雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

狐の宮殿 3

2014-12-12 00:04:27 | 不思議
「ではの。参ろうかの。」



そして、
僕とその短髪のガンダルフのような老人は一緒に「狐の宮殿」へと
戻っていくのでございます......
新たなモヤモヤと共に、次回、最終回へと続くのでございます。
あしからず。
書いてて熱出てます......(TωT)つらひよー。。




並木道を戻りながら僕は
「どうして戻るのだ?なんの意味が?あるのだ?ナゼに?」
......と、色々と考えを巡らせていたのですが、
老人と一緒に小高い丘を背負って建つ大きな寺院の扉を再びくぐり。
二対の巨大な狛狐さんが立体的に刻まれた圧倒的な柱の前に佇んで、
柱の向こうの宮殿中央に一段高く据えられた
護摩壇(ごまだん)の如く壮麗な祭壇をもう一度見上げた時に、
フト、頭の中に閃きが走り降りました。



「あっ!......お香だ( ゜д゜)」



僕は直ぐ横にいる短髪ガンダルフなお爺さんに聞きました。



「お香で良いかな!?」



お爺さんはニコニコしながら黙って頷いてくれています。。



「よし......」



そう思った瞬間、さすが!夢の中!?
目の前の祭壇に据えられている
四角形の大きな囲炉裏のような火鉢の上にコンモリと、
まるで山盛りご飯の様なお香がポン!と現れました。



「こ、こんなに、、沢山、、、( ̄◇ ̄;)、、」



僕はちょっと驚きながらも、
そのお香の良い香りとお爺さんのニコやかな雰囲気に導かれ、
普段はお坊さん達が座っているのであろう、
四角い炉の前に敷かれた厚さ10センチメートルほどの
畳の座布団のような所に正座で座り込みました。
すると、目前には大きめのマッチ箱が置いてあって。
僕はそれを迷わず手に取り、
中からマッチ棒を取り出すと、シュッ!......と箱を擦り、
火をつけました。
火のついたマッチをお香に近づけると、
お香は「ボッ!」という音を立てて瞬く間に燃え上がりました。



「お、お香なのに、
こ、こんなに燃え上がっちゃうわけぇぇぇ!?!(◎_◎;)」



と内心ビビリながらもそのまま祭壇に座り、
炎の様子を眺めていると、
お香の火は渦を描きながらみるみる上の方に立ち昇っていって。
護摩壇の上4メートルぐらいの所に吊るされている
豪華絢爛な伽藍(がらん)に迄届きました。

しばらく、
お香はそんな風にとてもお香とは思えない感じで燃えていたのですが、
やがて火は落ち着いて。
その後はお香らしい、
線香花火の様な地味な燃え方に移っていきました。

お香の香りは楠(クス)の木の森のような匂いで、
その香りは空間いっぱいに段々と広がっていき......
そんな香りの広がりと共に僕は祭壇で手を合わせ、
こんな祈りの言葉を奏上しました。。。



「狐の宮殿に住まいます全ての神様。狐様。
本日はこちらにお導き頂きまして有難うございます。
ココに気持ちばかりのお香を用意させて頂きました。
どうぞ、その煙をお好きなもの、
形にしてお召し上がりください。
いつも美味しい食事、大地の恵みを有難うございます......」



驚いたのは、チョット薄暗く、
重苦しいとさえ思えていた宮殿とその巨大洞窟内の空気が、
お香の煙の広がりと祈りの言葉と共に
何やらピカピカと輝きだしたことです。
空間が何やら明るく、パーッと光り、
白く、軽くなってきたのです。
この時に、僕には初めて見えたのですが、
ちょっと暗いなぁ......と思っていた空間には、
実は沢山の黒くて丸い「綿ボール」のようなモノが浮かんで?いて、
それはマサに映画「となりのトトロ」の「真っ黒クロスケ」にそっくり。
ちょっとだけ違うのは、
そのフサフサなボールが丸い小さな狐さん!だったということ。
ボールの周りにはツン!と小さく突き出た耳と小鼻、
ヒゲが見えていて、
ボールの中にはちょっと吊り上がった眼が輝いているのです。
その「キツネボール!」とでも言いたくなるような物体は
あまりに黒く、それ故に闇に紛れていたため、
空間に無数に居たのに
僕はそれまで気づくことが出来なかった様なのです。
そんなフサフサな狐ボールが祈りのお香で突然!
何やらピカピカと白く輝き出し、
まるで子供が鬼ごっこをするかの様に
洞窟内の空間を彼方此方へと飛び回っていました。
そのおびただしい数のキツネボールの白さは、
やがて、まるで蛍の光の様に、
クリスマス・イルミネーションのLEDの様に、
暗い洞窟内を明るく照らし始めたのです......



