集合住宅の玄関外側に、3段の階段があります。
浸水のおそれがないかわりに車椅子での出入りが大変なので、スロープがほしくなったと、さまざまな案が出されましたが、ゆるやかな勾配がとれない、駐車場が狭くなるなど、なかなかよい方法が見つかりません。
協議の末、表通りから直接スロープにつながるやや長い通路を別に作ることになって、工事に取り掛かりました。
幾日か工事中断があって、どうしたのかと思っていたら、出来上がったのがスロープの途中で直角に曲がる構造でした。
表通りからでなく入り口のわきからとりつき、駐車可能な台数が減ることもなく、まことに具合よく仕上がっています。
まっすぐにこだわったわけでもないのに、曲げればすなおにおさまることに誰も気づかなかったのでした。
川の流れでも、曲がったところに洲ができたり、趣がそなわったりします。
どこかの国境線のように、ただまっすぐなところには、無理に抑えつけられた何かがかくされているようです。