新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療で50兆円の新規市場:その先駆けになるのか徳洲会?

2012-07-11 21:15:22 | 医療

ちょっともう一つ紹介します。

 

環境・医療で100兆円市場創出…再生戦略原案

 政府が経済成長と財政健全化の両立を目指して、月内に発表する「日本再生戦略」の原案全文が明らかになった。

 成長が見込める環境関連分野と医療・介護分野で2020年までに計100兆円の市場を創出し、計420万人を超える新たな雇用を生み出すことが柱だ。これにより、デフレを脱却し、20年度までの平均で名目成長率を3%、実質成長率を2%に高めることを目指す。

 日本再生戦略は、環境や医療・介護のほか、「観光立国」など計11分野について具体策を盛り込んだ。

 環境分野では、太陽光など再生可能エネルギーの利用拡大に加え、20年までに、新車販売に占める電気自動車や燃料電池自動車の割合を最大50%にする目標を掲げた。この結果、市場規模が現在より約50兆円膨らみ、新たに140万人の雇用を生み出すとしている。

2012年7月11日03時08分 読売新聞)
 
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この記事の続き(紙面)では海外への積極進出などで医療分野で50兆の新規市場と284万人の雇用につながるとある
 
さて、その海外積極進出の先駆けになるのか…という記事があるので紹介します。
 
CBです
 
【徳洲会解剖2】加速する海外進出- ブラジル、アフリカ諸国…

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37635/page/0.html

徳洲会グループは2006年、ブルガリア国内に「ソフィア徳田病院」を建設し、日本の医療関係者を驚かせた。同病院は、ベッド数1016床のマンモス病院。CTやマンモグラフィーなどの医療機器をそろえ、現在では医師289人、看護師509人の体制を整えた。総額1億ユーロ規模(約130億円)の資金は、日本国内で調達した。徳洲会によると、ブルガリアに病院ができたのは約40年ぶりといい、同病院にはブルガリア国内だけでなく、欧州諸国や中近東からも患者がやって来る。【兼松昭夫、君塚靖】


 徳洲会グループは今後、海外進出を本格化させる9月には、資金協力したブラジルのハートセンター(130床規模)がフルオープン。同病院は、バチスタ手術の考案者として知られるバチスタ医師の医療活動を全面的にサポートしている。

 アフリカでは、エチオピアで建設中の病院を現地政府と共同運営する形で「徳田エチオピア病院」の開設を計画中。これとは別に、アフリカ20か国で官民のパートナーシップ「PPP」(パブリック・プライベート・パートナーシップ)方式による病院建設を計画しており、そのための資金として、「アフリカ開発銀行」から約1億ドルの融資を既に確保している。まず、モザンビーク、ジブチ、ザンビア、ウガンダ、ルワンダで病院を建設する予定だ。このほかにも、英国やロシアなどで病院建設の構想がある。

 海外進出は徳洲会にとって悲願の一つ。徳田虎雄理事長は、世界200か国への進出という途方もない構想を、かねてから掲げている。
 とはいえ、実際の進出は現地から要請があり、十分な協力を得られることが条件。徳洲会は、日本国内で培った病院運営のノウハウを諸外国に提供するというスタンスで、各病院の利益は国外には持ち出さず、医療機器などに再投資する。さらに、医師、看護師などの医療スタッフも現地でそろえるなど、独立採算を目指す。

 不安な要素もある。ブルガリアでは近年、医療関連の予算の大幅削減が進められている。欧州全体が深刻な経済危機に見舞われて景気回復の兆しは見えない。厳しい“冬の時代”の中で、病院経営は正念場を迎えている。

■国内では自治体病院の継承が本格化
 日本国内では、自治体病院の経営を引き継ぐ動きを加速させつつある。
 徳洲会ではこれまで、「垂水徳洲会病院」(鹿児島県垂水市)や「新居浜青洲病院」(愛媛県新居浜市)など11病院を、ほかの経営主体から継承している。10年には、医師不足で財政難にあえぐ「榛原総合病院」(静岡県牧之原市)の指定管理者として、自治体立の運営を初めて引き継いだ。

 徳田理事長は「あと5、6年もしたら、赤字経営に耐え切れなくなる公立病院がたくさん出てくるだろう」と予測する。実際、奈良県生駒市の「生駒市立病院」の指定管理者になることが既に決まっている。ほかにも複数の自治体から病院継承の打診がある。

