の生活の中で、
まるで火に焼かれているかのように苦しんでいる人や、
何だかんだと理不尽にも叩かれまくっている人。
冷たい水の中で溺れそうになって踏ん張っている人などもいるかもしれません。
でもそんなコトが鋭い切れ味を持つ刀を創り上げるのでしょうか。
眩く輝く美しい名刀、傑作を創り上げるのでしょうか。



現代ではそんな刀を目にするようなことは普段ナカナカありませんが、
身近な所ではキッチンにある包丁も同じです。
最近は機械で作ることの方が多いと思いますが、
そんな機械の性能も含めて、
職人さんの精魂込めた技術と心で創られるようなものは
昔から変わらずに有ると思います。

よく切れる刃物は自らも傷つけやすいものですが、
その切り口は美しく。
料理なども格段に美味しくなるそうです。

良い料理人は良い包丁を見極めます。

最近、外国人観光客に大人気のお土産というのは実は「包丁」なのだそうです。
日本の包丁というのは職人さんの技術の高さとともに、
世界のどの国のモノと比べても精緻で美しく。
よく切れるので自分で使っても人にあげても大変喜ばれるのだそうです。
特に「ダマスカス縞」と呼ばれる鍛造時の縞模様が浮き上がったようなものは
高価なのに飛ぶ様に売れているようです。

それは、僕にはなんだかちょっと嬉しく。
誇らしい事のようにも思えます(^^)



もう長いこと愛用している自宅キッチンのエース包丁「GLOBAL=グローバル」さん。
新潟県の吉田金属工業(YOSHIKIN)さんが世界に先駆けて創出した
「ステンレス一体構造」という
刀身から柄まで全て一枚のステンレスで出来ている包丁さんです。
バランスの良い持ちやすさと使い心地、
オールラウンドに発揮される切れ味がトテモ良くて溺愛しちゃってます(* ̄▽ ̄*)
特に中央の「GS-3」という、
小さいタイプの手のひらへの馴染み方とサイズ感はもう最高!
研ぎすまされた姿、デザインもトテモ好きです。
強引にもスキー板で例えれば!?
ゲレンデは勿論パークからモーグル、深雪迄イケちゃう僕の愛器
「ツインチップのフリースタイルモデル!」
的なタイプといった感じでしょうか!?
生意気にも!
調理師免許を持っているコニャ(奥さん)や、
たまにお家に遊びに来る料理の先生さん達も気に入っている「逸品」でございまふ。
僕には......
未だ「豚に真珠」「ニャンコに小判」でふ。。(T.T)


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