若くて果敢なその男性音楽クリエーターさんは、
オフィスで仕事の打ち合わせをした後に、
車で来ているので僕を家の近くまで送ります......
と言ってくれました。
「にゃぬ!?
それは楽ちんで嬉しいっす」
「いえいえ。
ちょうど帰り道の途中なので全然問題ないです」
「マジきゃ!?ありがとー(^^)」
そうして、しばらく車で走っていると、
そのクリエーターさんが最近ぶち当たってしまった理不尽!?
なトラブルの話になりました。
そのトラブルは本来ミュージシャンであり作家でもある彼が
初めて「音楽プロデューサー」として頑張っていた
プロジェクトの中で起きた問題のようでした。
彼はある女優さんの楽曲制作をすることになって。
その女優さんと共に幾人かでチームを組んで、
一緒に楽しく楽曲を作っていたようなのですが。
いざその楽曲を
「リリースしよう!」
となった途端に、突然、女優さんの気持ちが変わり。
せっかく作ったのに発売することが出来なくなってしまった......
というお話し。
作品は先の見えない「お蔵入り」となってしまった......のだと。
まぁ、よくある、ありがちなお話でもあるのですが。
ただ、その一件はプロデューサーとして頑張っていた彼に
大きなショックを与えてしまったようで。
彼としてはどうして?
あれだけ仲良く一緒に音楽を作ってきていたのに?
女優さんがココロ変わりをしてしまったのか?
とても悩み、傷ついてもいるようでした。
自分は何を間違ってしまったのか?
何か落ち度があったのだろうか?
と深く考え込んでいるようでした。
「僕はいったい何を間違ったのでしょうか......
わからないんです。いまだに......」
「ふーーーむむむ......」
「ずっと仲良くやっていたんですよ。
だから突然すぎて理解できなくて......」
僕はこんなお話をしました。
「オレはさ、プロデューサーじゃん。
そのプロデューサーとしての俺から見ると、
君はとてもミュージシャンなんだよね。
素晴らしいクリエーターでミュージシャン。
ドラミングのセンスは抜群で、
凄いベースラインとかも持ってくるじゃん。
今日の打ち合わせでもそうだったし、
今までもずっとそう話してきてるよね。いつも」
「はい。ええ。
とてもありがたいっすけど.....」
「その君が持っている素晴らしい才能と、
プロデューサー業に必要とされる能力やスキル、
問題対応の方法論や実務って、
その君の素晴らしい才能やワークとは違うところにあるのよ。
言い方を極端にするとさ、
もしかしたら正反対の部分があるかもしれないということ」
「はぁ......」
「一つ聞くけどさ、
君は長所の反対ってなんだと思う?」
「???ああ、、、短所!?
ですよね?」
「そう。
じゃあさ、もし、
その短所が無くなったらどうなると思う?」
「??え?
ええーーーっと、、なんでしょう、、
うーーんん、、」
「長所がなくなるんだよ」
「えあ!?あぁ、ああ、、」
「そう思わない?
俺はそう思うんだけど。
長所の反対である短所を削ると、なぜか?
長所も削れてしまったりするもんなんだよ。
反対のものだからだと思うけどね」
「ええ」
「長所って短所が生むものなんだよ。
君は君のクリエイティビティを伸ばすには、
短所も大切にしなければいけないのだよ」
「......」
「さっきも言ったけど、
プロデューサー業とクリエーター業は違うのよ。
君は俺からすると優れたクリエーターだから、
その視点で見ると、
その女優さんの問題は内容を聞いている限り
特に気にすることなんか何もないよ。
話を聴けば聴くほど君に落ち度なんて全くないじゃん。
クリエーターとしては完全な仕事をしてる。
100点満点。
だからそんなふうに悩んでる。
だけどね、
この世界には100点とってもうまくいかないことってあるんだよ。
沢山ある。そんなこと。
だから気にすることない。
満点をとってるんだから。
君は優れたクリーターだから。
そのクリエーターとしてのワークは100点。
でも、プロデュースワークに関しては、
プロデュース業をやっている俺からしたら50点かな。
話を聞いていると足りないところは確かに沢山ある。
そりゃ、最後はそうなる」
「......」
「とにかく、その50点の話より、
そうもしてしまった自分の短所を大切にしてほしいのよ。
それが何よりもまず先に君に言っておきたいこと。
失敗だったとか、ましてや!