 とはいえ、自治体病院を運営するのに必要なだけの医師を確保することは、徳洲会にとっても大きな負担だ。このため、運営を引き受けるかどうかは慎重に判断する。地元から協力を得られるかどうかや、ほかに引き受け手があるかどうか、医療ニーズの状況などが重要な判断基準になる。
 榛原総合病院の引き受けに対しては、グループ内部に当初、慎重論が強かったが、徳田理事長の鶴の一声で継承を決めた。
■医師会加入は40病院
 新しく病院を建設する際、特に心を砕くのが地元医師会との関係づくりだ。現在の規模に発展するまでの過程で、徳洲会グループは各地の医師会と対立を深めた経緯がある。
 同グループが本格的な全国展開に乗り出したのは、1970年代後半以降のこと。
 79年には、「福岡徳洲会病院」(福岡県春日市)、「宇治徳洲会病院」(京都府宇治市)を相次いで建設。これに、各地の医師会が激しく反発した。翌80年には、関東進出の足掛かりとなる「茅ヶ崎徳洲会総合病院」(神奈川県茅ヶ崎市)の建設をめぐり、医師会と対立。一連のやりとりは、“茅ヶ崎戦争”などとマスコミに大きく取り上げられた。

 しかし、今ではこうした関係も大きく変化している。福岡、宇治、茅ヶ崎を含め、全66病院のうち既に40病院が医師会に加入済み。同グループでは、開業医の世代交代が進んだり、これまでの取り組みが評価されたりした結果との見方だ。残りの病院でも加入を目指すのが基本スタンスで、こちらから逆紹介を積極的に行うよう本部から呼び掛けている。

 能宗克行事務総長は、「実態を理解されていないので怖がられるけど、実際は役割分担できていて、各地で評価されている。いまだに受け入れられない地域もあるが、時間が解決してくれるはずだ」と話す。

 医師会に加盟しなくても、地元で良好な連携体制を構築できているケースもある。「湘南鎌倉総合病院」(神奈川県鎌倉市)がその典型だ。同病院では、ほかの医療機関から紹介されて入院した患者が、今年1-4月に665人いた。昨年同期と比べると112人の増で、グループ最多を誇っている。
 
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さて、時代の先駆けのような動きをしている徳洲会ですが、この海外進出はどのような影響を与えていくのでしょうか。
 
もちろん、利益は得るのだと思いますが…経営ノウハウを相手に提示して、地元の利益になっているのであれば「Win-Win」の関係であり、うまくいくのかもしれません。
 
 
あ~なんか喉がいがらっぽい。葛根湯でも飲んで寝ようかしら・・・・。
 

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着床前診断:何に注目するかで是非が分かれるのでは?

2012-07-11 20:37:10 | 医療

こんばんは

 

今日も一日が終わりました。いろいろと職場の人の健診結果を見ながら、どうやって指導するべきかを考えています。まぁ、時間を見つけて全員来るように言うつもりですが、来週からの新婚旅行の後は仕事の予定が詰まっているので(泊まり込み)、その合間にやっていけるかどうか・・・。

 

まぁ、僕がいる間にいろいろやりきらないといけません。

 

さて、本日は非常にもめそうな記事が出ていましたので紹介します。

着床前に全染色体診断 神戸の産婦人科医院

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20120711-00000028-nnn-soci

日本テレビ系(NNN) 7月11日(水)12時54分配信

 神戸市の産婦人科医院で、不妊治療の患者を対象に、全ての染色体を着床前に診断し、出産が行われていたことがわかった。体外受精させた受精卵が数個の細胞に分裂した段階で一部を取り出し、染色体や遺伝子などに異常がないか検査を行うもので、産婦人科学会はこの検査を認めておらず、議論を呼びそうだ。

 着床前診断を行っていたのは、神戸市中央区の「大谷レディスクリニック」。大谷徹郎院長によると、クリニックでは、去年2月~今年5月に、不妊治療中の25~45歳の患者129人に、受精卵の全ての染色体を着床前に調べる新型の検査を実施し、50人が妊娠、19人が出産したと発表した。

 大谷院長「一刻も早く小さな命を手に抱いてほしいというのが私の気持ち。(Q逆に命を選んでいるのでは?)命を選んでいるのではなく、生きる、生まれる受精卵を選んでいるのです

 クリニックは「不妊に悩む女性を救う技術」としているが、日本産婦人科学会は、診断の条件として、重い遺伝病の患者などに限定しており、「見解を逸脱している可能性があり、内部委員会で今後議論する」としている。