「ほぇぇぇぇ。。。。(;゜0゜)
い、居たのね、、チミたち、、
そんなに、、沢山、キツネボール。。」



僕は驚きつつ、
側に立って付き添ってくれていたガンダルフ爺さんの方を向きました。



「ホッホッホッホッ.......」



お爺さんは相変わらずニコやかに笑っています......



「さての。帰ろうかの。良かったの」



「......そうっすね。。」



僕は祭壇前の畳座から立ち上がると、お爺さんと共に、
再びその「狐の宮殿」を内に抱えた寺院を後にしました。



寺院の扉を出ると、
お爺さんは出会った時に座っていた美しい並木道沿いに置かれた
横長のベンチに再び腰を降ろしました。
相変わらずニコニコと僕を見送るような感じで見ています。



「お爺さん。
ひとつ聞いてもいいっすか?」



「......」



「あの宮殿で見かけたキツネボールさん達や、
宮殿裏のバカデカイ物流倉庫みたいな所にいた狐さん達についていた
油みたいな黒い汚れって、、ヤッパリ、、人の欲なんすかね?
沢山のお願い事とかの。。」



「.......そうじゃのぉ......焼き芋が良いかの」



「え!?
なんて!?
なんすか!?」



お爺さんはそんな僕の質問にも
相変わらずニコニコしながらこんなコトを話しだしました。



「......最近は......もうメッキリ見かけなくなったと思うがの。
昔は、この国のいたる所にあった寺や神社では、
落ち葉の舞う冬の初めの季節には近所のみなが集まって、
境内に散らかる落ち葉の掃除などよくしたものじゃ。
大人も子供も集まっての。
子供達は元気なものだからいつもよく働いてくれての。
大人達はそんな子供達のためにサツマイモを用意して、
集まった落ち葉の山を燃やす時に、
中にくべてやったりしていたのじゃな。

広い境内の掃除が終わる頃には、
焚き火の中で美味しい焼き芋が出来上がっていての。
それを掃除を頑張った子供達にあげたりしていたのじゃよ。
それがまた子供達の目的でもあっての。
とても嬉しそうに、
ご馳走のように、
皆で分け合って食べていたのじゃな。
大人達もな、そんな子供達の姿を見るのが嬉しくての。

掃除をし終わった清々とした境内と清々とした気持ち。

澄んだ空に立ち上る焚き火の細い煙。

寒空の下で体を暖めてくれる火の有り難さ。

そこにはいつも皆の笑顔があっての。

神達も皆と同じ様に笑顔になっての。

境内を守る狛犬や狐達もの、
笑顔で掃除をしてくれるそんな皆の気持ちがうれしくての。
美味しい焼き芋は皆と一緒になって味わって、
ご馳走のように食べていたんじゃの。
この季節の楽しみでもあったのじゃな。
狐達にとっても。
最近はの、そんなご馳走もとんと食べれなくなっての。
狐たちにも少し寂しい気持ちがあるのかもしれんの」



「......焼き芋ですか。そうですね。。。」



「色々な狐もおるがの。
悪さをしたり、人を騙したり、利用したり、されたり。
だが、ぬしも見たように、あそこの狐どもはの、
人のために真っ黒になりながらも、
ああして一生懸命働いているでの。
あやつらを思って美味しい焼き芋でも食べて貰えれば、
あやつらもきっと喜ぶと思うがの」



ふと気づくと、僕らはこんな会話をしていました。が......
よく見ると、お爺さんは口を開いて喋っているわけでもなく。
ただニコニコしてベンチに座っているだけ。
僕の頭の中には、神社の境内で落ち葉焚きを囲んで、
ワイワイと焼き芋を食べている大人達や子供達のいる風景が
有り有りと浮かんできます......



