東京に久方ぶりに降った雪は、
機械的に進む都市の日常には少々の混乱をもたらしたようです。
それでも雪は雨と同じく、いや、雨以上に、
大気中に散らばる細かい塵などを
その白い体に優しく包み込んで大地へと舞い降りてくるようで。
降りやんだ後に晴れ渡った東京の空は、
いつもより格段に透き通った青で輝いていました。
「綺麗だなあ。。」
彼方此方に降り積もった雪から反射してくる光もとても眩しくて。
僕はそんな気持ちで住み慣れた街の空を眺めていました。
「東京とかは、たまに必要だよな。こんな雪。。」
きっと、
毎日除雪に追われるような雪国では
こんな気持ちになるようなことなどは無くて。
そんな場所では、むしろ逆に、
暖かい陽光が降り注ぐ貴重な晴れの日に感じられる気持ちなどと似て、
重なるようなものなのかもしれません。
「こんな雪の日には、
無理していつもの日常をこなす必要なんか無い社会になっていて。
仕事とか学校とかお店とか公共機関とか、
電車やバスとか、
そんなとこもちょっと休みになったり、
何かが免除されたり、
それが皆に許されたり、
そんなことが社会全体で自然と理解されていたりするような、
そんなノリとか空気とか、
文化とかルールとか法律とか......
ま、難しいだろうけど......
でも、そんな社会にはもうなれないのだろうか?
......なれないよなぁ......」
なんて、
プチ混乱している電車の駅の様子などを目にすると、
身勝手にも僕はそんなことまで考えてしまいました。
「これくらいの雪で混乱する都市って......
混乱してしまう集中するオフィスって、
エリアって、仕事って......
人口や経済の偏り方って、有り様って......」
ちょっと複雑な感情も湧いてきて、でも、
そんな気持ちも綺麗に消し去ってしまうほど格段にキラキラな
陽(ひ)の光には不思議と感謝もわいてきます。
灰色で埋め尽くされた巨大な街の中にいても、
この星の美しさに改めて気付かされたりもする、
そんな東京の雪の日と、青い空と光の輝き。
親しい友人に勧められたのがキッカケで読み始めた漫画
「海街diary=うみまちダイアリー」
映画にもなっている吉田秋生(よしだあきみ)さんの人気漫画ですが、
つい最近、その最新巻が出たというので早速買いこんで、
雪の日のカフェで一人ユッタリと読みふけっていました。
巻ごとに付けられているその最新巻のタイトルが
「あの日の青空」でした。
ちょっと気に入ってしまったこの漫画。
描かれているのは鎌倉を舞台にした4姉妹を取り囲む物語で、
「どんな人にも深くて尊い物語があるのだ......」
ということを改めて教えてくれる作品のように感じています。
舞台がご近所でもある鎌倉ということもあり、
よく知っているあの場所も、この場所も、沢山出てきたりして。
そんな部分にもなんだかとても魅かれてしまいます。
そして、この漫画全体を包むトーンというのも、なんとなく、
青と白と、
ピカピカに光る陽(ひ)の光のように思えていたりもします。
白は無垢とか、汚れない、
染まらない「尊さ」みたいなことを象徴しているのでしょうか。
青は海とか空とか、
そんな命の根源、
ミナモトみたいなコトを表しているのでしょうか。
陽の光は、
どんな時も前に進める希望とか前向きな気持ちみたいな、
そんなコトの象徴なのでしょうか。
この漫画にはそんなものが沢山描かれていて、
それでこんな印象を受けるのでしょうか。
物語には時折、キーアイテムとして登場するようなものがあって。
その一つが登山家が生死をかけて登頂に挑んだ世界最高峰の山、
エベレストの山中で撮られた一枚の写真。
僕はこのキーアイテムを巡って交わされる会話や描写が
この漫画の中ではひときわ好きです。
なかでもとても印象的だったものが、
愛すべき登場人物の一人、
「山猫亭」という喫茶店の無愛想なマスターが関西弁で話していた言葉......
「......ええ写真や。
ピントは甘いし
構図はムチャクチャ
けど
あの場所に行ったもんしか撮れん写真や。
すごい空やろ。
あそこはエラい空気が薄い
だから
よけい青が鮮やかになる。
まさに群青(ぐんじょう)や......」
雪が綺麗にした空気がまだ汚れていない翌日。
羽田から福岡へと向かう飛行機の窓から撮った写真。
あまりに綺麗だったもので、つい、パチリ、と。
富士山も。綺麗。
光は澄んだ空気が好きなんだと思います。
雲は空が好きなんだと思います。
白は青が好きなんだと思います。
青も白が好きなんだと......そう、思います。
昔、大学時代。
全国のスキー場を一つ残らず制覇する!
