新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療と教育:将来の税収増と競争力強化のためには必要不可欠ではないかと思いますが?

2008-07-24 22:39:23 | 複合記事

最後にもうひとつ。

本当はCBの記事「ER型救急は「ペペロンチーノ」(上)(下)」

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17309.html

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17320.html

を読んで、記事を書こうと思ったのだが・・・記事を書く必要がないくらい細かく書いてあるので、紹介のみにします。

いつも思いますが、CBの記事は「医療専門」だけに良い記事が多いです。

 

さらに東北の地震の話も書きたいのですが、マグニチュードが大きかった割に被害が少なくてよかったです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000962-san-soci

昨夜、実はこの地震で目が覚めました(39℃超えていたので・・・2時間くらいおきに目は覚めていたのですけど…はっきり覚醒したのはこのタイミング)。

下に降りてテレビをつけると…大きな地震だ。

「大丈夫かな・・・。いずれにせよ、明日の朝にならないと状況はわかるまい・・・・」

と思い、もう一度寝ました。朝起きたら、停電なども起きていないようでしたし…意外とライフラインは保っていそうだと思い安心しました。

 

今日の最後の記事は・・なぜか経済関係です。

ただ、経済はもちろん専門家ではありませんので、医師の目で…というか、僕の目で見た「一意見(私見)」を書いてみたいと思います。

 

とどのつまり、医療政策などをほっておくと「若者の数が減る」=将来の税収が減る、学問や企業、様々な分野を支える人間の数が減る・・・すべてにおいて悪化する…ということを言いたいだけですけど。

毎日新聞です

経済財政諮問会議:基礎的財政収支の赤字幅が大幅拡大http://mainichi.jp/life/money/news/20080723k0000m020119000c.html

内閣府は22日の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)に経済財政の中期見通しについての最新の試算を提出した。景気低迷による税収の下振れを主因に11年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字幅が、今年1月の試算の名目国内総生産(GDP)比0.1%(7000億円程度)から同0.7%(3兆9000億円程度)に大幅に拡大するとの見通しを示した。景気の急回復がなければ、政府目標の「11年度のPB黒字化」を増税無しで実現するのは難しく、今後、消費税引き上げをめぐる政府・与党内の論議にも影響しそうだ。  

11年度のPB赤字幅拡大は、景気の減速で07年度の国・地方の税収が今年1月時点の見込み額よりも、2兆3000億円下振れし、08年度以降も税収の落ち込みが見込まれるため。試算によれば政府が「骨太の方針06」で決めた歳出削減を最大限(5年間で14.3兆円)行ったうえ、女性や高齢者の就業率向上など政府の成長力強化策が奏功した場合でも、増税無しでは黒字化できない。また、歳出削減が最大限行われず、景気低迷が長期化する場合には、赤字幅は最大で名目GDP比1.5%(7兆9000億円)に拡大する懸念があるとしている。  

一方、GDPの成長率見通しは、08年度が実質1.3%、名目0.3%と、今年1月時点の実質2.0%、名目2.1%から大幅に下方修正した。ただ、米国など海外景気の回復を見込み、09年度は実質1.6%、名目1.7%程度と予想している。【尾村洋介】  

◇ことば 基礎的財政収支 行政サービスにかかる政策経費を毎年の税収などで賄えているかどうかを見るための指標。「国債の新規発行を除いた歳入」と「過去に発行した国債の元利払いを除いた歳出」の差額で表され、プライマリーバランス(PB)とも呼ばれる。  

政府は「骨太の方針06」で11年度までに国と地方を合わせたPBを黒字化する目標を設定し、「財政再建の一里塚」と位置づけた。目標実現のための「歳出・歳入一体改革」では、07~11年度の5年間に社会保障費の自然増の計1兆1000億円(国費分)抑制や公共事業費の前年度比3%削減継続などで最大計14.3兆円の歳出を削減。それでも黒字化できない場合は、消費税増税を含む税制の抜本改革で手当てする方針を示した。

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おそらく「社会保障費1兆1000億円削減」も14.3兆円削減の一環であり…という話なのではないかと思う。

超長期的視野に立ってみた場合、医療問題、特に現在の「産婦人科」「小児科」の問題、そして「教育」の問題を放置しておいていいことはない。

もちろん、医療問題の中にはすべての医療、そして介護を含めた社会福祉全般も含んでいるのですけど。

 

産婦人科、小児科医療がこのまま萎縮、崩壊すればますます少子化の傾向が進むわけです。そうすれば税収そのものがどれだけ減るかわかりませんが…長期的視野に立った場合、人口一人減れば一生の間に払う税収減は大きいのではないかと思います。

もちろん、一人減れば使う量も減るという考えもありますが・・・現在の超高齢化社会を歩んでいる日本にとって、若年者一人の減少でも大きな問題だと思います。

 

そういう意味では企業にとっても、日本経済にとっても大きな問題だと思います。

さらに医療は多くの方々が言っているように、巨大産業でもあります。 それを含めて様々な対応をしてほしいと思います。

 

今までにも書いてきましたが、「少子化問題」に対応する方法は「移民」しかなく、移民による税収アップ、労働人口アップしかないでしょう。

ところが日本はもともと閉鎖的な国ですから、受け入れが難しいと思うのです。

 

洞爺湖サミットが終わった後の札幌市でさえ、「英語看板、増えたのこのくらいか」と思わず笑ってしまうほど少ないのです。

 

P.S:外国からの観光客を見込むなら、英語看板増やしましょうね…札幌市&北海道

 

