機械の故障が起きたとき、処置方法について専門家の意見をよく聴きなさいと言われたことがあります。
工業標準の文案検討の過程でも、専門家の意見をよく聴きなさいと言われました。
技術的な問題解決には、専門家の識見にすがることが、有力な手段になりえます。
問題が政治的なことである場合には、専門家の意見が良い結論を招くとは限りません。
政治的なことには、必ず利害を伴いますから。
国会の委員会では、審査又は調査のため必要があるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができるという規則が定められています。
この場合、参考人の選び方と「意見を聴く」ところには、政治的な力が必ず働きます。
その政治的な力を発揮する政治家が、活動の第一の価値を、もし議員という職の継続性に置いていたらどうなるでしょう。
参考人の選ばれ方も、聴き出した意見も、議員の第一の価値に沿うものであることは間違いないでしょう。
その逆のことが選ばれる気遣いは全くありえません。
さて、問題は規則にあるのか、議員の価値のもちかたにあるのか、いかがでしょうか。