おはようございます。
今日はずいぶん暖かいですね。ランニング日和だなぁ…と思っています。もう少しおなかの調子が良くなると・・・(汗
いろいろ落ち着いたら、今日・明日で昨年行った発表に関係するData整理を行って、大学などに送ろうかと思っています。
と、言っている最中にまたおなかが痛くなってきた(汗
さて、今日の最初の記事はこちら。
ALK変異が標的の分子標的薬の承認を了承
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120229-00000008-cbn-soci
医療介護CBニュース 2月29日(水)20時59分配信
ファイザーによると、非小細胞肺がんでは治療標的となる遺伝子異常が複数確認されている。現在では、それらの遺伝子異常のうち、「EGFR遺伝子」の変異を標的とした治療薬として、アストラゼネカのイレッサ錠や中外製薬のタルセバ錠がある。
同省はザーコリについて、「高い奏功率が認められている一方、間質性肺炎や肝機能障害、QT延長、血液障害などの注意すべき副作用が認められており、十分安全対策を講じていく必要がある」としている。
また、プルモザイムの適応は「嚢胞性線維症における肺機能の改善」。中外によると、「嚢胞性線維症」は体内の分泌腺で異常な分泌物が産生されることで、体内の組織が損傷を受ける遺伝性の疾患。厚生労働省の調査では2009年単年中の推定患者数は15人だったという。
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ALKの変位をターゲットにした「ザーコリ」の有効性はいろいろ聞いております。このように有効性の高い薬剤が一つ見つかると・・・他の腫瘍などでもその薬が有効であることが判明することがあります。
http://www.clinicaltrials.jp/user/cteDetail.jsp?clinicalTrialId=5007&language=ja(治験中)
例えば先日、慢性骨髄性白血病に対して使用する薬剤「グリベック」に対してFIP1L1-PDGFRα 陽性の好酸球増多症候群(HES)/慢性好酸球性白血病(CEL)への適応拡大が認可されました。
グリベックは他にもGISTなどにも適応があります
この薬剤が多くの人に有益な結果をもたらし、その有益な結果がさらに広がることを祈念しております。
また、2月29日はRare disease dayだったそうです。その時期に嚢胞性線維症(アメリカでは多いのでしょうけどね)のように希少な疾患で苦しんでいる患者さんに有益な薬が認可されたことも素晴らしいことだなぁと思います。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。
ザーコリについてのコメントを読ませていただきました。
母が今肺腺がんを原発とするガン性髄膜炎と診断され、タルセバを服用しています。
タルセバが効かなかった時の為にいろいろと調べていたとき、ザーコリという薬の情報がありました。もしご存知だったら知りたいのですが、
・ザーコリはいつから使用可能なのでしょうか?
・ALK遺伝子の検査をしないと使用できないのでしょうか?
・検査はどのようにするのでしょうか?
・他に、臨床試験中で、上記の母の病状で被試験者になれるような募集はないのでしょうか?
以上、よろしくお願いします。
こんばんは、はじめまして。コメントありがとうございます。
肺癌が専門ではないので、知っているというほどでゃないのですが、わかる範囲内でお返事させていただければと存じます。
ザーコリが使用できる日時に関してははっきりとは存じません。ただ、認可されて薬価収載までは時間がかかると思います。長いと1年近くかかるものもあります。
ALK遺伝子の検査をしないと薬が効かないので使用できません。また、EGFR遺伝子と共存する可能性は低いかもしれません。
検査は恐らくFISH法だと思いますが、細かいことは存じません。
がん性髄膜炎という難しい状況で臨床試験を行っているものはないのではないかと思います。臨床試験の被験者を集めることが大変だからです。
また、髄液中に移行する薬剤は少なく、髄注できる薬剤も多くはないです。タルセバの髄液移行性は存じないのですが、同様にザーコリも移行するかどうかはわかりません。
お力になれず、申し訳なく存じます
また、コメントいただければと存じます
ご連絡、誠に有難うございます。お忙しい中、感謝申し上げます。すみません、色々と難しいのは分かっているのですが、タルセバが効かなかったらもう諦めるしかないと言われたのを受け入れられてないだけなんだと思います。
本日、ファイザーに直接電話して色々とお聞きしましたが、やはり使用可能な時期は全く分からないという予想通りの回答でした。
遺伝子変異を検査していないと保険適用にならないでしょうとのことでした。
*FISH検査など、検査方法はいろいろとあると思うのですが、何れの検査にしても、髄液を採取する必要があるのでしょうか?