という自己満足この上ない目標を達成した後、
その達成記念!として、
2人の親しい友達と3人で片道の航空券だけ押え。
他はホテルも何も押さえず、
ただ熱い気持ちだけで乗り込んでしまった憧れのカナダのスキー場
「ブラッコム=BLACKCOM」
上の写真は超古い撮りっきりカメラの紙焼きと、
電子化の波に押され今や死に絶えている、そのスキー場のリフト券。
ブラッコムは「ウィスラー=Whistler」という
北米大陸最大のスキー場の隣にあって。
ソコには当時も今も、
世界のモーグルチャンピオンがトレーニングをしている
スーパーなコースにかかる
「7th Heaven=セブンス・ヘブン」
というマニア垂涎のチェア(リフト)があります。
スキーにどハマりしていた僕らは、とにかく、
そのコースとチェアに乗ってみたくて、
はるばるカナダはロッキー山脈の頂上まで行ってみたのでした。
行ってみると、そのチェアより更に上の世界があって。それは
「もし死んだら全ては自分のせいでございます。そーろー。。」
というサインを書かないと決して乗せてもらえない、
ヘリコプターでしか行けない世界。
山頂の氷河に降ろされ、そこから滑り降りるという、
いわゆる「ヘリスキー」の世界。
山で植物や森林が生える限界高度......「森林限界」を超えた高さとなると、
その様相は見渡す限り岩と空しか無い様な世界となります。
そんな世界が雪や氷河に包まれると、
そこは見渡す限り雪と空しか無い世界。
色は白と青しか無い世界となります。
白と青。
そして、クリスタルの様に輝く光の波。
それしか無い世界。
僕らはそんな世界で雪に寝転んで空を見てみました。
嘘でなく、
地球が回っていることが感じられたりします。
白と青しか無い世界。
光の世界。
僕は、
あの日の青空は、
きっといつまでも忘れないと思います(^^)
機械的に進む都市の日常には少々の混乱をもたらしたようです。
それでも雪は雨と同じく、いや、雨以上に、
大気中に散らばる細かい塵などを
その白い体に優しく包み込んで大地へと舞い降りてくるようで。
降りやんだ後に晴れ渡った東京の空は、
いつもより格段に透き通った青で輝いていました。
「綺麗だなあ。。」
彼方此方に降り積もった雪から反射してくる光もとても眩しくて。
僕はそんな気持ちで住み慣れた街の空を眺めていました。
「東京とかは、たまに必要だよな。こんな雪。。」
きっと、
毎日除雪に追われるような雪国では
こんな気持ちになるようなことなどは無くて。
そんな場所では、むしろ逆に、
暖かい陽光が降り注ぐ貴重な晴れの日に感じられる気持ちなどと似て、
重なるようなものなのかもしれません。
「こんな雪の日には、
無理していつもの日常をこなす必要なんか無い社会になっていて。
仕事とか学校とかお店とか公共機関とか、
電車やバスとか、
そんなとこもちょっと休みになったり、
何かが免除されたり、
それが皆に許されたり、
そんなことが社会全体で自然と理解されていたりするような、
そんなノリとか空気とか、
文化とかルールとか法律とか......
ま、難しいだろうけど......
でも、そんな社会にはもうなれないのだろうか?
......なれないよなぁ......」
なんて、
プチ混乱している電車の駅の様子などを目にすると、
身勝手にも僕はそんなことまで考えてしまいました。
「これくらいの雪で混乱する都市って......
混乱してしまう集中するオフィスって、
エリアって、仕事って......