欠点を無くそうとか思わないでもらいたいのさ。
無くさなくて良いものだから。短所は。
短所って、ただコントロール出来るようにすればいいのよ。
コントロール。
だからこの問題はクリエイターとしては気にする必要なんか無い。
女優さんてそんなものなのね、、と、
そんなふうに理解しておけばいいだけの案件。
誰も悪くない。
誰も間違っていない。
だから、そういうもんなんだ、と、
その理解だけで十分」
「......」
「もし、君がココからプロデューサーとしてやっていきたい!
と固く決心をするのであれば、
優れたクリエーター、
ミュージシャンとしての才能は無くしてしまうんだ、、、
という覚悟はしてほしいかな。
その覚悟を決めてくれれば
プロデューサーとして50点であった部分の話をしようか。
色々あるからな。それは。
君が想定していたかもしれない問題や、
女優対応のイメージや方法論が10あるとしたら、
その3倍ぐらいは君が考えておくべきであったコトゴトがあるけど。
どうする?
聞きたい?
プロデューサー業に専念すると決心する?
それなら話すし、
今から君を立ち直れないぐらいドン詰めしていくけど。
どう?」
「......」
「な。
君は優れたクリエーターなんだよ。
今は、ね。
しばらくはソレで進めばいいんだよ。
自分でもそう思ってるんだから。
だから気にするな。満点だ。
決して自信を無くすな。
そんな理解で良い案件」




——————昔。
とある神様にこんなことを言われたことがあります。
=======================
人は欠点を失うと長所も失う。
欠点があるから長所がある。
欠点は長所のためにある。
=======================
僕さんとしては、
今も大切にしている言葉であったりします。
オフィスで仕事の打ち合わせをした後に、
車で来ているので僕を家の近くまで送ります......
と言ってくれました。
「にゃぬ!?
それは楽ちんで嬉しいっす」
「いえいえ。
ちょうど帰り道の途中なので全然問題ないです」
「マジきゃ!?ありがとー(^^)」
そうして、しばらく車で走っていると、
そのクリエーターさんが最近ぶち当たってしまった理不尽!?
なトラブルの話になりました。
そのトラブルは本来ミュージシャンであり作家でもある彼が
初めて「音楽プロデューサー」として頑張っていた
プロジェクトの中で起きた問題のようでした。
彼はある女優さんの楽曲制作をすることになって。
その女優さんと共に幾人かでチームを組んで、
一緒に楽しく楽曲を作っていたようなのですが。
いざその楽曲を
「リリースしよう!」
となった途端に、突然、女優さんの気持ちが変わり。
せっかく作ったのに発売することが出来なくなってしまった......
というお話し。
作品は先の見えない「お蔵入り」となってしまった......のだと。
まぁ、よくある、ありがちなお話でもあるのですが。
ただ、その一件はプロデューサーとして頑張っていた彼に
大きなショックを与えてしまったようで。
彼としてはどうして?
あれだけ仲良く一緒に音楽を作ってきていたのに?
女優さんがココロ変わりをしてしまったのか?
とても悩み、傷ついてもいるようでした。
自分は何を間違ってしまったのか?
何か落ち度があったのだろうか?
と深く考え込んでいるようでした。
「僕はいったい何を間違ったのでしょうか......
