新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

明日から仕事でしばらく留守です

2012-07-23 22:29:28 | Weblog

さて、どうでもいい話ですが…・明日から仕事でしばらく留守にします。

 

その間はやはり記事が書けませんが、皆様今後ともどうかよろしくお願いいたします。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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西洋医学の限界?:パラダイムシフトは重要だが、その段階ではまだないと思う

2012-07-23 21:31:10 | 医学系

こんばんは

 

今日は夕方から健康診断で異常のあった方々のところへ出向き、健康指導を実施して回りました。その前にもいろいろやることがあって(明日中に終わらせなくてはならない仕事が2つあるのですが、明日に回しましたw)、午前中はそちらをしていたのですが・・・・。

 

健康指導をして回り、何年かにわたって異常のある方々がようやく認識してくれたということがあり「生活指導」や「健康診断の説明」の重要性を改めて認識したところです。

 

ほとんどの方々は異常があるといわれても症状がなければ「指示がないから大したことはないのだろう」と思ってしまいます。そして症状が出たときには手遅れになってしまう。これでは何のための健康診断かがわからない。

今日は一人短くて5分、長い人だと20分ほどしゃべっていたのですが…それでもかなり「事実」を理解してもらえたと思います・。

 

やる僕もかなり根気がいるのですけど…(何十人と健診結果を持ちながら異常を言って回るわけですから)

 

さて、本日はこちらの記事が気になったので紹介します。

 

「西洋医学は限界」、自然治癒力の見直しを

 

 一般社団法人「国家ビジョン研究会」が20日に開いたシンポジウムでは、医師や看護師らが参加したパネルディスカッションが行われ、統合医療や看護、臨床研修制度など、幅広いテーマで意見が交わされた。シンポジストからは、「西洋医学は限界に達している」との声が上がり、薬に頼らない食事療法や、患者を内面から支える看護ケアなど、自然治癒力を高める治療の効果を見直す必要があるとの意見が出た。

 東京都新宿区の丹羽クリニック院長で、同区医師会理事の丹羽正幸氏は、治療法におけるパラダイムシフトの必要性を繰り返し強調した。開業後、4万人以上の難治性疾患患者を診察してきたという丹羽氏は、西洋医学だけの治療法が限界に達しているとした上で、「自然治癒能力がこれからのテーマになる」と指摘。体の各組織や精神までを多面的に治療する「融合医療」で、可能な限り医薬品を使用しないことが望ましいとした。

 また、社団法人「生命科学振興会」理事長の渡邊昌氏は、日本の医療費が増え続ける中で、経済的な観点から「食べること」の意義を指摘。糖尿病や高血圧など生活習慣病の治療では、食生活の改善の方が、医薬品の投与よりも効果が高い場合がある上、それが医療費の節約にもつながるとし、「患者が自己の治癒力を知ることが大事だ」と述べた。

■「日本版ACGME」の創設求める意見も
 一方、臨床看護学研究所の所長で、日本赤十字看護大名誉教授の川嶋みどり氏は、患者の高齢化や病院の在院日数の短縮化などで、看護の現場が危機に陥っているとし、「(患者の)手に触れ、癒やし、慰める方法から遠ざかっている」との懸念を表明。その上で、患者の生活を支える「療養上の世話」の重要性を指摘し、厚生労働省が検討している看護師の認証制度については、改めて反対の立場を示した。さらに、看護職員の配置人数によって入院料が決まる現行の診療報酬体系を改め、費用対効果や患者のQOL(生活の質)に基づいた看護の報酬に見直すよう求めた。

 このほか、野口医学研究所理事長でハワイ大教授の町淳二氏は、米国での臨床経験から、日本の臨床研修制度の問題点を指摘した。町氏は、米国では1980年代に、医師会の主導で「ACGME」が設立され、卒後の臨床研修の認可制が導入されたことを説明。学会が認定する日本の専門医制度では、臨床レベルの「標準化」が進まないとして、研修施設の認定を行う第三者機関が必要だとした。【敦賀陽平】

