≪初志≫
人間は 初めてのことを
むやみにだいじがる
改革ということさえも
何かをより良く改めたいのではなく
自分が初めて手をつけるからという
初志であることだけが 貫徹の目標になる
自然の原理も 歴史の教訓も
初志の前には しもべ扱い
同時代の縁だけで そこに巻き込まれ
つきあわされる人は 大いに迷惑
≪初志≫
人間は 初めてのことを
むやみにだいじがる
改革ということさえも
何かをより良く改めたいのではなく
自分が初めて手をつけるからという
初志であることだけが 貫徹の目標になる
自然の原理も 歴史の教訓も
初志の前には しもべ扱い
同時代の縁だけで そこに巻き込まれ
つきあわされる人は 大いに迷惑
≪長閑≫
護衛艦と呼ばれる 空母が見える
なにも考えなくても ゆったり時を過ごせる
そんな公園のある この町には
地元の車の 前後に立ちはだかって
動けなくするような ジユージンの群れは
さすがに 押しかけてこない
≪呼称≫
人の名には たくさんの種類があります
本名 雅号 筆名 芸名 渾名 偽名 戒名
本名は ひとつしかありません
ものごとの呼び名にも いろいろあって
本名かどうかわからない 都合に合わせた呼び方に
変えられてしまうことがあります
たとえば
__区別 と 差別
__世話 と 介護
__視察 と 観光
≪偶然≫
題をつけてもよさそうなときはつけ
そうでないときは 何も書かない
つけられなくても なにか書かなければ
出展できないときは
たとえ 知恵のなさの証になっても
無題と書かれることがある
これは偶然だった
閉まったのを見たことがない
単線の 踏切が閉まり
トンネルから 電車が出てきた
いや 入って行ったのか
偶然とは 忘れやすいものごと
≪記録≫
書けば覚えますか いいえ
書いておくと忘れませんか いいえ
書いておけば思い出せますか いいえ
何をどこに書いたのか 覚えておかなければ
何も思い出せません
どう書いたか なぜ書いたか
それもだいじでした
歴史にも 似たところがありますが
確かな記録も 作られたウソ話も
ないまぜになっています
≪頑張り合い≫
頑張りが 競い合いになると
それぞれ 自分ではどうにもならなくなって
後始末が おおごとになります
どちらにも 害の及ばない方法を
早く見つけて 手を打てば
そう難しいことでは なかったのです
どうすればよいのかは
そこで生きているものが
教えてくれます
≪誤用記号≫
首のもげたこけし
いいえと言っても
そう見た人の 記憶に残ります
ワイヤレス・マウスは
上下逆転に 気付かないことがあります
記号も 見せ方使い方によって
違って見えたり 違うように見せたり
誤用が 御用に使われ
昂じて悪用に 使われると
不幸が訪れます