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着床前に全染色体を診断 神戸の産婦人科医で19人出産 学会指針に違反

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120711/wlf12071111390007-n2.htm

2012.7.11 11:32 (1/2ページ)編集長オススメ

記者の質問に答える大谷レディスクリニックの大谷徹郎院長=11日午前、神戸市中央区(甘利慈撮影)

 体外受精した受精卵を母体に戻す前にすべての染色体を検査し、異常の有無を確かめる新型の「着床前診断」を、神戸市中央区の大谷レディスクリニック(大谷徹郎院長)が129例実施し、19人が出産したことが11日、分かった。これまでの着床前診断は染色体の一部しか調べられなかったが、新型は全染色体の異常がわかる。同医院は「流産の原因の多くは染色体異常で、この方法は母体に負担となる流産を減らすことができる」としている。

 しかし、染色体異常が見つかった受精卵は患者の同意を得た上で破棄するため「命の選別」につながるなどとして、日本産科婦人科学会が着床前診断そのものを会告(指針)で重い遺伝病を除き認めていない。ただ、法律上の規制はなく、同医院は今回の診断も学会に申請せずに実施した。

 大谷院長は、平成14年から受精卵の細胞の一部を取り出し23対(46本)ある染色体の一部を調べる着床前診断について、患者の同意を得て実施。今回の方法は、全染色体を調べる「比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)法」と呼ばれ、ほぼ確実に異常を見つけ出すという。

大谷院長によると、昨年2月から今年5月にかけ、129組の夫婦に、1回ずつ新型診断を実施。患者の年齢は25~45歳で、いずれも受精卵の染色体異常が原因で着床しなかったり、流産を経験しているという。129組のうち受精卵が順調に育ち、子宮に戻せたのは70組。50人が妊娠、19人が出産に至った。3人は流産した。28人が現在妊娠中。この診断で受精卵を子宮に戻した患者の妊娠率は約7割で、診断を行わない妊娠率の3倍近いという

 大谷院長は「(新型診断は)流産の主な原因である染色体異常を取り除くことができる。流産を減らしていくのは医者の責務だ。学会にはデータを踏まえて診断を認めてほしい」としている

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難しいですよね。

 

人工授精自体も論争を呼んでもよいのですが、人工受精した受精卵を子宮に戻す前に遺伝子診断をする。

 

片方が「命の選別」につながるといい、もう片方が「あくまで正常に発育するであろうものを選んでいる」という

 

僕はどちらも選んでいるには違いないのですが、何に注目するかで是非が問われるのではないかと思っています。

 

この行為が神をも恐れぬ「遺伝子異常がある人間が生まれてこないようにする」行為であるといえば、そういう考え方もできると思います。

一方で妊娠して流産してしまうのは母体を中心に見ると「時間」も奪ってしまうし、流産することで母体にダメージが行くかもしれない。僕に言わせれば時間が一番重要でしょうね。子供と共に過ごす時間だったり、胎児を育てていくにも体の負担は年をとれば大きくなるでしょうから。

 

考え方次第だと思います。

 

この文章を見ながら「銀河英雄伝説」を思い出しました。あれで出てきた「劣悪遺伝子排除法」というのがありますが、そういう「選民思想」のようなことを恐れるのが産婦人科学会の考えなのでしょうか。たぶん、「性悪説」的な考え方になるのかもしれません。

逆にこの院長先生はもしかすると「性善説」的な考えかもしれませんね。そんなことを考える人間はいないだろうと・・・。まぁ、甘い気もしますが・・・・

 

僕はこれに関しては賛成も反対もないです。ただ、多分流産してしまう場合はやはり何らかの原因があると思います。遺伝的なものもありますし、リン脂質抗体症候群のように血栓傾向で生じるものもあるかもしれません。堕胎を繰り返せば子宮の内部が傷ついてかさぶたのようになってしまい、なかなか妊娠できなくなったりもするでしょう。

ただ、高齢出産が多くなってきた場合(今後ですね)はもしかすると、こういう形でないとなかなか妊娠できないかもしれませんよね。年齢が上昇すればするほど染色体異常の確率は上昇するわけですから、ある程度は考えないといけなくなるかもしれないと・・・。

 

この辺のことは「考え方の違い」だと思いますので、お互いの考え方を尊重しながら認めてもよいかもしれないとは思います。この方法が必要な方々がいると思うので。

 

皆さんはどう思われますか?

 

 

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