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さて、この話はとても重要なことだと思いますが、正直まだ早いと思います。何を持って西洋医学の限界としているかはわかりませんし、なんの疾患群が対象かもよくわかりません。

ただ、ここで書かれている「生活指導」「食事指導」などを本当にじっくり行うことは重要だと思います。

 

また、僕も西洋医学と東洋医学の両刀使いでありたいと勉強しています。

理由は二つ

1つはものの見方が全く異なる二つの考え方を知ることは僕の見識を広げ、患者さんへの治療方法を広げてくれると思うから。実際に西洋医学を中心に漢方医療を少し加えることでかなりよい結果を得ていると自分では実感しています。まぁ、独学なので(少し手ほどきを受けたり、ツムラのセミナーには参加しましたが)すべてを漢方でというわけにはいきませんが・・。

以前も書きましたが漢方医学は「もっともよい状態」が中央にあるとすれば、病気の状態はいずれかの方向にずれているという考え方です。原因はいろいろありますが、ずれる方向と症状などで薬をチョイスしている感じでしょうか。同じ風邪であってもずれている状況(患者さんの体力だとか、時期だとか・・・・。これは西洋医学的にも説明できるんですよ)で使用する薬は違います。

また、前も書きましたが診察するにも西洋医学的な「原因」を中心に考える考え方と、東洋医学の「証」を見る考え方は診方、考え方が異なるので非常に診療している側としても面白いですし、患者さんには失礼ですが一粒で2度おいしい感じです。そしてそれが患者さんのためになるなら両刀使いが一番・・・という僕の結論です。

 

ただ、自然治癒力を高める・・・という「ちょっと気になる」書き方の記事だったので、記事の先生をGoogleで調べてみました。

http://www.niwa-clinic.com/chouatsumennekiryouhou.html

 

実際に免疫力というのは重要です。僕が血液内科医になったのは「免疫療法」に興味があったからと以前も書きました。免疫療法も調べると…例えばがん腫によって自然免疫が効きやすい癌の種類と、特異免疫が効きやすい癌種とがあります

なんとなくわかってきていますが、まだまだ何もわかっていないとも言えます。逆にこれが解明できれば「がん」に関してはどうにでもできると思います。僕が目指すのはそこです

 

西洋医学では原因にターゲットを絞るので「個々のがん腫」に対する薬剤を作る方向になると思います。薬剤のオーダーメイド化ですね。それは恐らく進めば癌を駆逐していくかもしれませんが、限界があるといえばその通りです

 

がんは一部はウイルスなどが原因のものもあります(ATLLやEBVが絡む各種のがん(咽頭がんや一部のリンパ腫、ホジキンリンパ腫など)、子宮頸がん、肝臓癌などなど)。しかし、基本的に「がん」という異常ができてしまったものを除去する機能が加齢とともに低下したり、がんが免疫から逃げる能力を防ぐことができれば・・・おそらく「がん」は駆逐できるのだろうと思います

 

僕は感染症や膠原病よりは「がん」は駆逐しやすいものだと思っています。

 

かといって、今の時点で免疫療法を主体にやろうなどというのはナンセンスに尽きると思います。

 

皆免疫も重要だというのはわかっていると思います。ただ、大きな枠組みよりは今は細分化した方が攻めやすいというのも事実だと思います。

慢性骨髄性白血病のように「異常な遺伝子」が作り出す物質を抑えてしまえば癌自体をコントロールすることができるようになるかもしれません。今はその流れです。

 

それがすべてではないのは事実ですが、免疫療法だけでどうにでもなるというのは今の時点では無理です。あくまで現時点での標準療法が上手くいかない人が「試すべき」ものだと思っています

もちろん、記事にも「可能な限り薬物を使用しない」としか書かれていませんがw

 

皆様はいかが思われますか?

 

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