「ありがとうございます」



僕はお爺さんにペコリと頭を下げ、
広い並木道を歩き出しました。



そこで......



僕は夢から覚めました。



目を開けると、
普段は頭上のベッドヘッドの隅に
目覚まし代わりに置いてあるスマホが枕元に落ちて来ていて。
寝ている僕の目の前に転がっていました。
変な夢を見ているときに暴れた手がぶつかったのか、
なんなのか。

僕は目が覚めた瞬間そのままの姿勢......
横向きに寝ながら......
スマホの液晶画面をボーーーッとした意識のまま見てみると、
「Facebook」のプライベートチャット・スレッドへの
書き込みがあったことを示すアラートが出ていました。
時刻は10時23分......
僕はボンヤリと眼に映るままそのアラートの文字を読んでみました......



「◯◯◯◯(Tさんの名前) 行って参りました 」



や、やっぱりなのぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!?!(◎_◎;)



僕は一気に!目が覚め、
ガバッ!!と半身、ベッドの上に起き上がりました。
上に記した時刻もコメントもスレッドに残る記録のまんまですが、
そのコメントにはご丁寧に◯◯神社の写真もシッカリと付いていました。
ベッドの上で僕は寝ぼけ眼をゴシゴシと擦り、
慌ててTさんのチャットスレッドに返事を入れました。



「つーかさ、そこにいる時俺のこと考えたでしょ!?」

「考えましたよ(笑)
というか話してましたよ。心の中で^ ^」

「ちみね、チミが俺のこと言うから大変だったんだから!」

「失礼いたしました。」

「うーんとね、あとね、お願い多すぎ!」

「お願い多すぎですよね...(・_・; なんでわかった?」

「家族?イエ系のお願い事が特に多すぎ!
家電なのか、、もっと些細なものなのか、、
とにかく家周りのお願いが強い!」

「今住んでる家が不満で、、引っ越したいんです。。」

「あとさ、車や飛行機までズラリと見えたぞ!マジか!?」

「空飛ぶ車が欲しいんすよ!
だって便利じゃないっすか。
飛行機から車に乗り換えるの面倒で大変だから早く!
誰か作って下さい!
ってお願いしたんですよ!」

「ち、ちみわ、、、本気なのか!?Σ(゜д゜lll)」

「もちろんですよ!本当に欲しいんですよ!」

「か、、変わってるのね......(; ̄ェ ̄)ゆー...」



記録に残ってるスレッドと会話からそのまま、
ダイジェストで記すとこんな感じで。
Tさんには、とにかく家に帰ったら狐さんたちのことを思って
お香を炊いてあげるのと、カクカクシカジカデ......
焼き芋を彼らを思い食べてあげたほうが良い......と。
決して油揚げじゃないよ!と。

「ちゃんとやりいや!知らんぞ!欲張ると!もう!( ̄Д ̄)」

と伝えたのですが。。
やっぱり神様に愛される人は本当に純粋!?
で凄いなぁとも思い知らされたわけでございます。
いやいや、本当に、飛ぶ車とわ......
本気でそんなことを願ってしまうところが本当にすごいわけで......
後日、Tさんから送られてきた写真。使用のお許しを頂いたので......



キチンとやってくれたようですな。(^_^)よかったよかった。
お香も......わ、ワインも好きなのね!?(・_・;



世界のどこかにあるかもしれない!?狐の宮殿。
そこでガンダルフさんが僕に話してくれた「落ち葉焚き」の焼き芋の話は、
近くに住む人々が時々に集まって、深め、
しめ縄の様に「ヨリ、紡いでいたような何か」の話。
そんなことによって育まれていた近所や地域の何か。
社会、民族、国家、の何か。
自分の子供以外の子供達も、
全く同じように扱うことで育まれるような何か、の話。
大人......それは社会の象徴?
に尽くすと良いことがあると思っている子供達が沢山いて、
子供達は自然に大人を尊敬していて、
そんなことで生まれてくる何かの話。
そんな「何か」の象徴としての「焼き芋」なのではないのかな......と。
そんな「何か」によって叶う願いもあるのですよ......
というコトでもあるのかな?と。
実は、僕は、神様のお話をそんなふうにも感じているのです。


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コメント (2)
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