人口や経済の偏り方って、有り様って......」
ちょっと複雑な感情も湧いてきて、でも、
そんな気持ちも綺麗に消し去ってしまうほど格段にキラキラな
陽(ひ)の光には不思議と感謝もわいてきます。
灰色で埋め尽くされた巨大な街の中にいても、
この星の美しさに改めて気付かされたりもする、
そんな東京の雪の日と、青い空と光の輝き。
親しい友人に勧められたのがキッカケで読み始めた漫画
「海街diary=うみまちダイアリー」
映画にもなっている吉田秋生(よしだあきみ)さんの人気漫画ですが、
つい最近、その最新巻が出たというので早速買いこんで、
雪の日のカフェで一人ユッタリと読みふけっていました。
巻ごとに付けられているその最新巻のタイトルが
「あの日の青空」でした。
ちょっと気に入ってしまったこの漫画。
描かれているのは鎌倉を舞台にした4姉妹を取り囲む物語で、
「どんな人にも深くて尊い物語があるのだ......」
ということを改めて教えてくれる作品のように感じています。
舞台がご近所でもある鎌倉ということもあり、
よく知っているあの場所も、この場所も、沢山出てきたりして。
そんな部分にもなんだかとても魅かれてしまいます。
そして、この漫画全体を包むトーンというのも、なんとなく、
青と白と、
ピカピカに光る陽(ひ)の光のように思えていたりもします。
白は無垢とか、汚れない、
染まらない「尊さ」みたいなことを象徴しているのでしょうか。
青は海とか空とか、
そんな命の根源、
ミナモトみたいなコトを表しているのでしょうか。
陽の光は、
どんな時も前に進める希望とか前向きな気持ちみたいな、
そんなコトの象徴なのでしょうか。
この漫画にはそんなものが沢山描かれていて、
それでこんな印象を受けるのでしょうか。
物語には時折、キーアイテムとして登場するようなものがあって。
その一つが登山家が生死をかけて登頂に挑んだ世界最高峰の山、
エベレストの山中で撮られた一枚の写真。
僕はこのキーアイテムを巡って交わされる会話や描写が
この漫画の中ではひときわ好きです。
なかでもとても印象的だったものが、
愛すべき登場人物の一人、
「山猫亭」という喫茶店の無愛想なマスターが関西弁で話していた言葉......
「......ええ写真や。
ピントは甘いし
構図はムチャクチャ
けど
あの場所に行ったもんしか撮れん写真や。
すごい空やろ。
あそこはエラい空気が薄い
だから
よけい青が鮮やかになる。
まさに群青(ぐんじょう)や......」
雪が綺麗にした空気がまだ汚れていない翌日。
羽田から福岡へと向かう飛行機の窓から撮った写真。
あまりに綺麗だったもので、つい、パチリ、と。
富士山も。綺麗。
光は澄んだ空気が好きなんだと思います。
雲は空が好きなんだと思います。
白は青が好きなんだと思います。
青も白が好きなんだと......そう、思います。
昔、大学時代。
全国のスキー場を一つ残らず制覇する!
という自己満足この上ない目標を達成した後、
その達成記念!として、
2人の親しい友達と3人で片道の航空券だけ押え。
他はホテルも何も押さえず、
ただ熱い気持ちだけで乗り込んでしまった憧れのカナダのスキー場
「ブラッコム=BLACKCOM」
上の写真は超古い撮りっきりカメラの紙焼きと、
電子化の波に押され今や死に絶えている、そのスキー場のリフト券。
ブラッコムは「ウィスラー=Whistler」という
北米大陸最大のスキー場の隣にあって。
ソコには当時も今も、
世界のモーグルチャンピオンがトレーニングをしている
スーパーなコースにかかる
「7th Heaven=セブンス・ヘブン」
というマニア垂涎のチェア(リフト)があります。
スキーにどハマりしていた僕らは、とにかく、
そのコースとチェアに乗ってみたくて、
はるばるカナダはロッキー山脈の頂上まで行ってみたのでした。
行ってみると、そのチェアより更に上の世界があって。それは
「もし死んだら全ては自分のせいでございます。そーろー。。」
というサインを書かないと決して乗せてもらえない、
ヘリコプターでしか行けない世界。
山頂の氷河に降ろされ、そこから滑り降りるという、
いわゆる「ヘリスキー」の世界。
山で植物や森林が生える限界高度......「森林限界」を超えた高さとなると、
その様相は見渡す限り岩と空しか無い様な世界となります。
そんな世界が雪や氷河に包まれると、
そこは見渡す限り雪と空しか無い世界。
色は白と青しか無い世界となります。
白と青。
そして、クリスタルの様に輝く光の波。
それしか無い世界。
僕らはそんな世界で雪に寝転んで空を見てみました。
嘘でなく、
地球が回っていることが感じられたりします。
白と青しか無い世界。
光の世界。
僕は、
あの日の青空は、
きっといつまでも忘れないと思います(^^)