それはさておき、そういう状況も考えれば、やはり社会保障・医療、そして何よりも教育に関しては国は抜本的改革を行ってほしいと思っています。

教育に関する僕の考えは…とりあえず「今の日本の教育は?」や「今の日本を見て思うこと」「「アンフェタミン的多重知能理論:個人の考えですけどね」」「文科省の反撃:財務省は教育予算増を認めよ!」などをご覧ください。

 

まとめます。

 

経済諮問会議などにおいてプライマリーバランスの赤字拡大が示されました。赤字を減らすには「増税」か「無駄の削減」しかなくて、無駄かどうかはわからないのですが「社会保障費」を含めた削減政策を行ってきました。

 

しかし、様々な政策が実効をあげたとしても増税なしには黒字化できないと言っております。

 

ここで増税するかどうかは、様々な経済専門家のご意見が重要だとは思いますが、個人的な意見としては…

数十年後の将来のためにも 「産婦人科、小児科」を含めた医療対策をしっかり実施し、将来の税収アップを図るべきである

将来の競争力強化のためにも「教育改革」が重要である

の二点を挙げたいと思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

医療と教育は、本当に数十年後に響いてきます。

おそらく2050年ごろ世界を席巻しているのは…アメリカでもEUでもなくて、中国とインドだというのは正しい推測だと思います。

 

 

明日は今の病院での最後の外来日です。希望者が何人かいるので、その方々を中心に診療をして…あとは引っ越し準備か実験か・・状況に合わせて考えます。

それでは、また~

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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勉強になります (アンフェタミン)
2008-07-26 00:15:38
>taiekiさん
こんばんは、コメントありがとうございます

トヨタが受けている減免処置に関して、全く同感です。同じことが様々な企業に関して行われていると思っています。

一部の企業に対しての利益が、国民の利益になっていないこと、そしてその利益の一部が一部(強調!)の政治家官僚の利益になっていることは否定できないと思います

ここは改革すべき点ですが、その気になれば誰でも改革できる点だとは思います。改革しないのは現政治家の多くが・・・まぁ、そういう考えなのだろうと思わざるを得ない部分があり、僕のようなタイプは「現在の政治家のほとんどは頼りにならない」と思ってしまうのかもしれません

また、その後の結核の話非常に勉強になります。
流石専門家…というと失礼かもしれませんが、非常に勉強になりました。

本当にありがとうございます

結核も含めて、再興感染症のようなものによる死者が増えてきそうな国だとは思っております

現在も・・・麻疹脳炎で重篤な人がいますが、このような状況が日本のどこかで常に起こっているかと思うと悲しい限りです。

なぜ、日本は「将来の利益」よりも「無駄になるかもしれない」という理由で予防接種を控えめにするかが僕には理解できません

また、いろいろご指導いただけれうれしく思います

また、コメントいただければと存じます
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構造改革路線は国民の結核死亡率を増加させる (taieki)
2008-07-25 20:22:27
・・・という、有る意味ショッキングな報告を今読んでます。

http://blog.goo.ne.jp/kgh11277/e/e8a6669ece165f0463d6ae56a90ef2d7

 IMF主導の財政再建プログラムにより社会全体の構造改革を行い、政府の支出を削減すると、IMFからの借入金が1パーセント増す毎に結核の死亡率が1パーセント増し、IMFプログラムを施行する年数が増すと1年ごとに結核の死亡率が4パーセント増すんだそうで。

 とりわけ公衆衛生部門の医療従事者(保健所の医師や保健師)がリストラの標的としてねらい打ちされることが、これらの戦力が充分に無ければ効果を発揮しないとされるDOTSの失敗に繋がっているとか。

 まあ、我が国はそれでなくても結核の罹病率は先進各国よりも高い

>>国際比較:いくつかの先進国の罹患率(2004年、WHO報告)をみると、スウェーデン4.6、米国4.9、オーストラリア5.3、デンマーク6.6、ドイツ7.3、フランス8.3、英国11.8であった。日本(22.2)はこれらの国の2~5倍の水準であり、米国の1960年代後半の水準である。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/27/320/tpc320-j.html

 なので、現在の骨太の方針が続き、医師叩き&公務員叩きが続いて行くと我が国では再び結核が死の病に成っていくのでしょう。
返信する
トヨタが受けている税減免措置 (taieki)
2008-07-25 08:29:37
 2007年の数字で、トヨタが受けている税減免措置の額は約1900億円にも上るそうです。

 消費税を上げ、末端の国民一人一人に対しては増税を行って、かつ経団連に属する自分たちのような大企業のみはバブル期よりも低い納税で済ませる。
 それが経済財政諮問会議の言う「骨太の方針」なんでしょう。

 ただ、この様な大企業のみが恵まれ、そこで働く人を含め多くの国民から搾取するような仕組みは、国民の購買力=大企業にとっての市場の縮小と言う形で報いを受けつつ有ります。
 現に2007年は新車販売が年間360万台を切り、これは30年前の市場と同水準に縮小することを意味するそうです。
【ソース:http://www.j-cast.com/2007/11/04012713.html

 国民の購買力の低下は、トヨタにとって利幅の大きい高級車、とりわけレクサス等の売れ行き不振と言う結果をもたらしています。
 更に、実体経済と有利して加熱するマネーゲーム、投資資金が石油に流れ込む事による原油ことによるガソリン等の石油製品の価格高騰が車離れに拍車を掛けていますね。

 従業員=国民=国内市場(これは世界有数の大規模かつ裕福な市場です)って事にもう一度目を向け、企業が蓄え込んだ収益を国民に還元して景気を刺激する、社会全体でよりお金が廻る用にするのが結局は税収と企業収益の両方を改善する途なんではないでしょうか。
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