私が一番気になるのは、母の体力的に(意識がほとんどなく2か月ほど点滴状態)、検体を採取すること自体がリスクだと思っていて、採取自体に踏み込むかを主治医に希望するかどうかを非常に迷っています。
すみませんが、何かご存知でしたらコメント頂けるとありがたいです。
肺がんと関係のあると聞きます、下記療法や先進医療に対する効果やご意見(全然聞かない、かなり聞いた患者がいたなど)をお聞かせ頂けると嬉しいです。また、母の状態に効果がありそうなものもあれば、ご教示頂けると有難いです。
・ANK療法
・樹状細胞ワクチン療法
・両分子フコイダン
・温熱療法
・高濃度ビタミンC療法
・サプリメント療法
・ソアラ療法
・IMRT(強度変調放射線)
・PDTレーザー
その他、何かあれば宜しくお願いいたします。
こんばんは、コメントありがとうございます。
ファイザーに電話もされたということで、いろいろできることをされているのだなと思いました。
もちろん、そのような方にできるだけの協力をしたいというのは人情ですが、あまり役に立つ話はできそうにありません。
検査に関しては「がん細胞」の遺伝子を調べる(もしくは染色体を調べる)ので、がん細胞を取る必要があります。
今回は髄液中にあるのであれば、髄液を取ることになると思います。
個人的にですが一つだけ。
悪性リンパ腫や白血病細胞が髄液中に浸潤した場合、抗癌剤がよく効くので髄液を取って検体採取した後に、抗癌剤を髄注(検体採取した後に抗癌剤を直接投与)することもあります。過去に何回もやりました。
昨日も書きましたが、肺癌の細胞の抗癌剤の感受性(効きやすさ)がわからないこと、タルセバザーコリの髄液内の移行性も不明であることから、あまり適当なことは書けません。まぁ、小分子なので移行するかもしれませんが・・・。
髄腔内に投与できる薬剤は限られています。
可能性を下げてしまうような話を書いて申し訳ないのですが、ANK療法や樹状細胞療法の有効性は「がん性髄膜炎」の患者さんには乏しいと思います。
それは免疫細胞が行きにくい「聖域」だからです。行かないとは言えませんが。
引き続き、書かせていただきます。
免疫細胞が行きにくい、それは造血幹細胞移植…という我々血液内科が実施する「免疫療法」において、髄液内に白血病細胞などがいた場合(中枢神経浸潤)の有効性は証明されていません。
他の治療に関しては肯定の意見も、否定的な意見も存じません。
直接診療もしていない医師に言われるのは腹が立つかもしれませんが、意識がほとんどない状態のお母さんに回復してもらいたいというのはよくわかります。
ただ、難しい状況だと思います
また、コメントいただければと存じます
母ですが、おかげさまでタルセバが少々効いているようで、今まで動かなかった右手が動くようになり、無意識にですが「ごめん」とか「びっくりした」とかしゃべっています。引き続き諦めず励ましたいと思っています。
「悪性リンパ腫や白血病細胞が髄液中に浸潤した場合、抗癌剤がよく効くので髄液を取って検体採取した後に、抗癌剤を髄注(検体採取した後に抗癌剤を直接投与)することもあります。過去に何回もやりました。」とありました。
オンマヤリザーバー?という方法のことなのでしょうか?
脳室に直接抗がん剤を投与することがあると聞きました。
体力がない母にも、そのようなことは可能でしょうか?
今の病院では、体力的なこともあると言われていますが、実績もなく、やってくれそうにありません。
おはようございます。コメントありがとうございます
タルセバが効いているようでよかったです。抗癌剤を髄腔内投与するのは限られた薬剤でのみ行っております。薬によっては投与すると、神経にダメージが行くもの(投与禁忌)もあります。
体力云々ではなく、タルセバの髄腔内投与というのはおそらく行われていないのではないでしょうか。
有害事象が出る量、効果が出る量…それが全く不明なので、普通の病院であれば行わないのではないかと思います。
なんでもやればよいというものではないのです。可能性を否定するわけではないのですが、基本的にはお勧めはできません。
また、コメントいただければと存じます
髄腔内投与は難しそうですね、有難うございます。
母ですが、タルセバ服用し、少し意識状態も良くなってきていたのですが、肝臓の調子が悪い状態です。
GOT、GPTが500以上の値が出たため、タルセバを一時やめています。
やめている間にも癌細胞が増殖しているのではと、家族は心配しています。
タルセバによる肝機能障害において、タルセバを飲みながら平行して対策をする方法はないのでしょうか?
数値が下がるまでタルセバをやめる以外に方法はないのでしょうか?
こんにちは、コメントありがとうございます
タルセバの内服によって改善が見られているということで、本当に良かったと思います。
ただ、有害事象として肝障害が出ているとのこと。そのために内服を一時中断していることに対して、ご心配なされている。
僕の側から申し上げられることは二つです。実際に意識障害の原因になっていたのはがん性髄膜炎ですので、それがどうなっているのかを追っていく必要があると思います。
治療を中断したら一気に増えてきてしまったというのであれば、やらざるを得ないという話になるかもしれません。
しかし、増えてこなければメリットよりもデメリットの方が多くなるかもしれません。
それがまず一つめです。
2つ目はタルセバを飲み続ける方法というのは何とも言えないところです。おそらく今やられているのではないかと思いますが、肝庇護剤を使用しながら内服継続という可能性はあると思います。
ただ、薬剤性肝障害であるなら、休ませることができるうちに肝臓を休ませた方が良いと思います。GOT/GPT(AST/ALTともいいます)は肝臓が破壊されていることを示す数値です。そういう意味ではまだ壊れる肝臓がある状況と言ってもよいです。
末期の肝硬変とかになると数値は下がりますしねぇ。
肝臓は回復力(再生力)がありますので、回復させる時間が稼げるなら休ませた方が良いと思います。そのほうが長期的に内服できる可能性があると思います。
あとは本当にメリットとデメリットを比較して、主治医の先生方が判断されるのではないかと思います。
また、コメントいただければと存じます