雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

ボウイ哀悼

2016-01-12 00:32:34 | 感謝...映画/音楽/珈琲
アルバム「ジギー・スターダスト」
音楽ビジネスの世界で長く暮らして来た中で、
僕が最も影響を受けたアルバムの一つです。
原題は
「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」
直訳すれば
「ジギー・スターダストの成功と没落、そして火星から来た蜘蛛達」
という感じでしょうか。
ロックスター「デヴッド・ボウイ(David Bowie)」の名声を
確固たるものにしたアルバムだと思います。
そして、
僕という個人の中での彼の存在をスーパーなものにした一枚でもあります。



そんな彼が、つい先ほど、
亡くなったのだそうです。




僕の音楽体験の中心は1980~90年代にあるので、
冒頭にある1972年に出された、
この彼のアルバムとの出会いというのは決してリアルタイムではなく。
「レッツ・ダンス=Let's Dance」というアルバムがきっかけとなって、
彼のアルバム全てを遡って聞いていった......
という時に出会った作品でした。

最初に聴いた時は、
音質やレコーディングに若干の古さを感じたものの、
そんなものを簡単に吹き飛ばしてしまう楽曲クオリティーの高さと
駄曲の無さに脅かされました。
一聴するとバラエティーに飛んでいる楽曲群を、
纏まりと一貫性を感じさせながら聞かせてしまう圧倒的な存在感のボーカル。
アルバム構成の上手さ。コンセプト。
ビジュアルの斬新さ。
ファッション性。
アート感。
聞いていると何故か?感じられる、
地上を離れた宇宙的な空気感。浮遊感。
どこから切り込んでみても素晴らしい作品に思えました。

後に、
僕の大好きな映画「2001年宇宙の旅」などにも
インスパイアされていたような事実も知るのですが。
そんな「宇宙的」なコンセプトも一聴した瞬間に伝わってくるくらい、
全体のサウンドの中にしっかりと編み込まれているアルバムでした。
僕はそんなこのアルバムの全てに魅了され、
そのまま全ての曲を歌えるくらいまで聞き込んで。
そして今でもドライブや部屋で時折聞いてしまう
「かけがえのない」アルバムとなってもいます。

音楽のパッケージが若者文化の頂点に君臨していた時代。
先端的なアートもヘア・メイクもファッションも、
カメラも写真もイラストレーションもグラフィック・デザインも。
言葉も楽器もハードウェアも。
そんな全てが一つの音楽パッケージの中に集まって表現され、
発信もされていた時代。
音楽が様々な分野のトップアーティストやクリエーターや
エンジニアまでもが集う場であった時代。
だから僕は
「絶対!音楽プロデューサーになってやる!」
と思った、そんな時代。
そんな時代のスーパースター。
カルトスター。



そんなボウイをこんな陳腐なところで語ろうなんてしても......



グラムロック、マーク・ボラン、ロキシーミュージック、ルーリード
戦場のメリークリスマス、ゲイカルチャー、アンディ・ウォーホール、
あの沢田研二だってサディスティックミカバンドだってBOOWYだって。
坂本龍一だって、忌野清志郎だって、THE YELLOW MONKEYだって、
ミック・ロンソンだってクィーンだって、
フレディー・マーキュリーだって、
カルチャークラブだって、ボーイ・ジョージだって、
デュランデュランだって、
ナイル・ロジャースもブライアン・イーノも......
あの人も、この人も、
あの音楽もあの文化も、
あの映画も、ファッションも......
ライブだって、ステージだって......
もう、これから、
何百、何千の人々やアーティスト、
作家や批評家やメディアが、
哀悼と敬意と悲しみと慈しみと愛に満ちた言葉を綴り、
発信していくのだと思います。
それはきっと、
この星の時空に深く刻み込まれていくものだとも思います。
だから僕は、僕なりに、
考えて、考えて、考えて、考えて、
それで、わずかな言葉が浮かぶので、
今日はそれをここに記し残しておきたく思います。



寂しいです。
ボウイのいない世界が、
なんだかとても寂しいです。
ずっと素晴らしい音楽を届けてくれて有難うございました。
あなたの音楽は僕の体の中で永遠に鳴り続けていく宝物です。



「FIVE YEARS/David Bowie」
Pushing thru the market square, so many mothers sighing
News had just come over, we had five years left to cry in
News guy wept and told us, earth was really dying
Cried so much his face was wet, then I knew he was not lying

I heard telephones, opera house, favourite melodies
I saw boys, toys electric irons and T.V.'s
My brain hurt like a warehouse, it had no room to spare
I had to cram so many things to store everything in there
And all the fat-skinny people, and all the tall-short people
And all the nobody people, and all the somebody people
I never thought I'd need so many people


A girl my age went off her head, hit some tiny children
If the black hadn't a-pulled her off, I think she would have killed them
A soldier with a broken arm, fixed his stare to the wheels of a Cadillac
A cop knelt and kissed the feet of a priest,
and a queer threw up at the sight of that


I think I saw you in an ice-cream parlour
Drinking milk shakes cold and long
Smiling and waving and looking so fine
Don't think you knew you were in this song


And it was cold and it rained so I felt like an actor
And I thought of Ma and I wanted to get back there
Your face, your race, the way that you talk
I kiss you, you're beautiful, I want you to walk


We've got five years, stuck on my eyes
Five years, what a surprise
We've got five years, my brain hurts a lot
Five years, that's all we've got

Five years......Five years......Five years......



「五年間/デビッドボウイ」
マーケットスクエアを通り抜けたとき沢山の母親たちが嘆き悲しんでいた
ニュースが出たんだ
「僕達には泣くだけの5年間しか残されてない」
というニュースが

ニュースキャスターは泣きながら
「地球はもう本当に死につつある」
と伝えている
彼の顔は涙ですっかり濡れていて
だから僕は彼がウソを言ってないというコトがわかったんだ

だから僕は聞いたんだ
電話の音を、オペラ・ハウスの音を、大好きなメロディー達を
だから僕は見たんだ
少年達を、オモチャを、アイロンやテレビを

僕の脳は倉庫のように痛む
もう詰め込むスペースは無いんだ
僕は全てを記憶するために沢山のモノを詰め込んだんだ

全ての太った人も、痩せた人も、
全ての背の高い人も、背の低い人も
全ての名のない人も、名のある人も
僕は今までこんなにたくさんの人々が必要だと思ったことはなかったんだ



僕と同じくらいの歳の女の子は気が狂って小さな子供達を叩いていた
黒人が女の子を引き離さなかったら、彼女は子供を殺してしまっていただろう

腕の折れた兵士はキャデラックの車輪を見つめたまま動かない
警官はひざまづき、牧師の足にキスしてる
それを見た同性愛者は吐いていた



僕は君のコトを考える
アイスクリーム・パーラーで冷たくたっぷりと入ったミルクシェイクを飲んでいた君を
笑いながら、揺れながら、とても素敵な君
そんな君は君がこの歌に出てくるなんて夢にも思わないだろうけど



寒くて、雨が降っていて、僕は役者のような気分だった
僕は母親を想い、そこに帰りたいと思った

キミの顔、キミの仲間、キミの話し方
キスするよ、キミはキレイだ、一緒に歩きたいんだ



僕達には5年しかない、僕の目に焼き付いている
僕達には5年しかない、なんてコトだ
僕達には5年しかない、僕の脳はひどく痛む
僕達には5年しかない、それが僕達の全てだ

5年間……5年間……5年間……



———————彼の歌は「星の時代」と思える今だからこそ、
とても強く響いてくるようにも感じます。


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