わからないんです。いまだに......」
「ふーーーむむむ......」
「ずっと仲良くやっていたんですよ。
だから突然すぎて理解できなくて......」
僕はこんなお話をしました。
「オレはさ、プロデューサーじゃん。
そのプロデューサーとしての俺から見ると、
君はとてもミュージシャンなんだよね。
素晴らしいクリエーターでミュージシャン。
ドラミングのセンスは抜群で、
凄いベースラインとかも持ってくるじゃん。
今日の打ち合わせでもそうだったし、
今までもずっとそう話してきてるよね。いつも」
「はい。ええ。
とてもありがたいっすけど.....」
「その君が持っている素晴らしい才能と、
プロデューサー業に必要とされる能力やスキル、
問題対応の方法論や実務って、
その君の素晴らしい才能やワークとは違うところにあるのよ。
言い方を極端にするとさ、
もしかしたら正反対の部分があるかもしれないということ」
「はぁ......」
「一つ聞くけどさ、
君は長所の反対ってなんだと思う?」
「???ああ、、、短所!?
ですよね?」
「そう。
じゃあさ、もし、
その短所が無くなったらどうなると思う?」
「??え?
ええーーーっと、、なんでしょう、、
うーーんん、、」
「長所がなくなるんだよ」
「えあ!?あぁ、ああ、、」
「そう思わない?
俺はそう思うんだけど。
長所の反対である短所を削ると、なぜか?
長所も削れてしまったりするもんなんだよ。
反対のものだからだと思うけどね」
「ええ」
「長所って短所が生むものなんだよ。
君は君のクリエイティビティを伸ばすには、
短所も大切にしなければいけないのだよ」
「......」
「さっきも言ったけど、
プロデューサー業とクリエーター業は違うのよ。
君は俺からすると優れたクリエーターだから、
その視点で見ると、
その女優さんの問題は内容を聞いている限り
特に気にすることなんか何もないよ。
話を聴けば聴くほど君に落ち度なんて全くないじゃん。
クリエーターとしては完全な仕事をしてる。
100点満点。
だからそんなふうに悩んでる。
だけどね、
この世界には100点とってもうまくいかないことってあるんだよ。
沢山ある。そんなこと。
だから気にすることない。
満点をとってるんだから。
君は優れたクリーターだから。
そのクリエーターとしてのワークは100点。
でも、プロデュースワークに関しては、
プロデュース業をやっている俺からしたら50点かな。
話を聞いていると足りないところは確かに沢山ある。
そりゃ、最後はそうなる」
「......」
「とにかく、その50点の話より、
そうもしてしまった自分の短所を大切にしてほしいのよ。
それが何よりもまず先に君に言っておきたいこと。
失敗だったとか、ましてや!
欠点を無くそうとか思わないでもらいたいのさ。
無くさなくて良いものだから。短所は。
短所って、ただコントロール出来るようにすればいいのよ。
コントロール。
だからこの問題はクリエイターとしては気にする必要なんか無い。
女優さんてそんなものなのね、、と、
そんなふうに理解しておけばいいだけの案件。
誰も悪くない。
誰も間違っていない。
だから、そういうもんなんだ、と、
その理解だけで十分」
「......」
「もし、君がココからプロデューサーとしてやっていきたい!
と固く決心をするのであれば、
優れたクリエーター、
ミュージシャンとしての才能は無くしてしまうんだ、、、
という覚悟はしてほしいかな。
その覚悟を決めてくれれば
プロデューサーとして50点であった部分の話をしようか。
色々あるからな。それは。
君が想定していたかもしれない問題や、
女優対応のイメージや方法論が10あるとしたら、
その3倍ぐらいは君が考えておくべきであったコトゴトがあるけど。
どうする?
聞きたい?
プロデューサー業に専念すると決心する?
それなら話すし、
今から君を立ち直れないぐらいドン詰めしていくけど。
どう?」
「......」
「な。
君は優れたクリエーターなんだよ。
今は、ね。
しばらくはソレで進めばいいんだよ。
自分でもそう思ってるんだから。
だから気にするな。満点だ。
決して自信を無くすな。
そんな理解で良い案件」




——————昔。
とある神様にこんなことを言われたことがあります。
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人は欠点を失うと長所も失う。
欠点があるから長所がある。
欠点は長所のためにある。
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僕さんとしては、
今も大切にしている言葉であったりします。